300と数十日の食卓

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42冊目『10文字の魔法でプロの味』から最終回はしょうが焼き

[42-7]『10文字の魔法でプロの味』より最終回はしょうが焼き(p.71)

さわけん著、 株)主婦の友社発行、 デザイン FLY、撮影 横田裕美子、スタイリング 鈴木尋巳、編集 辻岡直美、 2014年12月10日初版発行

30度近い気温が続いたけれど、明日は最高気温が10数度という予想でいよいよ衣替えした木曜は定番ものを。

調理時間:10分以内

主な材料:豚ロース肉、おろし生姜、サラダ油、つけ添えの野菜(千切りキャベツなど)[合わせ調味料] おろし生姜、醤油、砂糖、水、酒、片栗粉 

調理の流れ:キャベツは千切りに、それ以外の野菜はお好みの大きさに切り皿に盛り付ける。生姜をすりおろし、調味料を混ぜ合わせる。豚肉におろし生姜と合わせ調味料の一部を加え揉み込みしばらく置く。サラダ油を入れたフライパンに豚肉を入れて色が変わるまでサッと炒めたら、一旦取り出す。残りの合わせ調味料をフライパンに入れ煮立たせたら肉を戻し入れ、煮絡ませ、皿に盛る。

出来上がった料理:「第3章 白いごはんがすすむ!がっつりボリューム感 お肉メニュー12」より、もみこんでやわらか〜しょうが焼きを再現した。

おろし生姜を豚肉に揉みこむと、酵素の働きで肉が柔らかくなる作用を使う定番料理。豚の脂を馴染ませた醤油ベースの甘じょっぱいお味を片栗粉のトロミで閉じ込めて、豚肉に絡ませると、んんんんん。これ、これ!この味ってやっぱり美味しいよねと納得させられる。

今回は付け合わせに千切りキャベツをたっぷりとのせ、ピーマンの塩昆布和え、野菜室にあった残り野菜をトマトソースで煮たものなど、どれも5〜10分以内で作れる副菜を添えてワンプレートでそれなりに栄養のバランスも取れるようにしたが、疲れているときならしょうが焼きがしっかりと美味しく出来上がるから、キャベツとミニトマトで十分。

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ランチに定食屋さんに行くと旬の魚のフライとどちらを選ぶか悩むのがしょうが焼き。家では揚げ物をほとんどしないので、フライに軍配があがることが多いのだけれど、それでもお昼に食べたくなるメニュー2位を常に保っているくらいに好きな料理。

まとめに代えて:最近テレビなどでもご活躍のさわけんことさわだけんじ先生のレシピ集『10文字の魔法でプロの味』を再現した。

前置きで書かれているが、お家で作る料理はできるだけ手間をかけずに、でもきちんと美味しく作れることが一番で、だから本書では最も面倒な「切る」ことをできるだけ省いてある。ほとんど包丁を使わずに扱える食材を用いたり、カット野菜や缶詰も賢く使うことで、料理するなんて億劫だという気持ちが少しでも軽くなればそれで良いんだと。

さわけん流料理の基礎は、①良いレシピを知り、何回も作ること。最初はきちんと手順を守り、計量してレシピ通りに作ること。②まず揃えるべき道具10つ。③大切な基本的調味料6つ。④味の構図を覚えよう。ベースのうまみ+塩分+香りなどのアクセント(+濃度)。⑤野菜の切り方(人参を使い基本的な切り方6つを写真付きで解説)

お料理することに慣れていない人にとっては簡単に、ベテランにとっては、え??と驚きをもたらす手順も出てくるので発見があり、人気料理が美味しく作れる一冊。辻調理師専門学校で長らく講師を担当されていたこともあり、分量の指定が小さじ1/8などとても細かかったりするが、少量でも加えることで味は確実に変わることを実感できるから省かずに作ってみよう。

全体的にさわけん色が出ていて良い本。

 

さわだけんじ先生には辻調ではなく、東京の料理教室で大変お世話になった。イタリア料理、インド料理にお肉の焼き方、レシピの作り方など幅広く教えていただいたが、教室も卒業し、もう接点は無いと思っていたら以前の勤務先にTV取材で来られたので驚いた。それがきっかけで本書を取り上げたのではなく、長く使えると感じた良書にもっと焦点を当てようと、このblogのあり方を考え始めたのが理由のひとつ。これまでも取り上げる本は慎重に選んできたつもり(笑)だし、これぞ絶対に買うべき本!とはなかなか巡り会えないので、これからも試行錯誤を重ねよう。

<ごはん日記>