300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

30冊目『小林カツ代のおべんとう決まった!』から6回めはたことオクラのピリ辛べんとう

[30-6]『小林カツ代のおべんとう決まった!』より6回めはタコとオクラのピリ辛べんとう(p.76~)

小林カツ代著、講談社発行、 撮影 青砥茂樹、スタイリング 坂井則夫 川崎万里子、アートディレクション 長友啓典、デザイン 加藤茂樹+K2、 1998年4月1日初版発行 2016年6月10日第25刷発行

うっすら曇りで1日もつかと思わせつつ、ぽつぽつ雨が降ったり、日が射したり二転三転した金曜は魚を使ったお弁当を作る。

調理時間:15分ほど

主な材料:(主菜 たことオクラのピリ辛いため) ゆでだこ、オクラ、ナンプラー、豆板醤、しょう油 (副菜① こんにゃくのおかか煮) こんにゃく、塩、しょう油、削り節  (たらこふりかけ) たらこ、酒など

調理の流れ:(主菜) フライパンにごま油を熱し、乱切りにしたタコの足、ヘタを切り落としたオクラを入れて強火で炒める。油が回ったら調味料を加え、さっと火を入れて味を整える。 (副菜①) スプーンか湯のみの縁でこんにゃくを一口大にし、小鍋でから煎りする。表面がぷりっとしてきたらひたひたになるまでお湯を注ぎ、しょう油を加えて水気が飛ぶまで煮る。仕上げに削り節をまぶす。 (副菜②) 茹でて薄皮を外し、ほぐしたたらこを小鍋にいれ酒をふりかけて炒る。

出来上がった料理:「魚介類がメインのおべんとう」よりたらこのふりかけのピンクが春らしいお弁当を再現した(画像では色が飛んでいるものの、実物は自然で上品な色)

たことオクラのピリ辛いためは、豆板醤を抜けば子どもにも食べられるとキャプションがついているように、ナンプラーとしょう油だけでもとっても美味しい。特有の匂いはあるものの、加熱することと、しょう油を加えることで飛んでしまうし、なによりナンプラーを使えば出汁がなくともしっかり深みが出せるので、お弁当作りには重宝する調味料だ。

こんにゃくの切り口の表面積を広げるために包丁ではなくて、スプーンや湯のみの飲み口を使うことまで写真つきで解説されているのはお料理やお弁当初心者にとって優しいし、箸で取りやすくなると書いてあるのを見て、なるほどと納得も出来る。このこんにゃくのおかか煮は前日から用意出来るし日持ちもするので常備菜とするのも良いだろう。

たらこふりかけの色が好きで作った(笑)お弁当だが、余ればご飯に混ぜ込んでおにぎりにしてもきれいで美味しい。これからの季節、家族用にお弁当を作った後のお昼ごはんとして、余ったたらこふりかけとオクラを輪切りにしてのせた素麺をつるつる食べるのも楽しそう。

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レシピに書いてあるもの以外では、ささっと作れるアスパラのお浸し、大根の中華風浅漬けを加える。お弁当以外ではこのところ野菜が不足しているので何とか調整したく、野菜室の整理も兼ねての副菜。

先日参加してきたお弁当イベントについて少し長めに記す。桜の季節にお弁当のケータリングをされている麻生要一郎さんのお話を聞いて、終わりがけには参加者みんなで車座になってお弁当を食べられるというイベントに参加させてもらってきた。から揚げはこの味付けが今はイチオシという梅酢とお酒に漬けるレシピを習い、これまで生きてきた中での別れや出会い、料理についての考えなどをうかがってから口にしたお弁当は一口ひとくち大切に味わいたくなる優しさが詰まったものだった。(梅酢風味のから揚げは本当にとっても美味しかったので、次回の帰省時か出張料理をする際に登場させる予定)

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お話を聞いているうちに、もしかして数年前にほんの一瞬互いの時間が交差することがあったのかもしれないとふと感じるものがあり、調べてみたらその通りで、ひとと巡り会うことの不思議さに触れる。京都に居た頃よくライブに行っていたうつみようこさんが、初台(東京)にあるカフェと新島の民宿についてネットに記されていて、折しもカフェメニューの発案という課題に取り組んでいる最中だったので、勉強を兼ねて訪ねたのが麻生さんが一時期開いてらしたカフェだったのだ。まさかあの時カウンターに立たれていた料理人のお名前、人生や価値観、今作られているお料理を知る事があろうとは。

「人生いつなにがあるかわからないから、毎食、一緒に美味しく、楽しくね」という彼のことばがしみいる。仕事や都合上時間を気にしながらごはんを食べるときは別として、誰かとごはんを食べる時間は大切に共有できるといいなぁ。(子どもとお年寄りは仕方ないとして)おうちで食卓を囲みながら不機嫌になられたりすると、あぁこの人はよっぽど疲れているのかなぁと思えることもあるし、時々なら大丈夫だけれど、やっぱりとても苦手なので。

たのしい気持ちになれる休日でありますように!

<ごはん日記>