300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

55冊目『実用の料理 ごはん』から5回めはソーセージとたらのフライパンパエリア

[55-5]『実用の料理 ごはん』から5回めはソーセージとたらのフライパンパエリア(p.49)

高山なおみ著、 株)京阪神エルマガジン社発行、 アートディレクション・デザイン 有山達也、デザイン 中本千春、撮影 齋藤圭吾、スタイリング 高橋みどり、イラスト 牧野伊三夫、編集 赤澤かおり、村瀬彩子、稲盛有紀子 2015年12月1日初版発行 

この週末から大寒波到来で、年の瀬感がぐっと増しそうだが、テンションを上げられそうなスペイン料理を再現した。

調理時間:45分ほど(お米は洗わず使う)

主な材料:食べやすい大きさに切り分けた生だら、切り目をつけたソーセージ、粗みじん切りにしたにんにく、薄切りにしたにんじん、横に切ったミニトマト、薄切りにしたパプリカ、白ワイン、チキンスープの素(あれば粉末状)、バター、ローリエ、刻んだパセリなど 

調理の流れ:オリーブオイルを入れたフライパンでにんにくの香りが立つまで炒めたら、ばたーを加えて溶かし、たらの両面に焼き色をつける。米も加え透き通るまで炒める。白ワインを注ぎ入れアルコールが飛んだら、調味料と水を注ぎ一度沸騰させる。野菜と手でバラバラにほぐしたローリエをのせて蓋をして炊く。しばらくしたらソーセージをのせさらに炊く。炊き上がったらパセリを飾り、黒こしょうをひく。

出来上がった料理:「第2章 炊き込みごはん」より、夏に食べたくなるけれど、季節を問わずいつ食べても美味しいパエリアを再現した。

レシピを見て材料を揃えながら、あれ?これみじん切りにした玉ねぎは入れないんだと、不思議に感じたが、食べてみて納得。たらの旨みがどっしり基礎を支えてくれているから、玉ねぎの旨みは不要。更に色みと甘みを加えるにんじんやトマトも一緒に炊き込むから、わざわざ面倒なみじん切りの作業はしなくともよい。たった一つの手順ではあるけれども、確実に嬉しいし、作ってみようと思わせるポイントでもある。

切り込みを入れたソーセージから出た肉の出汁と、たらという魚の、海の味が重なると、子どもから大人までほほほと思わず笑いたくなるほど食べやすく、美味しいパエリアが出来上がる。これに合わせるなら白ワインかなぁ。お酒がどんどん進んできたら、レシピの欄外に記されているように粒マスタードを添えて味を変えてみよう。酸味が加わることで奥行きが出るし、さらにスプーンを口に運ぶ速度が上がること請け合い。

ちょうど良い大きさのフライパンを持ち合わせていなかったので、愛用の土鍋でパエリアを作った。テフロンよりも、鉄のフライパンやごはん炊き用の土鍋があるなら、そちらを使うことをお勧めする。

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冬は鍋や、煮込み料理が美味しいし、食べたくもなるが、陽気なイメージがあるスペイン料理を食卓に上げるのもいいもんだなぁ。あ!3種類入りのソーセージパックが冷蔵庫にあったので使ったが、一種類のみでもちろんOK。

 

12月中にこの本の紹介を終わらせようとしていたのだが、年内の更新はこれにて最後。

頑張ったり、楽しんだり、それぞれ、その人なりにいろいろな事があっただろう2018年も残すところ数日になった。31日まで実家でまかない担当としてお手伝いするが、今年もどうやら何事もなく終えられそうなことに感謝。みなさま、どうか佳いお年を。

現実よりも想像の方が怖いという文章に出会ったが、あまりに繰り返して考えているとそれが現実になったりするのを身を以て知った。この春からどっぷりはまっているちぃたん ⭐︎はテレビのスポーツコーナー(毎日曜深夜)を持っている。驚異的な運動神経を活かして、様々なスポーツに挑戦しているのだが、フェンシングの回で最後に足が攣ってしまうシーンの「つった!つった!つったー!」という声優さんの声とキャプションが面白くて、かわいそうと思いつつも繰り返し再生していた。なんなら思い出し笑いをしながらジムで体を動かしていたのだが、ある日全力でバイクを漕いでいる最中に左ふくらはぎにビビビッと異変を感じ、例の「つった!」が脳内再生され、ちょっと怖くなった。ミスやネガティヴな想像やことばには囚われやすいが、太陽の光がぱぁっと当たるようなイメージを持つ方がいいんだな。きっと。リスクマネージメントも大切。でも、負けないようにや失敗しないように努力するのではなくて、勝つためにだったり成功するために頑張る方がいい。うん。来年も明るくいきましょう。

改めてhope you have lovely holidays.


