300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

4冊目『有元葉子のひき肉料理』よりミートソースのパスタ

[4-1]『有元葉子のひき肉料理』より1品目「ミートソースのパスタ」(p.26~)

有元葉子 著、株)ポプラ社発行、スタイリング 千葉美枝子、写真 邑口京一郎、編集 松原京子 2012年10月20日発行

理研究家界の重鎮・有元葉子先生の著作よりどれを紹介しようかさんざん悩んだ挙げ句に、第一冊目は何かと重宝するひき肉をメインとした料理本を取り上げることにする。有元先生も本書の序文で「ひき肉は組み合わせる素材を選ばず、味つけも選ばないのが魅力。凡用性が高く、(中略)どんなテイストも受け入れます」と述べられているように、冷蔵庫に常備しておくのは難しくとも、小分けにして冷凍庫にストックしておけば便利に使える食材。

このところアジア風のものが続いたので、一品目はイタリアンから。ミートソースといえばソフリット(玉ねぎ、ニンジン、セロリのみじん切りを色よく炒めたもの)をベースとしてひき肉、トマトを加えて煮込んでいくことが定番だが、有元先生のレシピでは上記の香味野菜に生のしいたけが加わる。

これまで紹介してきた本と比べると、玉ねぎ等野菜をどこまで炒めるといいのかタイミングが指定されていないが、おおよそ一時間、鍋で煮込むので何とかなるのだろうという思いと、いや、そこは経験から察しなさいとほのめかされているのか悩んだ結果、勘に頼り、みじん切りした玉ねぎは透明になるまで時間をかけて弱火で炒めた。玉ねぎに火が入ったら、次の野菜を加え、全体に油がまわったら、別の野菜を入れることを繰り返し、全ての野菜を炒め終えられたら赤ワインを一気に注ぎ入れる。これも火加減の指定は無いが、強火でがっと煮立ててアルコールを飛ばしてから、中〜中弱火に落として水分を飛ばした。

合いびき肉の分量に対して野菜の量が多く、肉の旨味は十分ありつつ、肉々しさより、あっさりとした食感のミートソース。香味野菜の量もさることながら、しいたけが入っているからこそ、さっぱりしているものの、食べ応えのある味を作れるのだろう。おうちの皆で食べられるおいしくてやさしいミートソース。

分量通り(合挽き肉500gなど)で作ると、3.8Lの鍋いっぱいのソースが出来上がるが、冷凍保存することが出来るのでご安心あれ。いざというときに、例えばジャガイモと炒めてチーズをまぶすだけでも美味しい料理になるので便利だし、この量は食べないからと半量に減らすよりも指定の分量で作るほうが美味しいから。

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