300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

[番外編] ネギたっぷりの豚しゃぶ

[番外編] ネギたっぷりの豚しゃぶ

鍋のレシピ本をじっくりと再現した流れで、久しぶりにオリジナルというか、元ネタありきのアレンジレシピを記す。

調理時間:30分ほど

主な材料2人分:しょうが(3カケ)、ニンニク(2カケ)、白ネギ(4本)、しゃぶしゃぶ用薄切り豚肉(240g)、卵(2ケ)、黒粒コショウ(8粒)、酒(50ml)、顆粒鶏ガラスープの素(大さじ1/2)、しょうゆ(大さじ2)、みりん(大さじ1)

調理の流れ:[下準備] しょうがは千切り、ニンニクは薄切りにする。ネギを斜め薄切りにしたらザルに入れ、蛇口の下で水を出しながら手でざざっと洗う。

鍋に水を400ml入れ、しょうが、ニンニク、黒粒コショウを加えて中火にかける。沸騰したら酒を注ぎ弱火にしてニンニクが透明になるまで煮る。鶏ガラスープの素、しょうゆ、みりんを入れ一煮立ちしたら、ネギと豚肉を入れる。取り皿に卵を割り入れ、出来上がったしゃぶしゃぶをつけて食す。

※私はバラ肉を好むが、肩ロースでも美味。何れにせよ出来るだけ薄く切られたものを用意すること。
※季節や産地により、切ったネギが大量の場合はボウルに水を張ってさらす。
※ネギ好きならば、最後に小口切にした青ネギを散らすとさらに美味。

出来上がった料理:去年の11月ころにハマって幾度となく作った鍋料理。和出汁で作ってもみたが、鶏ガラとあわせる方がより甘みと良い意味でのクドさが出て美味しい。
しゃぶしゃぶというと主役は魚や肉だが、これでもかという量のネギを入れてもあっという間に食べてしまうので、この鍋はネギがほぼ主役。だから、旬である冬にぜひ作ってみて欲しい。濃いめのしょうゆベースにちょっと甘みのある味付けのネギまみれの豚肉を、溶いた卵につけて食べたら、その日抱え込んでしまった疲れやくよくよ悩んでいたこともすいぃっと吹き飛ぶくらいにほんとうに幸せなひと時をもたらせてくれる。
〆は鍋に残った出汁を煮詰めたところに、茹でたラーメンを入れてささっと混ぜ合わせる。火を止めて溶き卵を注ぎ入れカルボナーラ風にゆるく火を通す。黒胡椒をたっぷり挽いてかけて食べると、あれ?さっきしゃぶしゃぶでお腹が満ちた筈だったのに、お箸が止まらない美味しさ。

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ネギを刻むのに少し気力がいるが、一度この味を知ったらそんなの微塵も気にならないし、口にした人に笑顔がぱあっと咲くのを目にすると料理って良いもんだなぁと思える。

 

この部屋にそんなに長く住んでいたっけ?と気まぐれにつけている日記を見返しながら記憶を探るが、やさぐれて粗雑に生きていた去年のことがすっぽり抜け落ちている。頭の中はスカスカでも、選んで買った大切な蔵書の量は居住歴を物語っており、ただ今ダンボール箱の山に埋もれ暮らしている。
長らく引っ越します!詐欺を働いてきたが、ついに汚名返上。そしてこのblogを始めた場所でもう数冊は紹介したく、これから更新ペースを早める(つもり)。明日もupする予定だが、万が一の保険をかけて10連休になれる幸運の持ち主の方々、休むことに罪悪感を抱かず貴重な休日を。私と同じくGWってなんぞや!という方は、誰かの笑顔に繋がれますように。

EDMは終わったと言われ始めたが、ここ数年の暮らしには欠かせなかったジャンル。


Jason Derulo x David Guetta - Goodbye (feat. Nicki Minaj & Willy William) [OFFICIAL MUSIC VIDEO]


<ごはん日記>

[番外編] 生うにとキャベツのスパゲティ

[番外編] 生うにとキャベツのスパゲッティ

かつて、実家の近くに海鮮の扱いがとても上手なイタリア料理店があり、行くたびに頼んでいたスパゲティの味を思い出しながら、ご家庭で作りやすいように再現してみた。

調理時間:15分以内 

2人分の材料:キャベツ 1/16玉(5cmの幅)、にんにく 1かけ、アンチョビペースト 大さじ1、白ワイン 大さじ2、プチトマト 5個、乳脂肪分40%以下の生クリーム 50cc、牛乳 150cc〜、オリーブ油 大さじ1、スパゲティ 180g、うに デザートスプーンにややこんもりと2杯分ほど 

