300と数十日の食卓

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2冊目『十八番リレー』より塩ざけの炊き込みごはん

[2-2]『十八番リレー』より2回目「塩ざけの炊き込みごはん」(p.10~)

高山なおみ、川原真由美 著、NHK出版発行、スタイリング 大畑純子、写真 広瀬貴子、企画・編集 鷲尾有子 発行2010年4月15日

一回目レビューが『十八番〜』最終回に紹介されている料理だったので、一番最初に記されている品へと立ち戻る。初回で高山なおみさんが覚えてほしいと記しているのは、レシピを読んだり味見をしながら、これを入れたら美味しいかも?と、いろいろ想像することはとても大切だけれど、あまり増やさない方が良いということ。調味料を含めて材料をレシピの他に(あるいは代わりに)加えるとして、お皿に盛って食卓で口に入れた時に、どんな味か姿かイメージ出来る範囲内にするということ。

川原さんより素直にすぅっと出てくる、何故これを指定して(わざわざ)使うんですか?この材料以外にこれでもいいんじゃないですか?等の質問に対する高山さんの回答が明確。さらに、後日川原さんが高山さんの作った炊き込みごはんを再現すべく、でもレシピで指定されている材料とは違うものを使っておさらいをする際に悩む姿にも、うんうんそうだよねと共感出来る。

10年以上炊飯器を持たない生活をしているので、土鍋で炊き込みごはんに。そして、炊き込みごはんは精米されているものの方があうな…で、この半年続けている玄米食を中断して、久しぶりに白米を炊飯。口に含んだ時の味がうまく想像できたのでレシピにある三つ葉は使わず、野菜室にあった芹で代用。その他はおおよそ指定されている量の半分で作った。小骨を取り除くのに少しだけ手間取ったが、鮭独特の淡い色合い、歯ごたえ、お米に染み渡った出汁と香味野菜プラス胡麻の香りが一体となって美味しくて、あっという間に完食。

炊き込みごはんをわざわざ作るなんて余程のことかもしれないけれど、たとえば食材店で美味しそうな鮭に出会えたのなら、食卓やお弁当、おにぎりにも使えるのでさっと気軽に作れば良い。北海道に暮らしている人と、鹿児島・沖縄に住まう人とが美味しいと感じられる着地点は違うのだから、基本的なレシピに従いつつも、自分や共に食卓を囲む人ととが分かち合える美味しい瞬間を生み出せることをイメージしながら料理すればよい。心配しなくても、大抵なところ美味しく出来る。大丈夫。

つけ添えは本書第2章めの「小松菜のおひたし三種」のほうれん草版おひたし。その他即席なすのお漬け物に、木綿豆腐たっぷりのお味噌汁。

塩ざけの炊き込みごはん

料理日記