300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

27冊目『プレミアムな和サンド』から初回は鮭のからしじょうゆあえ+クレソンのサンドイッチ

[27-1]『プレミアムな和サンド』より初回は鮭のからしじょうゆあえ+クレソンのサンドイッチ(p.8~)

 ムラヨシマサユキ著、学)文化出版局発行、 撮影 木村拓、スタイリング 城素穂、編集 園田聖絵 浅井香織、  2017年2月19日初版発行

寒さが和らいだ水曜から、和食を具材にしたサンドイッチを作り始める。

調理時間:20分ほど(鮭に下味をつける時間を含め)

主な材料:山型食パン(6枚切り)、生鮭(切り身)、クレソン、練りがらし、しょうゆ、バターなど

調理の流れ:鮭に塩をふり、冷蔵庫でしばらく休ませる。沸騰したお湯に塩を少々加えクレソンをさっとくぐらせてから冷水にとり水気をきった後、食べやすい長さに切る。水気をぬぐった鮭を(クレソンを茹でた)鍋でしばらくゆでてから、ざるにあげ水気を切りすぐに合わせた調味料に漬ける。食パンの具材を挟む面にバターを塗り、クレソン、鮭をはさむ。

出来上がった料理:「魚介で」の章より辛子しょう油に漬込んだ鮭を使ったサンドイッチを作った。シーチキンやスモークサーモンのサンドイッチはよくみかけるが、ゆでた鮭は初めてで、ワクワクしながら口に運ぶ。辛子がほんのりきいたしょう油にバターの組み合わせはもちろん美味しいし、焼き鮭とは異なる、茹でることで生まれる鮭のふんわりした食感がまた食パンにあう。クレソンのちょっとした苦味も緑色のアクセントだけではなくて、美味しさのバランスを保つ一役をかっている。食べ応えもあるので、これからの季節、屋外でのランチにもぴったり。

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この辛子しょう油漬けの鮭はお弁当にも使えるし、立派なおかずにもなるので覚えておくと便利。取り合わせの野菜にクレソンはもちろん美味しいけれど、手に入らなければ刻んだ大葉でも美味しそう。

今週来週と予定がぼちぼち入っているので、すぐに作れて、片手で食べられるサンドイッチはとっても便利。おにぎりは日本が誇るファストフードなのに、炊飯器を持っていないので土鍋等で炊くところから始めねばならず、またランチはお店で食べたり、職場で出されたりするため、ここ数年は自宅で作れていない。炊飯器や電子レンジがあれば時間の使い方は今と違ったものになっているだろうなぁ。

<ごはん日記>

26冊目『野菜のごちそう』から最終回は鉄板焼き

[26-8]『野菜のごちそう』より最終回は鉄板焼き(p.32~)

 宮本しばに著、株)旭屋出版発行、 撮影 野口さとこ 宮本しばに、編集 松成容子、design 有)コーズ、  2013年11月1日初版発行

ものすごく寒くて、場所によっては雪予報も出た火曜は焼いたお野菜をもりもり食べる。

調理時間:15分ほど(お豆腐を水切りする時間は除き)

主な材料:キャベツ、キノコ類、玉ねぎ、かぼちゃ等好みの野菜、木綿豆腐、玉ねぎ(すりおろし)、にんにく(すりおろし)、生姜(すりおろし)、豆板醤、しょう油、砂糖、味噌、白ごまなど

調理の流れ:すりおろした玉ねぎ、にんにく、生姜と油を鍋に入れじっくりと加熱する。野菜がきつね色になったら豆板醤とその他調味料を加え一煮立ちさせてタレをつくる。火が通りやすいように切った野菜とお豆腐を鉄板で焼き、タレと大根おろしで食す。

出来上がった料理:ホットプレートも卓上コンロも無いけれど、厚みのある鉄のフライパンを使って「第1章 味噌・しょう油味」から鉄板焼きを再現した。わざわざ野菜を買いにいかなくとも野菜室にあるものを使って作れば、環境にもお財布にも優しくて、でもそんなことをみじんと感じさせない程にタレが絶品で、胃袋がギブアップと悲鳴をあげるまで食べ続けたくなる美味しさ。このタレさえあれば、炒め物や和え衣の決めてとして使えて毎日のお料理がとても楽になること請け合い。どれもおすすめだけれど本書でイチオシのレシピとなった。

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まとめに代えて:「第1章 どんなときでもほっとする味噌・しょう油味」で13品とアレンジレシピ、「第2章 香りごと元気をくれるスパイス・香味料味」は14品とアレンジレシピ、「第3章 素材のうまみが際立つ塩分・オイル味」9品とアレンジレシピ、「第4章 この存在がコクを深めるチーズ・乳製品味」では11品とアレンジレシピが紹介されている。和風、中華風、メキシコ風、インド風、アジア風、イタリア風にイギリス風までいずれもとても美味しく作れる野菜料理のレシピ集。