調理の流れ:中くらい〜大きめの鍋に水をなみなみとはり、強火にかける。にんにくは皮をむき、包丁の腹で押しつぶし芽を取り除く。キャベツの芯は薄切りに、葉の部分はざく切りにする。フライパンにオリーブ油、にんにくを入れてこんがり色ずくまで弱火でじっくり炒める。鍋の水が沸騰したらザルに入れたキャベツをぽちゃっとつけて、再沸騰したら引き上げる。鍋に塩を加え、お湯がグラグラわき始めたらスパゲティを入れて茹でる。フライパンからにんにくを取り出し、アンチョビペーストを加えヘラ(スパチュラ)でかき混ぜて油となじませる。白ワインを注ぎアルコール分を飛ばしたらプチトマトを入れて、ペースト状になるまで水分を飛ばしながら炒める。キャベツを加え混ぜ2~3分ほど炒めたら、生クリーム、牛乳を注ぎ一煮立ちさせ、うにの半量を加え混ぜて火を止める。茹で上がった麺をフライパンに入れざっと混ぜる。最後に残りのうにをのせる。

出来上がった料理:うにのスパゲティといえば、落合シェフ(ラ・ベットラ)が有名で、とても美味しくお家で再現できるが、それなりの分量のなるたけ新鮮なうにが必要となるので、今回は少し気軽に楽しめるレシピを作ってみた。

ポイント①にんにくはオイルにほんのりうま味を移すために炒めるので、スパゲティには入れない。②キャベツは芯も薄切りにして加えることで、甘みがさらに増す。③生クリーム、牛乳を加えて一煮立ちさせた後に味見をし、足りないようなら塩少々を加える。④ソースはお皿に盛り付けたときに見えるくらいたっぷりとゆるゆるした状態をイメージして作る。

画像ではソースがかなり少ない盛り付けになっているが、実際はもっとタプタプ。うにの量が少ないものの、うにのうま味は存分に楽しめるし、あまり重くもなく、残ったソースはパンにつけてお皿から綺麗にぬぐいたくなるほどの美味しさ。

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お店ではなくて、お家でちょっとしたご褒美に食べるなら、うにはこの分量で十二分に美味しく作れる。キャベツの甘みがまたこのソースを引き立ててくれて良いのです。 

普段スパゲティを作るためだけにうにを買う人は限られるだろうけれど、手巻き寿司パーティなどで万が一にでもうにが余った時や、疲れ果てた自分や家族を甘やかしたい時にスーパーでうにのパックと目があったら(笑)騙されたと思って、そして力まずに作ってみてほしい。

 

坂田さんの料理本を再現している最中だが、脇道にそれて久しぶりにオリジナルレシピを掲載した。足しげく通っていたイタリア料理店ではこのスパゲティのみ手打ち生麺を使っておられたほどのスペシャリテ。幾度食べたかわからないほど大好物だったが、そのお店も閉じられて数年が経ち、何度か試行錯誤を繰り返しながら、まずまず理想の味を作れるようになった。先週ふらっと訪れた松本でお蕎麦、地物の食べ物と日本酒にまみれて体重がどぉんと増したのに、こんなものを食べていても良いのかと呵責を覚えるが、タフな下半期が待ち構えているし、一年を無事に折り返せたお祝いでよし!

このところFMでよく流れてくるのが9月に26年ぶりのニューアルバムを発表するNile Rodgers & Chicの先行シングル Nile Rodgers & Chic feat. NAO & Mura Masa, "Boogie All Night"(アーティスト名がやたらに長い) 1952年生まれの先輩を見習って、こちらもまだまだ頑張ろう。


Nile Rodgers & Chic team up with NAO & Mura Masa to Boogie All Night on Later…

<ごはん日記>

[番外編] 牛すじ肉と大根のカレー

[番外編] 牛すじ肉と大根のカレー

桜がちらほら咲き始めた東京だが、雨が続くのでお花見日和は限られそう。ブログを始めて50冊めの料理本を紹介し終えて、これまで取り上げたレシピのいろいろな要素を取り込んだ料理を作った。