スパーク ちぃたんチャレンジ♯8『フェンシング編』

 

<ごはん日記>

55冊目『実用の料理 ごはん』から4回めはポキどん

[55-4]『実用の料理 ごはん』から4回めはポキどん(p.92)

高山なおみ著、 株)京阪神エルマガジン社発行、 アートディレクション・デザイン 有山達也、デザイン 中本千春、撮影 齋藤圭吾、スタイリング 高橋みどり、イラスト 牧野伊三夫、編集 赤澤かおり、村瀬彩子、稲盛有紀子 2015年12月1日初版発行 

そういえば以前は毎日更新していたんだった!為せば成る、なさねばならぬ何事もなのか?で日記をupする期間を10~14日ごとから短縮すべく奮闘中。

調理時間:20分ほど(炊きたてのごはんがあるものとして)

主な材料:角切りにした赤身まぐろ、角切りにした刺身用サーモン、みじん切りにした玉ねぎ、小口切りにした万能ねぎ、乱切りにしたアボカド、手でちぎった青じそ、しょうゆ、ごま油、わさび、カイエンヌペッパー、白ごま、マヨネーズ、練り辛子 

調理の流れ:しょうゆから白ごままでの調味料を混ぜ合わせ、刺身用の魚を入れ混ぜ合わせて冷蔵庫でしばらく馴染ませる(レシピには記載されていないが、わたしはこの時にみじん切りにした玉ねぎも加え混ぜている)マヨネーズと練り辛子を混ぜ合わせる。魚とアボカドをさっくりと混ぜ合わせる。ほかほかのごはんの上に青じそをのせ、メインの具材を盛り付ける。辛子マヨネーズを添える。

出来上がった料理:「第4章 どんぶり、小どんぶり」より、ハワイ料理のポキをどんぶりにした料理を再現した。ポキは手軽かつ苦手な人もあまりいないので、これまでもよく作ってきたが、魚はまぐろ一種類のみを使っていたので、サーモンをあわせるとどうなるんだろう?とワクワクしながら作る。

本場ハワイではタバスコを入れたりもするようだが、レシピでは代わりのカイエンヌペッパーが隠し味。そして辛子マヨネーズがね、もう堪らなく良い仕事をしてくれるの。赤身まぐろはトロに比べるとさっぱりしているから、脂ののったサーモンの旨みを添えて、さらに辛子を混ぜたマヨネーズが具材をまろやかにまとめてくれる。普段マヨネーズは使わないのだが、わぁ、マヨネーズってすごい調味料だなぁとわたしがこれまでわからなかった実力を見せつけられる。つまり、あぁこのまぐろのお味、期待値に少し足りていないかも?と感じても、この辛子マヨネーズと炒りごまを増すだけで見事にリカバー出来るということ。

レシピ指定は青じそなものの、エスニックがお好きならパクチーでも美味しい。夏や温暖な地域の雰囲気がさらに高まって、ビールがとっても美味しそう。

ここだけは絶対に誤ってはいけないポイントは、お刺身用のサーモンを用意すること。加熱用を生食には用いないこと。

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どちらかというとスモークサーモン派で、スモーキーな香りをいかしてサラダやパスタによく使う。このレシピを知った後ならお刺身用サーモンの使用頻度も高まりそう。

 

クリスマスまで2週間をきって、メール配信登録しているお店やネットからもギフトの提案をたくさんいただく。その手にはのせられるものかと三猿(見ざる言わざる聞かざる)の姿勢を貫いてきたが、この3年間時計、宝飾品もまったく購入しない無欲の塊を溶かしそうな指輪の画像を見かけた。目がチカチカするような華やかなカッティングではなく、ほぼたいらで、シンプルだからこそ貴石の存在感があり身につける人の個性を出してくれそうなデザイン。10年くらい前からいいなぁと気になりつつも手が出なかったメゾンの指輪、今度のトランクショーで現物を手に取りぴんときたら買おうかな。もちろん予算の範囲内ならということで(笑)、もしも買いたいものに手が届かないようなら、まだまだ頑張りが足りなかったり、不甲斐ない自分のせいなので、きちんと受け止めなきゃね。