著者自身が長野県の山奥で暮らしていらっしゃることもあり、ほとんどの材料は入手しやすいものばかり。ヴェジタリアン料理って健康には良さそうだけれど、どこか物足りないと感じられる人もいるだろうけれど、しっかりした味のものから、あれ?自分が普段食べていたものって味付けが濃かった?という疑問を抱かせるほどに素材の美味しさを感じさせるレシピまで様々な魅力が詰まっている。

素材の持ち味を活かすためのタレやソース使いが非常にうまいんだなぁ。

2016年10月刊行の『野菜たっぷり すり鉢料理』を再現するつもりが諸事情につき本書を取り上げた。宮本さんの本は、京都の児童書専門店のブログで知り、すぐに取り寄せたのが大当たり。普段書店の棚に並んでいない本の中にも、素敵な本はたくさんあって、こんな出会いは嬉しい限り。

FMを聴いていたら、アメリカでマイケル・ジャクソンの人気曲をアンケート調査した結果、"man in the mirror"がベストに選ばれたとのこと(何調べか詳細は不明)。日本ではさほどメジャーな曲じゃないものの、そこまでの人気を博すだけの文化的、歴史的な背景があるのだろうと懐かしいmvを観てしんみりとする。


Michael Jackson - Man In The Mirror (Official Video)

<ごはん日記>

26冊目『野菜のごちそう』から7回めは麻婆春雨

[26-7]『野菜のごちそう』より7回めは麻婆春雨(p.28~)

 宮本しばに著、株)旭屋出版発行、 撮影 野口さとこ 宮本しばに、編集 松成容子、design 有)コーズ、  2013年11月1日初版発行

お昼過ぎからぽつぽつと雨が降り出した月曜日は春雨料理を作る。

調理時間:10分ほど(春雨を戻す時間は除く)

主な材料:春雨、干し椎茸(戻してみじん切り)、くるみ(みじん切り)、たけのこ(みじん切り)、長ネギ(みじん切り)、生姜(みじん切り)、豆板醤、甜麺醤、しょう油、日本酒など

調理の流れ:春雨は水に漬けて戻す。その間に野菜を切り、炒め用と煮立て用の調味料をそれぞれ合わせておく。鍋を熱し、干し椎茸、くるみ、たけのこをさっと油で炒め、炒め用の調味料を加え水気が飛ぶまで火を入れる。煮立て用の調味料を入れ沸騰したら春雨を加えて煮る。煮汁がある程度減ったら、長ネギと生姜を加える。

出来上がった料理:「第1章 味噌・しょう油味」より麻婆春雨を再現した。普段は水洗いのみで使っていた春雨だが、水でじっくりと浸す。その30分の間に他の料理の支度や、野菜のみじん切りを済ませてしまおう。皮をむいたり、固くて切りにくい素材は無いので春雨さえ戻れば後はほとんど手をかけずに仕上げられる。

くるみとたけのこの歯ごたえと干し椎茸の旨味に味噌としょう油が合わさって、お肉が入っていないことが気にならないくらいに美味しく、するする口に入る。先日再現した味噌ラーメンと同じく、こちらもとても優しいお味で、小学生くらいからお年を召した方まで安心して、満足して食べられる一品。

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丁寧に時間をかけて戻した春雨は、火の通し方のほんの少しのコツでぷるんとした食感がたまらない仕上がりになり、お皿に盛りつけるまでに味見が止まらなくなる。そうか、こうすれば春雨の魅力をより堪能出来るのかと納得。

ほぼ毎日ウィスキーバーに通う父親を持ったおかげで、バーには深く馴染んでいて旅先などでも一人でふらりと飲みに出かけられる。生まれ育った京都に比べるとまだまだ手薄だが、東京でもここならばというバーに何軒か出会う事が出来た。『情熱のナポリタン bar追分』(伊吹有喜著、ハルキ文庫刊)の舞台モデル(一部分)となるバーもそのうちの一軒で、マスターからこの作品に関わった逸話を直接聴くことが出来た故に愛着が増したシリーズ。

本作中にハンバーガーの美味しいボウリング場が笹塚にあると記されていたので食べに行ってきた。包丁で切らずに割られている新じゃがいものフライ、サラダ、スープと食後の飲み物までついてくるハンバーガーランチは、これがボウリングしながらや、併設のカフェで食べられるならそれだけで笑顔になれる美味しさ。

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情熱のナポリタン―BAR追分 (ハルキ文庫)

情熱のナポリタン―BAR追分 (ハルキ文庫)

 

 <ごはん日記>

26冊目『野菜のごちそう』から6回めはメキシカンぶっかけ素麺

[26-6]『野菜のごちそう』より6回めはメキシカンぶっかけ素麺(p.40~)

 宮本しばに著、株)旭屋出版発行、 撮影 野口さとこ 宮本しばに、編集 松成容子、design 有)コーズ、  2013年11月1日初版発行

寒くはないけれど、暖かくもない金曜日は久々にアボカドを使った料理を作る。

調理時間:10分ほど(野菜をマリネする時間はのぞき)

