300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

20冊目『今夜はこの鍋で決まり!』より4回めはピルピル鍋

[20-4]『今夜はこの鍋で決まり!』より4回めはピルピル鍋(p.64~)

藤野嘉子、瀬尾幸子、堤人美、坂田阿希子著 社)家の光協会発行、 撮影 木村拓、スタイリング 佐々木カナコ、デザイン 米持洋介、 2016年11月7日第1版発行

あれよあれよと時は流れ、気がつけば金曜日になっていたという師走らしい時間を過ごしている時こそ手軽に作れる鍋を。

調理時間:魚をマリネしている間に調理するとして30分ほど

主な材料:生だら、白ワイン、長ねぎ、じゃがいも、にんにく、赤唐辛子、黒こしょう、レモンなど

調理の流れ:食べやすい大きさに切ったたらに調味料をふりかけ冷蔵庫で20分ほど休ませる。その間、鍋にオリーブ油、にんにく、赤唐辛子を入れて香りが立つまで熱する。赤唐辛子を取り出し、乱切りにしたじゃがいもと水を加えフタをしてしばらく蒸す。塩、長ねぎ、水を入れさらに煮る。オリーブ油、たらを加えて弱火にして鍋をゆすり、とろりとするまで乳化させる。最後に塩こしょうをふり、レモンを添える。

出来上がった料理:今回は「旅先で出会った絶品鍋」がテーマの坂田阿希子さんのバスク地方の伝統的な鍋料理を再現した。たらをマリネしている間に野菜を切り分けてしまえば後は3回にわけて鍋の中身を構うだけで白ワインとバゲットにあうほっかほかの料理になる。たらの出汁をまとったじゃがいもをほふほふ食べた後に、長ねぎを口に入れて噛むと、よい加減の出汁とねぎの甘みがねっとりと広まるのでうんと味わったあとは白ワインで口をさっぱりとさせ、たら、じゃがいも、ねぎの順で再びピルピル鍋にとりかかる。日本人が想像する鍋とは異なるけれど、これ、美味しいです。

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この鍋料理を作るには、ゆすりやい重さのふた付き、取っ手付きの鍋が必要。(画像では愛用のストウブでは重かったので軽量の鍋で調理した後に耐熱器に移しかえている)

ここ数年バスクはものすごく訪れてみたい地域のひとつ。久しぶりにパスポートを取ったのでヨーロッパを訪れたくてうずうずしているが、冬の秋田、青森も良いなぁ。東京に住んでるならではで新宿からあずさに飛び乗って松本へ向かうふらり旅も…とあれこれ想像しながらこの年末を乗り切ろうとしている。

いつものように過ごしたいけれど仕事や周囲は来年に向けて本格的なカウントダウンをし始め、ふりまわされてぐったりする時もある。そういう時は意識的にゆっくりと息を吸ってはいて、深呼吸。

息継ぎの出来るよき週末を、billy joelの"second wind"にのせて。


Billy Joel - You're Only Human (Second Wind)

<ごはん日記>