調理時間:2時間ほど 

3〜4人分の材料:牛すじ肉 250g 、大根 200g、舞茸 Mサイズ1パック、玉ねぎ 1玉、にんにく 1かけ、生姜 1かけ、コチュジャン 大さじ2、しょうゆ 小さじ1、日本酒 大さじ2、カレールー 2〜3かけ、赤唐辛子 1本、植物油 大さじ2、塩。(※牛すじ肉がない場合は、牛スネ肉で代用可能だが、下ゆでに90分ほどかける)

調理の流れ:[下準備] 鍋に牛すじ肉、ひたひたになるまで水を入れて沸騰させ、肉に火が通ったら、流水で一つずつしっかり洗う。大きいものは食べやすい大きさに切る。ボウルにコチュジャン、しょうゆ、酒を入れてよく混ぜ合わせ、スジ肉を加え混ぜて10分ほどおく。大根は2cmほどの厚さのいちょう切りにする。舞茸は手でほぐす。玉ねぎは1cmのくし切りにする。にんにくと生姜はみじん切りにする。

①深めの鍋に植物油を大さじ2と手でばらばらにほぐした赤唐辛子を入れ、香りが立つまで弱火で炒める。②玉ねぎを加えうっすら色づくまで中火で炒めたら、にんにく、生姜を加え、香りが立つまで炒める。大根、舞茸、塩少々を入れ表面が油でツヤツヤになるまでヘラで混ぜながら中火で炒める。③牛すじ肉をタレごと加え、一混ぜしたら材料に被るプラス3cmほどの高さまで水を注ぎ強火で一度沸騰させてから、大根が柔らかくなるまで弱火で一時間ほど煮る。④一度火を止めてからカレールーを割り入れ、溶かしてから、再び弱火で5分ほど煮る。味を見てしょうゆ(分量外)を加える。

出来上がった料理:何度か作ったものの、まだ完成形には至っていないカレーなので公開するかどうか随分と考えたが、時間をかけてより良いものに作り変えていこう!で、現時点のレシピをあげた。

カレールーを使うものの、スッキリした味に仕上がるのは、一番最初に赤唐辛子をパラパラにして種ごと炒めるため。

試作段階で、トマトや人参を入れたりもしたが、ピンとこなかったので無しにして、代わりに舞茸の旨味を加えた。味、香りともに絶品で、さらに包丁を使わずに使える素晴らしい食材(笑)

もっと美味しく出来るはずだよね。どうしたら変えられるかな。もやもや考えながら口に運んでいるうちにお代わりしている摩訶不思議な魅力を持つカレー。おうどんよりお蕎麦に合いそうなそんな雰囲気。

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和に偏るけれど、器に盛り付けてから小口切り九条ネギをパラパラとまぶしても美味しい。 

 

当初、このblogを始めた時の目標は料理本を50冊紹介することだった。2年かけてようやく50冊に到達するも、総投稿数は360日にはるか及ばず。更新ペースも平日5日間がここ最近は週に一度となり、どうしたものかと悩んだが、仕事以外の息抜きだったり、「食」を自主的に学べる機会でもあるので、今後もぽつりぽつりと続けていきます。

 

twitterの動画を貼り付けるのは初めてなので、うまくいくかどうかわからないが、この女の子の挑戦し続ける姿に自分を重ね合わせる人も多いのではないか。わたし自身、これだと感じられたものには七転び八起きで挑み続けてきた。幼い頃は、目前にある目標を達するべく淡々と取り組んでこられたが、ある程度年齢を重ねてくると、そして失敗を繰り返すと、ついいろいろと考えてしまう。うまくいかない要因はなんだろう?と内省するはずが、いつしか誰かのせいだったり、何かのせいになってしまったり、誰かのためを思って挑戦していたのにと問題がすり替えられてしまいがちになる。本質を見誤るな。挑戦し続けるのは自分のためなの。

成果は目に見えないことも多いし、人から十分に評価されなくても、納得出来るまで諦めずにやり続ければ良い。

 (こんな文章を打ちながら自分にがんばれと言い聞かせている(笑))

末尾になりましたが、つたないblogを読んでくださっている方々に支えられて、ここまでこれました。本当にどうもありがとうございます。これからもゆるゆると見守っていただけるととても嬉しいです。

 

<ごはん日記>

 

 

番外編:ワインが進むアヒージョのススメ

[番外編] 鱈の白子と白ネギのアヒージョ

月曜の昼過ぎより降り始めた雪により4年ぶりにまとまった量が積もり、買い物に出るのも億劫な天候の日にオススメのアヒージョを紹介する。 

調理時間:10分以内 

二人分の材料:鱈の白子 100g位、白ネギ 2本 、ニンニク 3かけ、アンチョビペースト 固形の1.5尾分くらい、オリーブオイル(ネギがひたひたになるくらい)、塩、胡椒

