300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

33冊目『食べ方帖』から5回めはキャベツ肉じゃが

[33-5]『食べ方帖』より5回めはキャベツ肉じゃが(p.80~)

長尾智子著、文化出版局発行、 アートディレクション、デザイン 茂木隆行、 撮影 赤尾昌則、鈴木正美、編集 大谷道子、田中薫、 2017年3月26日初版発行

 hello, 六月。時々雲がかかって雨も降り、少し肌寒い木曜は昨日に引き続き煮込み料理を。

調理時間:25分ほど

材料:牛薄切り肉、じゃがいも、キャベツ、玉ねぎ、日本酒、みりん、しょう油、ごま油、赤唐辛子粉

調理の流れ:皮をむいたじゃがいもは大きめに、玉ねぎ、キャベツも適当な大きさに切り分ける。鍋に水を沸かし、日本酒、みりんを加えたところで牛肉をさっと煮て、じゃがいもと玉ねぎを入れる。一煮立ちしたらアクをとり、キャベツとしょう油を加え、フタをして蒸し煮にする。暫くしたら蓋を取り、汁気を飛ばすように加熱した後、ごま油をふりまぜ、仕上げに赤唐辛子粉をふる。

出来上がった料理:昨日に引き続き「8; 煮込み料理は全て「肉じゃが」である」より。表題通り肉と野菜をひとつの鍋でくつくつ煮込むのは、どの国の料理であれ日本で生まれ育った人にとって「肉じゃが」なのだと捉えると肩の力を抜いて楽しんで作れることを実感する。

肉じゃがは、肉、玉ねぎ、じゃがいもが定番で、関西は牛肉、関東では豚肉が使われることが多いという以外は材料に大差の無い料理。今回はキャベツをどっさり加えて煮込むことで、みりんをたくさん使わなくとも自然な甘さが出汁に染み渡り、やさしい味を作る。基本にあるのは牛肉と野菜から出る旨味と和の調味料なのだが、最後にごま油を加えることで劇的な奥行きと香りがもたらされ、うわっと驚かされる。

お肉や野菜を炒めなくとも煮るだけで、一口食べるとこれはまごう事なき肉じゃがだと頭が認識するお味。しょう油、みりん、日本酒という調味料の基本的な配合に、キャベツという野菜の持ち味をプラスすることで野菜たっぷりの美味しい肉じゃがが作れるなんて面白い。

自分や料理を口にしてくれる人にとって美味しい料理とは?と時折考えるが、こうしたレシピに出会うと料理のこつは身近にあったことに気付く。

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取り皿一皿分を食べた後、おかわり分に試しでナンプラーを少しふりかけてみたらお酒にとってもよくあう味(濃いめ)になった。レシピ通りで十分美味しいので、まぁこの辺りはお好みで。

 

本日はthe Beatlesのアルバム"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"が発売されて50年の記念日。本国では20数週間、アメリカでも15週間トップ1に輝いた名アルバムだが、(発売当時ではなく)子どもの頃はよくわからない音楽だった。イギリス暮らしや、ロックバンドに傾倒した時期を経てようやくすごさを理解出来たが、こうしてリリース後50年という時を経てなお愛され続けるミュージシャンやバンドはこの10年のあいだに登場しただろうか?これから時が流れてみないとわからない問いだとはわかりつつ、東京に暮らしていると、この世の中はなにもかも急ぎすぎている気がしてならない。

収録曲の中では"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"や"Lucy in the Sky with Diamonds"も好きだけれど、paulが10代の時に64歳の夫婦を描いた"When I'm Sixty-Four"がかわいらしくてよく聴いていた。


The Beatles - When I'm Sixty-Four

<ごはん日記>