300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

16冊目『割合で覚える和の基本』より2回めはひじきの煮付けなど

[16-2]『割合で覚える和の基本』より2回めはひじきの煮付けなど(p.48~)

村田吉弘著、NHK出版発行、 撮影 山本明義、デザイン 中井有紀子、スタイリング 肱岡香子、編集 米村望、奈良結子、 2001年10月15日第1版発行 2016年2月20日第45刷発行

街行く人は薄手のダウンコートが多くて、この気温でそれなら盆地の冬は耐えられないよなとひとりごちながら、本日は京都のおばんざい屋さん風の2品を。

調理時間:ひじきの煮付け---20分ほど。かぼちゃの煮物(p.59)---10~15分ほど

主な材料:ひじき---ひじき、しょうゆ、みりん、だし、油揚げ、にんじん等。かぼちゃ---かぼちゃ、淡口しょうゆ、みりん、だし。

調理の流れ:ひじき---ひじきは水洗いしてから戻す。油揚げ、にんじんは同じ幅に切る。熱したフライパンに油をひき、にんじんを炒めた後にひじきを入れ、油揚げを加え混ぜた後に合わせ地を加えて弱火で煮る。かぼちゃ---食べやすい大きさに切り、所々皮をむいたかぼちゃは下茹でする。鍋にかぼちゃと合わせ地を入れ火にかけて味を煮含ませる。

出来上がった料理:おばんざい屋さん風に、いつもより少し多めに盛りつけた。ひじきもかぼちゃも、いつもの自己流レシピより汁気が多く、同じ調味料を使っても、素材によって割合を変えることで、素材そのものの持ち味とそれを引き出す出汁の旨味を楽しめる。本書の7割以上の料理を10年ほど前に作ったが、今になって村田さんの意図していたことに気がつく。小説や文学は読む年齢やその時の気分で、受け取りかた自分に響くものが随分違うものだが、料理本も同じ。

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ひじきはいつ作っても美味しいが、この時期のかぼちゃはやっぱり特別にぽってり甘くて美味しい。多めにつくり、出汁を加えて火を入れ、ざっくりスプーンでつぶしたところに豆乳を少々混ぜるかぼちゃのスープに展開するのもおすすめ。

関東近郊のサラダ工場、ハイテク農場を舞台にする小説『ブラックボックス篠田節子著、朝日文庫刊を読み終えた。口に入れるものは当然のこととして、さらっと言及されている化粧品も、肌から吸収されて身体に入るものなのだからもっと関心をもった方がよいのだと気がつかされる。大量生産される農産物の安全性、工場で研修生という名のもと働いているフィリピンやブラジル国籍の人たち特有の国民性などもリアルに描かれていて、この時代に日本で生きていることについて、次の世代についてまでいろいろと考えさせられる作品。

ブラックボックス (朝日文庫)

ブラックボックス (朝日文庫)

 

 <ごはん日記>