調理の流れ:①白ネギは3cmの長さに切り、ニンニクは潰す。白子は冷水でさっと洗い、厚手のキッチンペーパーに包み、水気を切る。②直火にかけても大丈夫な耐熱皿か小鍋にオイル、ニンニクを入れ火にかけて香りが立ったら、アンチョビペーストを入れて、溶き混ぜる。③ネギを縦に入れ、弱火でじっくり煮て、ほんのり焼き色がつきだしたら白子を加え、ぷっくり膨れてくるまでさらに弱火で加熱する。白子の上までオイルが浸からない場合は、スプーンなどで時々オイルを回しかける。④塩、胡椒で味を整える。

出来上がった料理:買い物に出るのが億劫と書いておきながら、白子を使うなんて!と突っ込まれそうだが、駅直結でスーパーがあるので、ワイン、食パン、白子くらい雪道を歩いたご褒美に買っても良いかなぁと自分を甘やかした。

アヒージョはタコや、エビ、牡蠣、釜揚げシラスなど海鮮類が入ると断然美味しくなるが、白ネギだけでもガーリックオイルで煮た甘みと、とろんとした食感が病みつきになる美味しさなので、疲れ果てて帰宅した時にオススメのレシピ。そのままでも十分だが、バケットの上にオイルごと乗せながら食べるのもワインにはよく似合って、食材の旨味が染み渡ったオイルをわしわし味わいたいところだが、このオイル、トマトソースを作る際や、炒め物に使うと味がいつもより2ランクくらいアップするくらい優秀に使えるので、ほんの少しだけ我慢すること。

(写真がうまく取れなかったので、次回作った際に補足する。→20190130に画像アップ)

f:id:mutsuki:201801ahj

 

2年前も積雪はしたが、ここまでまとまって積もるのは4年ぶり。5時ごろから起きて、朝一番のジムの予約状況をチェックするが、40数席のうちほぼキャンセルは出ず、すごいなぁと感心しながら早朝散歩に出かけ、そのまま2クラスめに出るためジムへと向かう。

昨日は昼過ぎより降り始めたため、お勤め先によっては早めに帰社出来たところもあるようだが、問題は交通機関。ハブである渋谷、品川、蒲田では16時頃より駅への入場規制が引かれ、帰宅しようにも駅に入れないし、だから電車、バス・タクシーにも乗れない状態。規制が解除されるまで、(飲むと足元が不安というから)ジムで体を動かすことにした人も少なからず居たよう。こんな天候なのに21時過ぎまでジムの予約枠がそこそこ埋まってるのには想像もつかなかった理由があった。

20cmくらいの積雪量は、雪が降る地域の人にとって取るに足らないものかもしれないが、雪がたまにしか降らない東京では災害レベル。乗り捨てられた車が路上に点在していたり、歩道では転んだ人の巻き添えをくらったり、ともかく狭いエリアに雪にあまり慣れていない人が密集しているので危険度はいやがうえでも上がる。暮らしている土地によって、事情は異なるので、自分の知識、尺度だけで(実際に触れていない、よく知らない)物事を図ろうとするのは危ういことだなぁと自分を戒める。

ここ東京でしばらく暮らしていると、これが日本の標準だとうっかりと錯覚を起こしそうになるんだけど、違うんだよね。


Marvin Gaye What's Going On Live 1972

<ごはん日記>

 

24冊目『毎日食べたくなる絶品鍋』のまとめとレシピ

[24-7]『毎日食べたくなる絶品鍋』より最終回のまとめと少しだけ手を加えたレシピ

  大庭英子著、 成美堂出版発行、 撮影 石井宏明、ブックデザイン 若山嘉代子 若山美樹、スタイリング 綾部恵美子、 2015年11月20日第1版発行

日が落ちるのは遅くなったけれども、マスク姿の数は減らず。寒い月曜日はほんの少しだけ工夫したピェンローのレシピを紹介する。

調理時間:50分ほど(干し椎茸を戻す時間はのぞき)

材料:(2人分)干し椎茸20g、白菜1/4ヶ、豚バラ肉100g、鶏もも肉100g、緑豆春雨60g、ごま油、塩。※豚リブロースや鶏のもも肉(骨付き)を入れると更に美味。※春雨は長時間煮てもしっかりしている緑豆春雨がベスト。

