300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

31冊目『自由学園の最高の「お食事」』から初回はロールキャベツ

[31-1]『自由学園の最高の「お食事」』より初回はロールキャベツ(p. 30~)

JIYU5074Labo著、)新潮社発行、 撮影 青木登、ブックデザイン 吉村亮 大橋千恵、協力 自由学園 2017年3月30日初版発行 

風が強くて気温もやや低め。着るものに悩む水曜は春キャベツを使ったメニューを紹介する。

調理時間:小一時間

主な材料:キャベツ、合挽き肉、みじん切り玉ねぎ、パン粉、牛乳、ベーコン、スープの素、塩、コショウ、(ホワイトソース)バター、小麦粉、牛肉、塩など

調理の流れ:キャベツの固い軸は削ぎ切り、熱湯に入れて柔らかくなるまで茹でざるにあげておく。合挽き肉に塩、コショウを入れて混ぜ、玉ねぎ、牛乳に浸したパン粉を加え、粘りがでるまで混ぜ、俵型に整形する。タネをキャベツで包み鍋に入れ、ベーコンとスープを加えてしばらく煮る。煮ている間にホワイトソースを作り、具の入っている鍋に加えて更に煮込む。

出来上がった料理:「主菜・肉」の章より、肉厚な春キャベツが旬(やや過ぎているが)の間に、老若男女に人気の煮込み料理を再現した。一般的なロールキャベツはブイヨンに浮かんでいるが、ホワイトソースを使うことにより、まろやかながらも濃厚で食べ応えのある仕上りとなる。キャベツの甘味と葉の中で旨味をみっしり詰まらせたお肉の透明な肉汁がナイフで切るじんわり染み出てくるロールキャベツ。ハンバーグは思いのほか焼き加減が難しいが、こちらは煮込むことで中までしっかり火が入るので失敗なく作ることが出来る。

ホワイトソースは別鍋で牛乳を温めるようレシピに記されているが、2口コンロの一つは具材を煮るために占領されているので、少し大きめの鍋でバターと小麦粉を程よく炒めたら隅っこによせて、鍋を傾け、空いたスペースに少しずつ牛乳を注ぎ入れ、温まったら小麦粉と混ぜ合わせるという作業を数回繰り返してホワイトソースを作った。バターで炒めた小麦粉さえ焦がさないように注意すればホワイトソース作りも案外簡単。

ロールキャベツをホワイトソースで煮込むと優しい味になり、またお腹もちするので食べ盛りのお子さんたちには特にうける味付けだろう。家族の帰宅時間が異なり何度も温め直す必要があるのなら、十分に煮込んだ具材の上から温め直したホワイトソースをかけるて食べるのもおすすめ。その他のアレンジとして、ホワイトソース仕上げのロールキャベツにはトマトの酸味がとってもあうので、画像のようにプチトマトを加えたり、ある程度煮込んだ後にいんげん等の緑の野菜を加えると野菜をより多く取ることも出来る。

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本日より、幼稚園から大学まである学校法人自由学園の昼食レシピ本を取り上げる。この学園のユニークなところは沢山あるが、その一つが毎日の昼食を家庭科の授業の一環として生徒達が作ること。

著者は本書の為に自由学園卒業生で結成したユニットで、テレビでも活躍中の足立洋子さん(料理)を始め、中村香さん(写真)、菅原然子さん(ライティング)、小路桃子さん(企画・スタイリング)というメンバー。今後も食に関する活動を続けていかれるようで、楽しみだ。

 

東京には飲食店がたくさんあるけれど、わぁここは美味しい!値段もサービスも見合っていると感じさせるお店に出会える率は、実はそんなに高くない。ここ最近、余裕があれば出来るだけ食べ歩きをしようとがんばり始めたものの、ネットでの口コミはあまりあてにならず残念な結果になることもちょくちょく。リフレッシュするための外食は要るけれど、どこに暮らしていてもやっぱりおうちで作って食べるごはんが一番だなぁとしみじみ感じる。

<ごはん日記>