<ごはん日記>

55冊目『実用の料理 ごはん』から3回めは懐かしのチキンライスとオムライス

[55-3]『実用の料理 ごはん』から3回めは懐かしのチキンライスとオムライス(p.54~)

高山なおみ著、 株)京阪神エルマガジン社発行、 アートディレクション・デザイン 有山達也、デザイン 中本千春、撮影 齋藤圭吾、スタイリング 高橋みどり、イラスト 牧野伊三夫、編集 赤澤かおり、村瀬彩子、稲盛有紀子 2015年12月1日初版発行 

朝早い時間のぴぃんと張った、そして澄んだ冷たい空気が好き。今年もようやく大好きな冬がやってきた。

調理時間:40分ほど(お米を浸水させる時間は除き)

主な材料:小さな角切りにした鳥もも肉、みじん切りにした玉ねぎ、粗みじん切りにした人参、下処理したグリンピース、トマトジュース、トマトケチャップ、ウスターソース、塩、チキンスープの素(あれば粉末)、サラダ油、バター、ローリエなど。オムライスは卵、サラダ油、バターなど 

調理の流れ:といだ米に調味料、水を加え混ぜ合わせたものを注ぎ、浸水させる。フライパンにサラダ油を入れて熱し、玉ねぎが白から透き通るような色になるまで炒めたら、塩胡椒をした鶏肉、人参、バターを加え、鶏肉の表面が白くなるまでパッと炒める。(グリンピースの処理の仕方は本書を参照のこと)米の上にフライパンの中身、ローリエをのせて炊飯する。蒸らし終わったらグリンピースを加え混ぜ、味を整える。オムライスは、溶きほぐした卵をフライパンに流し入れてすぐに箸でかき混ぜ、半熟になった時点でチキンライスをのせてまく。

出来上がった料理:「第2章 炊き込みごはん」の中の炊き込みごはんいろいろより、子どものころに大好きでよく食べたオムライスを作った。

鶏肉を角切りにするのが難しければ、最近は小さく角切りにしたものが売っているし、精肉コーナーがあるスーパーなどは頼めば切ってもらえることもあるので、ダメ元で聞いてみるのも手。ここさえ乗り切れば、玉ねぎをみじん切りにする分量も多くないし、人参は粗みじんで良いので炊飯器任せ。材料を炒めたときの油分に鶏肉からも脂が染み出て、ストウブのLa Cocotte de GOHAN(鋳物ホーロー鍋)で炊いてもこびりつかず、薄っすらとおいしそうなお焦げが出来るくらい失敗知らずのレシピ。

炊き上がりに蓋を開けた時ふわぁと上がってくるローリエの香りはさりげないけれど、ぐっと食欲をそそるので、出来れば入れて欲しい。無くとも作れはするが、あるとないでは確実に料理の出来が変わるのがこうしたハーブやスパイス。使い慣れていないのであれば、今回のチキンライスのようにシンプルな料理で違いを知ることをオススメする。

トマトジュースの分量が多いので、やや大人向けのさっぱりとした味付けで、ふっくら火の入った鶏肉と一緒に味わうと、スプーンが止まらなくなる。先ずチキンライスを味わってから、卵で巻いてオムライスを作ろう。

レシピ通りにフライパンで半熟状態のふわっとした卵を作ろうとしたが、これが案外難しい。何度か挑戦したものの、うまく出来なかったので、フライパンに卵を流し込んだら、いじらずに加熱し、表面が乾く前にチキンライスをのせるという自分が手慣れたやり方に戻した。

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お好みにより、上にかけるケチャップにはウスターソースを混ぜるのもよし。京都では平安神宮の側に小宝さんだったり、市役所近くにグリルアーロン(残念ながら閉店)というオムライスが有名なお店が結構ある。以前はよく食べに行ったものだが、今はお家で作った味でほっこりが好み。

 

冷めたご飯も美味しく食べられるわたしにとって、温かくないと食べないという人の気持ちはなかなか理解しにくいのだが、おむすびならばお米が冷たかろうが気にせずニコニコ食べられるのではないか。長野県、京都府が多く登場するが日本各地の19名のおにぎりを通じての家族との在り方をインタビュー、写真とともに紹介しているのが『おむすびのにぎりかた』宮本しばに著、野口さとこ撮影、ミシマ社刊行。忙しい時は片手で食べられるし、何より家族が思いを込めてむすんでくれたおにぎりに勝る料理はなかなか無い。具材も地域、家庭によって異なるし、子供の頃に食べ馴染んだ味は忘れがたいものだ。かつておむすびをにぎる仕事をしていたこともあったが、いつまでたっても上手くならず、単純に捉えられがちだが美味しくにぎるのは本当に難しいものだなぁとしみじみ感心した。