調理の流れ:(下準備)前夜に干し椎茸を1L程の水に入れて戻す。

1)戻した干し椎茸は石づきをひねりとり、一口大に切る。白菜は白い部分と緑の部分に切り分け、白い部分は長さを2等分にしてから5cmの幅に切る。葉の部分も5〜6cm幅に切る。

2)大きな鍋に干し椎茸を戻した汁と水1L(分量外)、切り分けた干し椎茸を入れて沸騰するまで強火で煮る。沸騰するとアクが出るのでとりのぞき、白菜の白い部分を加え再び沸騰したら、弱火で白菜が透明になるまで煮る。

3)別に用意した土鍋に白菜、干し椎茸、出汁を適量流し入れる。

4)一口大に切った鶏もも肉を入れてしばらく後に5cm幅に切った豚バラ肉、ごま油大さじ3を加えて、10分ほど煮る。

5)白菜の葉の部分と春雨を入れ、くたっとなるまで煮る。

6)最後にごま油を大さじ2をまわし入れる。取り皿に好みの量の塩、一味、鍋の汁を入れ、つけながら食す。

出来上がった料理:白菜のおいしい季節に一度は食べないと冬を過ごした気になれない、10年以上作り続けているピェンローを私流のレシピで記した。春雨がともかくよく出汁を吸うので、食卓に出す意外のお鍋にたっぷりの出汁を作っておくのがポイント。煮汁が少なくなってきたら注ぎ足すと、〆の雑炊の時に険悪な雰囲気にならないし、翌日、翌々日にまでとても幸せな気分にさせてくれるスープとなるのでぜひ多めに作って欲しい。干し椎茸からでた濃厚で香り豊かな出汁に甘い白菜の旨味、鶏と豚肉の合わせ技に加え、たっぷりと流し入れたごま油の芳醇なにおいが鼻孔から食欲を刺激する鍋。全国どこででも手に入る食材で、シンプルなのに、シンプルだからこそ、飽きずに食べられる究極のお味。先日実家で両親の為に久しぶりに作ったところ、喜んでもらえた老若男女に受け入れられる鍋料理。

f:id:mutsuki:201702pyn

まとめに代えて:「第1章 人気の三大鍋」しゃぶしゃぶ、寄せ鍋、キムチ鍋の定番とアレンジを含めた10品、「第2章 たれで食べる鍋」湯豆腐、白菜と豚肉のミルフィーユ鍋など4品、「第3章 今夜はどんな鍋?」しょうゆ味のいも煮鍋、ちゃんこ鍋など8品、塩味の餃子鍋など5品、みそ味のかきの土手鍋、だご汁鍋など8品、ピリ辛味のココナッツカレー鍋など4品、洋風味のボルシチなど4品、「第4章 2アイテムのシンプル鍋」大豆もやしと手羽先の鍋、フライドチキンとレタスの鍋など10品、「第5章 スタンバイ!おまかせ鍋」きのこと豆腐の豚肉巻き鍋、かじきとマカロニのイタリアン鍋など6品、ご当地鍋6品、鍋に添えたい小皿料理、基本の出汁、いろいろなたれ、もっとおいしい鍋読本の構成となっている。

これまで取り上げてきた鍋料理の本は洋風や中華、エスニックなど目新しいものが多かったが、本書は和風やご当地の鍋レシピが多く、食べる年齢層を問わない。ほとんど全てのレシピに〆の提案があるところも嬉しいところ。簡潔な文章でほぼ5工程以内に収まっているので、説明が物足りなく感じられるかもしれないが、レシピ以外の材料の欄で下ごしらえの大切なポイントが記されているので、そこを読み落とさなければ失敗なく作れて料理上手になれる。

金沢風、名古屋風、静岡風のおでんが紹介されているので作ってみたかったが、それはまた別の機会に。なんだかんだで25冊めになる明日は仕事などで帰宅が遅くなる人たちのためのレシピ本を紹介する。

いつもの音楽仲間とジンギスカンを食べに行ってきた。銀座にあるお店だし、ジンギスカン臭対策はそこまでやらなくてもよいかな?とのほほんとしていたのだが、読みが甘かった。帰りの道すがら自分の髪や洋服からほんわり香ばしいにおいがずっと漂ってくる。密閉されている空間、飛行機移動じゃなくて良かった。終電近い電車(空いていた)で帰れて良かった。

<ごはん日記>