300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

33冊目『食べ方帖』から2回めは玉ねぎスープ 半熟卵添え

[33-2]『食べ方帖』より2回めは玉ねぎスープ 半熟卵添え(p. 10)

長尾智子著、文化出版局発行、 アートディレクション、デザイン 茂木隆行、 撮影 赤尾昌則、鈴木正美、編集 大谷道子、田中薫、 2017年3月26日初版発行

木曜に更新するつもりが、納得のいく味を作れず、本日再挑戦してblogにアップした。

調理時間:20分以内

主な材料:玉ねぎ、ベーコン、卵、オリーブ油、塩、コショウ

調理の流れ:沸騰したお湯に卵を入れて7分茹でた後、殻にひびを入れ冷水につけて素早く熱を取る。玉ねぎは繊維に直角に薄切りにする。厚手の鍋に玉ねぎを入れ、上からオリーブ油、塩少々をふり、木べらで混ぜながら炒める。玉ねぎのかさが2/3くらいになりしんなりしてきたら少しの水を加えフタをして蒸し煮にする。所定の時間が経ったらベーコンと水を加え、煮込む。器にスープをよそい、卵をのせてから黒こしょうを挽く。

出来上がった料理:一汁一菜の基本、本書では汁物は味噌汁ではなくてあえてスープに重きをおいた「1; いたわりたい日のスープ」より、玉ねぎの甘みを堪能するスープを再現した。

土井先生のご功績でこのところ脚光を浴びている一汁一菜。これから訪れるだろう身内の介護のことを考えると、辰巳芳子先生の名著にあるように料理では手作りのスープに勝るものはないだろうし、そうでなくとも身体が不調の時や二日酔いの朝に飲む汁物には身体に染み渡る美味しさがある。毎日の食卓に並ぶ湯気のたつお味噌汁やおすまし、スープはさりげなく映るかもしれないが、一口含むごとに固まっていた身体を解きほぐしてくれる大切な存在だ。

さて、今回のスープは薄くスライスした玉ねぎが主役。塩も極力加えず、玉ねぎの他にスープの旨みを出すのは少しばかりのベーコン。木曜は厚手の(笑)テフロン加工フライパンを使って作ったところ、長尾先生の狙っている味とは決定的なずれが生じた気がしたので今朝は愛用の土鍋を使って玉ねぎを炒め、蒸し、煮込んだ。

材料と手順を研ぎすましたレシピの料理を作るときにはめったに使わないタイマーにも登場してもらい、まずは記されている手順通りきっちりと作る。(初回で失敗した教訓です)

匙を口に運び、玉ねぎと汁を噛めば噛むほどに甘みがひろまっていき、はるか後方にいて、でもきっちり仕事をしているベーコンの旨みがほんのり漂う。スプーンを割り入れるとふるっとするほど柔らかく仕上げた卵も確かに必要な存在で、汁がまたたくまに黄身のきいろに染まっていくのを見ながら、ぷるんとした白身としゃくっとした食感を残す玉ねぎを食べる喜びを味わえるスープ。包丁仕事は玉ねぎをスライスするだけなので、朝ご飯にも、あれれ?なんだか具合が悪いなと感じる日の夜ご飯にもどうぞ。

まずは 木曜のスープ。テフロン加工のフライパンで炒め煮にしたが、玉ねぎの旨みが引き出せず、味のまとまりが今一つ。

 f:id:mutsuki:20170525v

下が本日のスープ。比べてみるとスープの色がずいぶんと濃い。用いる調理器具とレシピに記載されている時間を守るかどうかで、これだけ異なってくるのは興味深い。

f:id:mutsuki:20170526v

料理が好きで、まれに料理でお金をもらったりすることもあるが、長尾先生の御著書を再現するにはそれなりの覚悟が必要だった。今なら大丈夫かな?で取り組んでみたが、2回目にしてはやくも再挑戦したいレシピと出会う。料理をうまく作りたいと思ったのなら、納得出来なかったレシピは、納得出来るようになるまで何度も作りなさい。出来るまでは他の料理に手を出しちゃ駄目。そうしてようやく身につけた料理は長きにわたり何度作っても、失敗することはあるけれど、失敗も楽しんで!(大意)とは数年前にレクチャーを受けたchez panisse(米国カリフォルニア州の名店)の元シェフのことば。本書の再現にあたっては、何度か作り直すこともありそうなので更新が不定期になる可能性があります。いつもそうだけれど今回はとくに料理と真摯に向き合う時間を大切にしたいので悪しからず。

 

夏フェスのチケット発売が目白押しの季節。以前は泉佐野市や海辺のフェスにはちらりと顔を出していたが、あまりの暑さにやられてだんだんと日が暮れ始めてからフェスのトリまでだけ時間を限定して参加するようになった。もう夏フェスに行くつもりは無かったのだが、今年は一つだけ参加するかもしれない。あの頃と同じく聴きたいバンドだけ聴いたらすぐに帰えるだろうけれど(笑)いつだったか思い出せないほど前の大阪のFM局802のフェスで、ステージにうず高く積み重ねられたmarshallのアンプに圧倒されつつも暮れゆく夏の日に、この曲を聴きながらみんなしてダメ人間ジャンプで飛び跳ねたのは楽しかった。

早いもので5月も最後の週末。休める人にとっては穏やかな時間が流れますように。働いている人にもこころから笑顔になれる機会が多くありますように。よい土曜、日曜を。


筋肉少女帯_踊るダメ人間

<ごはん日記>