クリスマスには全く関係ないのだけれど、ホリデーシーズンに聴きたくなるご機嫌な曲の一つ。(2000年に発表だったなんて、びっくり)


Aqua - Cartoon Heroes

 

<ごはん日記>

55冊目『実用の料理 ごはん』から2回めはサンマの香味ごはん

[55-2]『実用の料理 ごはん』から2回めはサンマの香味ごはん(p.28~)

高山なおみ著、 株)京阪神エルマガジン社発行、 アートディレクション・デザイン 有山達也、デザイン 中本千春、撮影 齋藤圭吾、スタイリング 高橋みどり、イラスト 牧野伊三夫、編集 赤澤かおり、村瀬彩子、稲盛有紀子 2015年12月1日初版発行 

ゴミ箱にテッシュの花が満開になるほどの風邪っぴきで、更新が遅れた。

調理時間:40分ほど(お米を浸水させる時間は除き)

主な材料:米、頭と尾っぽを切り落とし二枚におろしたサンマ、昆布、千切りにしたしょうが、ほぐしたまいたけ、短めに切った三つ葉、小口切りにした万能ねぎ、白ごま、ごま油、酒、しょうゆ、塩、すりおろしたしょうがなど 

調理の流れ:研いだ米は調味料と水をあわせていつもの水加減にして、昆布をのせしばらく浸水させる。さんまは半分の長さに切り、水で洗って汚れを落とし、キッチンペーパーで拭った後に下味調味料をふりかけ、冷蔵庫でしばらく休ませる。米の上にしょうがとまいたけをのせて炊く。フライパンにごま油を入れ熱し、サンマの皮目を下にして強火でしっかり焼き目をつける。美味しそうに焼けたら裏返し、蒸し焼きにして、中骨と小骨を取り出しさっくりほぐす。米が炊き上がったら、昆布を取り出し、さんまをのせてしばらく蒸らす。その後、香味野菜とごまをふり混ぜ、器に盛る。好みで粉山椒を。

出来上がった料理:「季節の炊き込みご飯」より、まるまるっと一匹の塩焼きが美味しいに決まっているけれども、丸焼きにするには魚焼きグリルがないと難しいし、部屋のにおいが気になってなかなか作れない人にとって、オススメの炊き込みご飯を再現した。

おろししょうがも入れた下地につけること、ごはん自体に千切りしょうがや舞茸の香りをまとわせること、仕上げに三つ葉、ねぎ、白ごまを加えることで、さやわかさが増して、冷めても青魚のにおいはほとんどしないくらい。さんまはご飯の上で蒸らすことで程よく脂が身から抜け、お米に浸透するので、香味野菜ばかりであっさりしすぎるんじゃないの?という疑問は払拭される。

初回はレシピ通り作ったが、それ以降は野菜室にあるものを使って、例えばまいたけをしめじにして、香りを補うためにミョウガの薄切りを加えたりと、それぞれの味やアレンジを楽しんでいる。味付け調味料は前回の牡蠣ごはんとほぼ同じ配合なので、これが黄金律なのだろう。つまりこれさえ覚えておけば、魚を具材にした炊き込みご飯は自分なりに美味しく作れるということ。仕上がりで、味見をして塩っ気が足りなければ、お塩をパラリと振り混ぜれば良いし、お漬物やお味噌汁が用意されているなら、薄味の方が全体のバランスが取れる。誰かが幸せになる味を作るために、失敗を恐れず、いろいろ挑戦してみると料理って面白いなぁと感じられるようになる。(作り直せ!と言われると、ムカつくけどね、うちの父親は母に対してよく口にする(笑)不器用ながらに甘えているんだな)

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画像はレシピをアレンジしたもの。サンマを入れる際にみょうが半量を加え、炊き上がりに他の香味野菜とともに残り半量を加えた。土鍋ごと撮る方がやはり美味しそうに見える。

 

雪の積もった景色がSNSに掲載され始め、あの墨絵のような白と黒の絶妙の入り混じり具合をこの目で見たくて、ひゅうひゅうと吹く冷たい風を感じたくて、師走は秋田か青森にでも旅に出ようかと考えたが、この1週間は熱との戦いで、やらなければならないのに出来ないことが見る間に増えて、12月のことなぞのほほんと考えたらバチが当たる状態。早く治そう。

