300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

14冊目『ベジ豆カレー』よりベジタブルビリヤーニ

[14-5]『ベジ豆カレー』より6回めはベジタブルビリヤーニ(p.90)

マバニ マサコ著、株)柴田書店発行、 撮影 日置武晴、デザイン 中村善郎、スタイリング マバニ マサコ、編集 長澤麻美 2009年12月25日第1版発行

今年になってからぐんと勢いにのっているインド料理、スパイス料理だが、そこに至るまでに出版されていた身近な素材を使ってつくる料理本より、最終回はベジタブルビリヤーニを再現する。

調理時間:炊飯時間を含めて40〜50分ほど

主な材料:画像の他に、カシューナッツ、生の香菜、トマトピュレに塩など

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調理の流れ:カリフラワー、ブロッコリは下ゆで。油を引いたフライパンにトマト以外の野菜を入れ柔らかくなるまで蒸し煮にする。トマトを加えて火を入れ、形が崩れはじめたら炒め玉ねぎ、トマトピュレ、パウダースパイスに塩を加える。トマトが煮くずれたら米を入れて炊飯。

出来上がった料理:ビリヤーニといえばバスマティライス(インドの最高級のお米)を使うのが定番とされているが、日本では入手しにくい上、高価なので前文にて代用品として紹介されているタイのジャスミンライスを使った。野菜をスパイスで蒸し煮したものにお米を混ぜて炊くだけなのに、やさしいながらも旨味がしっかりと伝わってくるお味に仕上げられる。色とりどりで見た目にも楽しいので、おもてなしにも使えそうな一品。但し日本米と比べると歯ごたえがあるので、柔らかい口当たりがお好きな方は水の分量を加減するか、日本米でアレンジすると良いだろう。

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まとめに代えて:ほぼ3〜4種類(クミンシード、チリパウダー、ターメリックパウダー、コリアンダーパウダーにガラムマサラ)でいつも食べていた野菜の違う面を、味を引き出せるレシピが詰まった本で、カレー以外にもサイドディッシュで炒めもの、ライタ(ヨーグルトのサラダ)、ピクルス、チャッネ、カレーに合うご飯とパンまで幅広く紹介されている。分量も2〜3人前のものが多く、短時間に簡単に作れる料理が多いので1食につき2品作ったとしても負担にならないし、何より、インド系イギリス人と結婚した日本人の視点ならではのレシピは、スパイス料理をより身近な物にさせてくれる筈。今の料理本で主流となっているプロセス写真はなくレシピが文章で記されているだけだが、野菜の素材力とスパイスの力を信じて作れば美味しい野菜料理を作ることが出来る。今でこそNHKきょうの料理でも取り上げられるようになったスパイス料理だけれど、ここに至るまでに料理研究家や料理家が試行錯誤してきたものが積み重ねられ、家庭料理として受け入れられるようになった部分もあるだろう。

いつもはオフの月曜だが、祝日につき夕方からの勤務となった。昼寝しても良いという安心感から昨夕より『パードレはそこにいる』サンドローネ・デツィエーリ著、早川文庫刊をうつうつしながら一気読み。犯人はすぐわかるのだが、事件を巻き起こした地理的、時間的な要因に登場人物の際立った個性、クライマックスまでの緊張感が織りなす物語に興奮し、最後まで読み進めたくて、いつもの起床時間6時に目覚められない程に読書に没頭した。寝坊したのはとっても悔しいけれど、眠りたくない程に面白いと感じさせる出会いがあるから、久しく旅していないイタリアへ思いを馳せられるから読書は止められない。

 

パードレはそこにいる 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

パードレはそこにいる 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 
パードレはそこにいる (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

パードレはそこにいる (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

<ごはん日記>