300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

【旅行記】7月の松本

遅ればせながら松本旅行記をupする。

このところ年に一度MacBookが不機嫌になるのには慣れていたが、外付けHDDを増設しても治らず、再起動を繰り返している間に、真っ白な画面しか現れなくなったので新規購入することにした。スマートフォンを使ってカスタマイズし、注文出来たまでは良かったのだが、届くまでに予想以上に時間がかかる。どうしようと考えながら新宿駅で目にした「あずさ」の三文字が太田さんの『居酒屋味酒覧』を読了後にはいつもより一層輝きを放っており、気がつくと券売機でチケットを買っていた。シーズン前の平日で宿もすんなり取れた。

そんな訳で、長野県松本市に旅に出た。

新宿駅から2時間半特急に揺られホームに降り立つと空気が澄んでいること、山が見えることが心地よくて、それだけでまず嬉しくなる。チェックインには早い時間でホテルに荷物を預け、街を歩いてみればいたる所に湧水が流れている。川もそよそよ流れており、東京では嗅ぐことのない草の萌える香りが立ち昇ってくる。清々しい空気をすうはぁっと吸い込み、洋食屋のおきな堂さんで安曇野の豚肉を食し、パン屋さん巡りに出かける。

店先に貼られているグルメマップを見るまで知らなかったが、松本市にはパン屋さんが沢山ある。どこに行くか悩んだが、今回は街中にある小松パン屋、パン工房マルショウ(旧・丸正製パン)他数軒をまわった。新店のサパンジさんは京都で修行されていたとのこと。昔ながらの味があったり、今風のものもあったりとパンひとつをとっても飽きない。

夜はカジュアルなカウンター割烹にて、大将と話し込んでしまう程に幸せな気持ちになれる旬のお野菜と夏酒をいただき、宿で一休みしてからバーに繰り出すつもりが、寝りに落ちてしまう(笑)翌日は早朝から開店しているラーメン屋さんへ。側にある神社の境内が苔むしている様子が素晴らしく、自転車通学の学生さんたちの姿を微笑ましく眺めながら、大通りや脇道まで時間とスマートフォンのことを気にせず散歩する。

お昼は松本城近くでざる蕎麦をたぐり、歩いて街を回る途中で昔からある珈琲屋さんで名物のモカパフェ。夜は居酒屋で雪笹という山草を肴にさっと日本酒を飲んでから念願のバーへと梯子。素晴らしく赤くて甘いスイカを使ったマルゲリータ等を飲みながら、夕暮れから夜に移ろいゆく空気をゆったりと満喫する。

最終日は松本にもあると教えてもらったツルヤさんまでぽてぽて歩き、お客さんがどんな買い物をしているのかちらりと目にしつつ、巨大スーパーの陳列棚をうっとり眺めて何周も歩き回る。選び抜いて買ったのはお勧めのお土産、古城生蕎麦、ツルヤ特製のジャムと電車で食べるように辛子稲荷のパック。生水を飲んだのが体に合わず、少し体調は崩れたもののホクホクしながら帰路につく。

旅先で出会ったどの人も、素敵なところですよ。いろいろと見てくださいと薦めてくれたこの街に、叶う事なら季節ごとに訪れたい。と書いていたところ、面白いことに友人がイベントをするという知らせが舞入った。早ければ10月には再訪出来るか。今度は誰かと一緒に来れると良いな。そう感じさせてくれる場所 

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おきな堂さんのポークステーキ。しっかり厚手のお肉は何もつけなくとも甘くて美味。

 

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 控えめに散りばめられたアザランから嬉しくなる珈琲美学アベのモカパフェ。 カラッとした空気とはいえ35度超えの気温の中、歩き回っていたのでこのボリュームでもあっという間に食べ終わる。

 

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 凛とした佇まいの烏城。