<ごはん日記>

55冊目『実用の料理 ごはん』から初回は牡蠣ごはん

[55-1]『実用の料理 ごはん』から初回は牡蠣ごはん(p.31~)

高山なおみ著、 株)京阪神エルマガジン社発行、 アートディレクション・デザイン 有山達也、デザイン 中本千春、撮影 齋藤圭吾、スタイリング 高橋みどり、イラスト 牧野伊三夫、編集 赤澤かおり、村瀬彩子、稲盛有紀子 2015年12月1日初版発行 

日が高いあいだはシャツ一枚で十分な日があったり、足元がぐうっと冷え込む日もあって、暖冬と予想されている今年も冬がそろりそろりと近づいてきた。

調理時間:30分ほど(お米を浸水させる時間は除き)

主な材料:米、大きめの加熱用生ガキ、昆布、千切りにしたしょうが、酒、薄口しょうゆ、塩、ごま油 

調理の流れ:米を研ぎ、調味料に水を加え米と同分量の水加減にして、炊飯器に入れさっと混ぜる。昆布をのせてしばらく浸水させる(米により時間は調整)十分に米が水気を含んだら、しょうがをのせ、炊く。カキは塩水で振り洗いし、水気を切っておく。ぽわぽわ大きな泡が立ち始めたらカキをあまり重ならないように米の上に並べて、なるたけ早く蓋をしめて引き続き炊く。蒸らし終わったら昆布を取り除き器に盛る。

出来上がった料理:「第2章 炊き込みごはん」の季節の炊き込みごはんより、猛暑につき例年より出荷が遅くなった牡蠣を使った料理を再現した。

何度か作った上での注意点。まず調理器具について、愛用のstaub社製La Cocotte de GOHAN gohanでも炊いたが、土鍋を使った時の方がおこげがしっかり入るし、お米の上に牡蠣を重ねずに入れられるので、今回は土鍋を推奨する。次に食材。ごま油は香りが高いものよりも、透明な太白ごま油を使う方がより上品に仕上げられる。そしてこれまでも何度か記しているが、加熱用の牡蠣を使うこと。熱を入れて食べるなら、滅菌処理を施された生食用の方がよりも断然に美味しいから。

器によそった後は、まずは牡蠣から食してみよう。むっちりした歯ざわり、口の中には牡蠣の旨みがあふれ出て、目を閉じてしっかり味わいたくなる。ごま油が入っているので、炊飯器を使わなくとも焦げ付かず、こびりつかず、でもおこげは美しく仕上げられるし、お昆布と一緒に炊くことでスッキリと、でもしっかりした深みが生まれる。しょうがのぴりっとした刺激も名脇役で、出しゃばらせすぎないためにはできるだけ細切りにする方が良さそうだが、この辺りはお好みで。

素材の持ち味をぐぅんと活かした味付けなので、炊きたてのごはんはもちろん、冷めた後もとっても美味。牡蠣はすぐに食べてしまうので、炊き込みごはんの主役であるごはんが残ったら、次の食事としてとっておきのお楽しみ。牡蠣の出汁を含むとお米の甘さが際立ち、季節限定のお味なのでより愛おしくなる。おにぎりにして焼いても最高。

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海の香りがふわっと漂うぷっくりした大粒の牡蠣がのっかったごはんは、モノクロな外見ながらも滋味に溢れている。今季繰り返して作ること請け合いの炊き込みごはん。

 

いつもは懇意にしているお店に予約し、取り寄せているボジョレーなのに、今年はあれ?解禁日はいつだったっけ?となるくらい関心が薄かったが、食材の買い出しついでスーパー2軒を巡って結局3本入手(笑)食べものに関わる仕事に従事しているのに、そしてお酒もこよなく愛しているのに、毎年一度のお祭りを味わわない手はないよなぁと別にしなくともよい言い訳をしつつ、ぐびぐび飲んでいる。

映画公開に伴いQueenに脚光が当たっているが、このところyoutubeで繰り返し聴いているのはDavid Bowie。レコードでしか音源を所持していないので、今度懐に余裕が出来たならデジタルで買い揃えよう。今回は1983年発表の"Modern Love"を87年pepsiのCM用にTiner Turnerとリテイクしたものを紹介する。

気温が安定しないので、体調にはお気をつけて、赤や黄色に色づいた木々を愛でられる週末を過ごせますように。


Commercial Pepsi Cola Creation w David Bowie & Tina Turner Modern Love YouTube 480p

<ごはん日記>