300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

12冊目『生きるための料理』他よりさつまいもと地鶏の炒め物など

[12-6]『生きるための料理』1、『腸がよろこぶ料理』2より最終回はさつまいもと地鶏の炒め物など(生p.77)

1.たなかれいこ著、株)リトルモア発行、 撮影 長野陽一、デザイン 岩渕恵子、編集 赤澤かおり、熊谷新子 2014年12月28日第1版発行 2015年3月7日第3刷発行

2.たなかれいこ著、株)リトルモア発行、 撮影 長野陽一、デザイン 岩渕恵子、編集 赤澤かおり、熊谷新子 2016年7月15日第1版発行

調理時間:2口コンロで3品30分ほど(ひじきを戻す時間は除いて)
主な材料:画像の他に、にんにく、オリーヴオイル、味噌、醤油、バルサミコ酢、白バルサミコ酢、アップルヴィネガー、ひじき、干しぶどう等が必要。

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出来上がった料理:(左上から時計回りで)れんこんのサイコロ蒸しサラダ(生p.46~)、ひじきと玉ねぎのサラダ(腸p.86)、さつまいもと地鶏の炒め物(生p.77)

f:id:mutsuki:20160spp

都合により、ご飯と汁物なしの3品を再現。れんこんのサイコロ蒸しサラダは同じ大きさに切ったれんこんとにんじんを蒸して、オイル、塩、アップルヴィネガーと和えるだけというたなかさんらしい研ぎすまされたレシピで、素材そのものの美味しさを満喫できる品。ひじきと玉ねぎのサラダは、戻したひじきにペースト状にした干しぶどうとおろした玉ねぎに塩と柑橘類を加えるのだが、ぶどうと玉ねぎのほんのりした甘さを柑橘の絞り汁ですっと引き締めているのがとても面白い。世界的に海藻を食す国は五本の指に収まるくらいに少ないのだけれどその旨味を知っているが故に生まれたレシピかと。本日の主菜、さつまいもと地鶏の炒め物は、今まで紹介してきた中で、(他にもいろいろあるけれど敢えてこう記したくなるくらいに)もっとも気に入ったレシピ。鶏肉を炒め、取り出した後の鍋に玉ねぎ、にんにく、さつまいもを加えて蒸し煮にし、よい加減に火が通ったら鶏肉を戻し入れ、調味料で味を整えるという3ステップなのだが、味噌、醤油にバルサミコ酢(普通のものと白の2種使い)という調味料と鶏肉から出る脂(旨味)とさつまいもの甘みが渾然一体となって、お箸が止まらなくなる美味しさ。出来立ても、冷めてもどちらでも美味しくて、この美味しさは誰かと分かち合いたいとこころから思わせる位。

まとめに代えて:自分で選んで再現したレシピながらも、PCで入力しながら『生きるための料理』、『腸がよろこぶ料理』というタイトルの強さにひるんでしまう。わたしをもってしてもそうなので、読者や購買層を選ぶ本であることは間違いないけれど、書店でぱらぱらページをめくったり、もしかしてこのブログを見て興味を持たれたのなら、食べたいと感じられる料理があるのなら枠に捕われずに入手していただきたい本。新鮮な野菜や優れた調味料がいかに大切なのかを身をもって知ることが出来るし、組み合わせや火の入れ方次第で、料理はこんなに簡単に、そしておいしく出来てしまうんだとたなかさんのセンスにきっと脱帽するから。

OFFの本日はデンタルクリニックに歩いて行く途中で謎の羽虫につんと痛みが出て、まだらに赤みが出る程に刺され、歯科医院の後は皮膚科へとまさかのはしご。麻酔で数時間痺れながら病院のはしごは(経済的にも)つらいけれど、近くのスーパー(料理愛好家にとっては狩り場)を開拓出来たのでよしとする。われながら食いしん坊だとしみじみ思うし、だから幸せだと思えることも多いのだとも思う。

<料理日記>