主な材料:素麺、つゆの素(別レシピ)、トマト(湯むきしてから角切り)、アボカド(角切り)、玉ねぎ(みじん切り)、大葉(みじん切り)、にんにく(すりおろし)、レモン汁、一味唐辛子など

調理の流れ:野菜とオリーブ油、レモン汁、塩、一味唐辛子をボウルに加え混ぜ冷蔵庫でしばらくマリネする。茹でて、水洗い、水気をきった素麺を器にもり、つゆを注ぎ野菜をのせる。

出来上がった料理:「第1章 味噌・しょう油味」にある「つゆの素」を作り、アレンジとして掲載されているみぞれ雪そば、長芋の立田揚げ、メキシカンぶっかけ素麺の中から選んだ品を再現した。干し椎茸と昆布を漬込むつゆの素は、かつお節を入れなくともこれだけコクのある味が出せるのだとビックリさせられる美味しさだし、2ヶ月程は冷蔵保存出来るので、これからやってくる素麺など冷たい麺類の季節に大活躍しそうで楽しみ。

冷蔵庫でしばらくマリネすることでまろやかになったトマト、玉ねぎにトロンとしたアボカドを麺と一緒に口にほおばり、噛み締めると、つゆの程よい甘さと野菜のそれぞれの持ち味が舌の上で広まって、それはそれは幸せな気分にさせてくれる。柿ピーを食べるときのように、トマトとアボカドをどの配分で食べると一番美味しいのかと考えながら箸で具材を選り分けるのも楽しい。

メキシカンと銘打たれているが忘れてはいけないのが、香りと特有の風味豊かな大葉と一味唐辛子の存在。ドライバジルでも代用は出来るだろうけれど、生のそして新鮮な野菜の香りには敵わないので、自分ひとりなら構わないけれど、誰かに食べてもらいたいのなら大葉は必要。

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軽めに食べるつもりが、箸を止められず完食するほど美味しくて、お気に入りのレシピ。

2月が足早に過ぎたからといって、仕事の量が減る訳でもない3月は猶予無い締め切りが、年度末が迫ってくる。あれもしなきゃこれもしなきゃと慌てるなか、町を歩いていると春からの新生活に夢を膨らませる人たちのお引っ越し風景がちらほら見受けられて、初々しい気持ちが思い出される。若いからと許されることも、若さだけでは許されないこともあるなんてもっと大人になるまでわからないかもしれないけれど、いろんなことを乗り切れていけばいいね。みなさまよい週末を。

<ごはん日記>

 

26冊目『野菜のごちそう』から5回めはアラブの豆&フェタサラダ

[26-5]『野菜のごちそう』より5回めはアラブの豆&フェタサラダ(p.110~)

 宮本しばに著、株)旭屋出版発行、 撮影 野口さとこ 宮本しばに、編集 松成容子、design 有)コーズ、  2013年11月1日初版発行

朝から散歩で手がかじかむ木曜は、彩りのきれいなサラダを作る。

調理時間:15分ほど

主な材料:ひよこ豆、玉ねぎ(みじん切り)、トマト(角切り)、セロリ(スライス)、パプリカ(角切り)、パセリ、フェタチーズ、カレー粉など

調理の流れ:ボウルに軽くつぶしたひよこ豆、野菜とフェタチーズを入れ混ぜる。オリーブオイルとカレー粉をフライパンに入れて熱し、香りが立ったらボウルに入れる。レモン汁、オイルを加えて味を整える。

出来上がった料理:「第4章 チーズ・乳製品」より何種類もの生野菜とひよこ豆の入ったサラダを再現した。トマトの赤、パプリカのオレンジ(色は何色でも可)、フェタチーズの白にセロリの薄い緑と色とりどりで見ただけでも元気になれる。野菜だけだと少しぼんやりしていた味が塩分の強いフェタチーズを入れることでぐっと引き締まって、暑い季節だとこれを肴にビールがすすみそう。余ればカレー料理のつけそえや、本書に記されているようにピタパンに入れても美味。少なくとも2日間は冷蔵保存出来るので、副菜に彩りが欲しい時や葉野菜がストックに無い時などに使えて便利。

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時間が経つごとに野菜から水分が出て、代わりに野菜に味が入り全体が馴染んでいくので、出来立てよりも少しおく方が美味しい。好みにもよるが。

久しぶりに実家の母より荷物が届いた。前日に荷物の中身についてかかってきた電話で「美味しそうなお肉が買えたから入れておくけれど普通便でいいやんね?」と問われ、「生のお肉を入れるのならどうか冷蔵便にしてください」と懇願し、なんとかクール便にて配送していただけた。保冷バックに保冷剤を入れれば、なんとかなると思い込んでいるところが非常に恐ろしい。

<おうちごはん>