300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

49冊目『このひと皿でパーフェクト、パワーサラダ』から4回めは具だくさんのポテトサラダ

[49-4]『このひと皿でパーフェクト、パワーサラダ』より4回めは具だくさんのポテトサラダ(p.48~)

坂田阿希子著、 学)文化出版局発行、 デザイン 湯浅哲也、撮影 邑口京一郎、スタイリング 久保原恵理、 編集 松原京子、浅井香織、2017年6月5日初版発行 

久しぶりに長い距離を歩いていると汗ばむほどの陽気な東京の金曜日は、新しい感覚のポテトサラダを再現。

調理時間:小一時間 

主な材料:じゃがいも、塩・胡椒、薄切りにした紫玉ねぎ(紫が無ければ普通のもので)、マヨネーズ、切り分けたパンチェッタ、塩茹でして食べやすい長さに切った菜の花、薄切りにしたセロリ、乱切りにしたゆで卵、角切りにしたリンゴ、角切りにしたグリュイエールチーズ、赤ワインビネガー、オリーブオイル、ローストしたかぼちゃの種とひまわりの種など

調理の流れ:ジャガイモは皮付きのまま茹でるか蒸して火を通す。その間にパンチェッタを炒め、出た脂を拭き取ったり、野菜、卵やチーズの下準備を行う。ジャガイモが柔らかくなったら手早く皮を剥き、ボウルの中で潰し、紫玉ねぎ、塩コショウをふり混ぜる。粗熱が取れたらマヨネーズを加えまぜる。ジャガイモの粗熱をとっている間に、もう一つのボウルに菜の花、セロリ、卵、チーズを入れドレッシングの材料を加え混ぜて、器に盛り付け、かぼちゃとひまわりの種の8割ほどをパラパラと散らす。その上にポテトを乗せ残りの種と胡椒をふる。

出来上がった料理:ポテトサラダがとっても好きなので、これまで色々なレシピを試してきたが、2層になったものは初めてで、どんな味に仕上がったのかワクワクしながら食す。

菜の花のほんのりとした苦味と色味、パンチェッタの濃厚な香りと旨味、居るのか居ないのかわかりにくいけれど、やっぱり欠かせないゆで卵の存在に、マヨネーズ風味は控えめな味付けのマッシュポテトを合わせた、とても大人な、さりげない色気の漂うサラダになっている。

ローストしたひまわりやかぼちゃの種がとても香ばしくて、パリッとした食感に先ず口が喜ぶ。通常の倍ほどの具材を混ぜ合わせ、別添えにしたポテトサラダは、混ぜ合わせるほどにどの食材が口に入るのか、食べてみるまでわからない面白さがあり、お!りんごの甘みも美味しい!いや、このグリュイエールチーズのコクもとても良いなぁと一口ごとに印象が変わる。

マッシュポテトに加えるマヨネーズの量が控えめ、水分が出る野菜は別添えなので翌日にも水っぽくならず、作り置きしても味がさほど劣化しないので、おもてなし料理にも使えるし、休日のゆっくりご飯に出すと喜んでもらえること請け合いのサラダ。

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このポテトサラダの完成度たるや、只者ではないので、マニアな方も、マニアでは無いけれど、ポテトサラダの存在は気になる方には猛烈にオススメしたいレシピ。

 

インフルエンザの館と化したクライアント先で出張料理をした数日後に体調を崩したので、すわ人生初のインフルエンザかと懸念していたが、昨日鼻血が出そうなまでに仕事を頑張った後は一気に回復。元気でいられることがあまりに嬉しくて、仕事を済ませた後に渋谷の黄色い魔殿に向かう。当初の目的だったEminemの"REVIVAL"を手にした後、迷宮をさまよい歩いている間にKeshaの"Rainbow"とSteven Wilson mixのXTC "Skylarking"などもお迎えすることに。

熱にうなされながら、在宅中ほぼ流しっぱなしのFMから聞き覚えのあるメロディが流れてきた。まさか?いやでもこれは間違いないだろうと寝床でスマホ経由を操り調べてみると、やはりXTCの "Disappointed"だった。寝たり起きたりを繰り返している時に、たまたま耳に流れ込んだ曲がかつて愛聴していたアーティストのもので、2年前ではあるが発売30周年を記念してremix盤が出ていたことを知れるなんて、すごいなぁと巡り合わせの妙に驚く。

同じように夢うつつで深夜ふと目覚めた折にFMから流れた曲の、あまりの力強さにこころが打たれたのが、Keshaの"PRAYING"。長年パートナーだったDr.Lukeからの性的なものを含めた虐待に対して訴訟を起こした後、活動休止を余儀なくされた彼女の4年ぶりの復帰アルバムで発することばの重さに打たれる。


Kesha - Praying (Official Video)

人生うまくいくとき、そうでないときは、結局のところタイミングによるのかもしれなし、今に至るまでの様々な経緯をさかのぼって、自分の視点でしか判断出来ないのだとしても、行動有りきのものだから、傷つくのを恐るよりも、例え傷ついてでも得たいものを選ぼうとする生き様は尊いと思う。後書きが長くなったが、みなさましあわせな休日を。

<ごはん日記>