300と数十日の食卓

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56冊目『きちんと小鍋』から5回目は牡蠣と白菜の海苔鍋

[56-5]『遅く帰った日のきちんと小鍋』から5回目は牡蠣と白菜の海苔鍋(p.16~)

YOSHIRO著、 株)枻出版社発行、デザイン ピークス(株)、撮影 加藤史人、落合明人、スタイリング 松井緋音、編集 杉村貴行、 2018年11月30日初版発行 

春物コートで出かけられた金曜日。季節がきっぱり変わる前に、牡蠣が美味しいうちに食べたい一品。

調理時間:20分以内

主な材料:加熱用牡蠣、ざく切りにした白菜、ほぐしたエノキ、ちぎった海苔、めんつゆ、わさび、ごま油、水 (270kcal)

調理の流れ:小鍋に調味料を入れ沸騰させる。白菜、エノキ、牡蠣を順番に加え、白菜がしんなりし、牡蠣がぷっっくら膨らむまで煮る。

出来上がった料理:キッチンばさみを使えば、まな板、包丁すら必要ない小鍋を再現した。このブログを始めて数年経つが、これまでで一番楽に美味しく作れるお料理かもしれない。

好きな食材は数知れずあるが、冬は牡蠣。10日に一度は食べるほどに牡蠣推しなわたしがこのレシピを紹介しない筈がない!ということにして頂き、何度か作った上でのアドバイスを。⑴刺激を求めるならわさびは最初に入れるのではなく、仕上げに使うことで香りや辛みで味に締まりが出る。グツグツ煮込むと甘みは出るが、わさびのツーンとした辛さが活かせないので、この辺りは好みが出るところ。⑵白菜に食感を求めるか、出汁としての役割を求めるかによるが後者であれば、水を沸かせてから白菜を入れ、柔らかくなってからめんつゆ、のりを入れることをお勧めする。一手間かかるが、旬の野菜の出汁ってびっくりするほど美味しいので使えるものは使っちゃいましょう。⑶香り高いタイプのごま油なら最後にたらりと注ぐ方がふわぁっと香りたつのでお勧めするが、マイルドタイプなら最初から入れる。

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このお料理は海苔が決めてでもあるので、手元にあるなら本書でも推奨されているあおさ海苔がベスト。でも、あおさ海苔を常備している人は地域により限られていると思うので湿気った海苔でも量を増せば美味しくなる。せっかく低カロリー食として記されているのに、締めに蕎麦を食べたくなるほどに食欲を増進し、日本酒がすすむ罪作りな小鍋。

 

しばらく更新が滞っていたのは、ある朝台所に立ったら鍋が持てなくて、整形外科に通う事態となったため。左手が右手の代わりになれるよう練習しながら回復を待っていると、こうしたレシピのありがたさが身に沁みる。出来るなら一生経験しなくても、知らなくてもいい痛みは確実にあるけれど、割とすぐに回復できるものであれば、知ることで深まるものもある。

まだ雪が降っているところもあるが、寒さに耐え抜いた樹々の内側に力が溜め込まれ、芽吹く機会を待っているころ。きれいに花を咲かせられますように。その花を愛でられますように。よい休日を。


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