300と数十日の食卓

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24冊目『毎日食べたくなる絶品鍋』のまとめとレシピ

[24-7]『毎日食べたくなる絶品鍋』より最終回のまとめと少しだけ手を加えたレシピ

  大庭英子著、 成美堂出版発行、 撮影 石井宏明、ブックデザイン 若山嘉代子 若山美樹、スタイリング 綾部恵美子、 2015年11月20日第1版発行

日が落ちるのは遅くなったけれども、マスク姿の数は減らず。寒い月曜日はほんの少しだけ工夫したピェンローのレシピを紹介する。

調理時間:50分ほど(干し椎茸を戻す時間はのぞき)

材料:(2人分)干し椎茸20g、白菜1/4ヶ、豚バラ肉100g、鶏もも肉100g、緑豆春雨60g、ごま油、塩。※豚リブロースや鶏のもも肉(骨付き)を入れると更に美味。※春雨は長時間煮てもしっかりしている緑豆春雨がベスト。

調理の流れ:(下準備)前夜に干し椎茸を1L程の水に入れて戻す。

1)戻した干し椎茸は石づきをひねりとり、一口大に切る。白菜は白い部分と緑の部分に切り分け、白い部分は長さを2等分にしてから5cmの幅に切る。葉の部分も5〜6cm幅に切る。

2)大きな鍋に干し椎茸を戻した汁と水1L(分量外)、切り分けた干し椎茸を入れて沸騰するまで強火で煮る。沸騰するとアクが出るのでとりのぞき、白菜の白い部分を加え再び沸騰したら、弱火で白菜が透明になるまで煮る。

3)別に用意した土鍋に白菜、干し椎茸、出汁を適量流し入れる。

4)一口大に切った鶏もも肉を入れてしばらく後に5cm幅に切った豚バラ肉、ごま油大さじ3を加えて、10分ほど煮る。

5)白菜の葉の部分と春雨を入れ、くたっとなるまで煮る。

6)最後にごま油を大さじ2をまわし入れる。取り皿に好みの量の塩、一味、鍋の汁を入れ、つけながら食す。

出来上がった料理:白菜のおいしい季節に一度は食べないと冬を過ごした気になれない、10年以上作り続けているピェンローを私流のレシピで記した。春雨がともかくよく出汁を吸うので、食卓に出す意外のお鍋にたっぷりの出汁を作っておくのがポイント。煮汁が少なくなってきたら注ぎ足すと、〆の雑炊の時に険悪な雰囲気にならないし、翌日、翌々日にまでとても幸せな気分にさせてくれるスープとなるのでぜひ多めに作って欲しい。干し椎茸からでた濃厚で香り豊かな出汁に甘い白菜の旨味、鶏と豚肉の合わせ技に加え、たっぷりと流し入れたごま油の芳醇なにおいが鼻孔から食欲を刺激する鍋。全国どこででも手に入る食材で、シンプルなのに、シンプルだからこそ、飽きずに食べられる究極のお味。先日実家で両親の為に久しぶりに作ったところ、喜んでもらえた老若男女に受け入れられる鍋料理。

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まとめに代えて:「第1章 人気の三大鍋」しゃぶしゃぶ、寄せ鍋、キムチ鍋の定番とアレンジを含めた10品、「第2章 たれで食べる鍋」湯豆腐、白菜と豚肉のミルフィーユ鍋など4品、「第3章 今夜はどんな鍋?」しょうゆ味のいも煮鍋、ちゃんこ鍋など8品、塩味の餃子鍋など5品、みそ味のかきの土手鍋、だご汁鍋など8品、ピリ辛味のココナッツカレー鍋など4品、洋風味のボルシチなど4品、「第4章 2アイテムのシンプル鍋」大豆もやしと手羽先の鍋、フライドチキンとレタスの鍋など10品、「第5章 スタンバイ!おまかせ鍋」きのこと豆腐の豚肉巻き鍋、かじきとマカロニのイタリアン鍋など6品、ご当地鍋6品、鍋に添えたい小皿料理、基本の出汁、いろいろなたれ、もっとおいしい鍋読本の構成となっている。

これまで取り上げてきた鍋料理の本は洋風や中華、エスニックなど目新しいものが多かったが、本書は和風やご当地の鍋レシピが多く、食べる年齢層を問わない。ほとんど全てのレシピに〆の提案があるところも嬉しいところ。簡潔な文章でほぼ5工程以内に収まっているので、説明が物足りなく感じられるかもしれないが、レシピ以外の材料の欄で下ごしらえの大切なポイントが記されているので、そこを読み落とさなければ失敗なく作れて料理上手になれる。

金沢風、名古屋風、静岡風のおでんが紹介されているので作ってみたかったが、それはまた別の機会に。なんだかんだで25冊めになる明日は仕事などで帰宅が遅くなる人たちのためのレシピ本を紹介する。

いつもの音楽仲間とジンギスカンを食べに行ってきた。銀座にあるお店だし、ジンギスカン臭対策はそこまでやらなくてもよいかな?とのほほんとしていたのだが、読みが甘かった。帰りの道すがら自分の髪や洋服からほんわり香ばしいにおいがずっと漂ってくる。密閉されている空間、飛行機移動じゃなくて良かった。終電近い電車(空いていた)で帰れて良かった。

<ごはん日記>