300と数十日の食卓

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29冊目『有元葉子の「和」のお弁当』から初回は牛肉とピーマンのかき油炒め弁当

[29-1]『有元葉子の「和」のお弁当』より初回は牛肉とピーマンのかき油炒め弁当(p.26~)

 有元葉子著、東京書籍(株)発行、 撮影 今清水隆宏、スタイリング 千葉美枝子、アートディレクション 昭原修三、デザイン 植田光子、  2013年9月10日初版発行

お昼は気持ちのよいお天気だったのに、夕暮れ時から雨、雷など春らしくなった月曜、新年度しょっぱなもお弁当本の紹介をする。

調理時間:10分以内(前夜に下準備を済ませたとして)

主な材料:牛赤身薄切り肉、ピーマン、酢、酒、砂糖、おろししょうが、しょう油、かき油、キャベツ、きゅうり、紫玉ねぎ、オクラ、削り節など

調理の流れ:(下準備)牛肉の炒め物:食べやすい大きさに切った牛肉を下味の調味料に漬け、揉み込む。ピーマンは切っておく。野菜の酢油漬け:切った野菜を塩揉みし、水気を切る。サラダ油、酢、コショウを加え混ぜる。ゆでオクラ:塩刷りしたオクラを熱湯で茹でる。

(当日)牛肉の炒め物:ごま油を熱したフライパンでピーマンをさっと炒めて取り出し、牛肉を炒め、しょう油、かき油で味を整えてからピーマンを戻し入れる。野菜の酢油漬け:水気を切る。ゆでオクラ:削り節にしょうゆを加えたものを添える。

出来上がった料理:「第1章 毎日のお弁当」より、下味の上にかき油としょう油も加えしっかりと味のしみ込んだお肉と、油でコーティングされた野菜にお酢を加えることで程よい歯触りが残り、さっぱりとたくさん食べられる副菜が嬉しいお弁当を再現した。茹でオクラにおかかしょう油も、地味ながらご飯にあうお味で、お弁当箱という限られたスペースの中でいろいろな要素を楽しめるようになっている。牛肉と一緒に炒めるピーマンは赤か緑だったり、野菜の酢油漬けに紫玉ねぎが入ったりと有元先生らしい色使いが、お弁当の蓋をあけたときに目に飛びこんでくるのも嬉しいものだから。(かき油とはオイスターソースのことです。付け加えておくと。そして赤ピーマンを切らしていたのでオレンジピーマンを使ったのが下の画像)

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前夜に準備が整っていれば、時間をかけずに彩り豊かで、バランスの整ったお弁当を作れることが実感できる。この本で有元先生が勧められているのは、準備した材料を一枚のバットに入れて整えておく方法。味付け、調理方法を頭の中で組み立てて予習し、色みも確かめられるので、確かにとっても便利。

実家より牛肉と新鮮な野菜が届き、質素なご飯を食べていた週末から食生活がいっきに華やぐ。東京ではなんでも手に入ると思われがちだちだが、野菜は産地から直接届くものに敵わない。ありがたいことに、このところとれたて野菜のお裾分けが各地から届くようになり、どれもがどうやって料理して食べてあげよう?と見るだけで料理欲をかきたてる位に生命力をはらんでいる。ピカピカときらびやかなものよりも、こうしてしっかりと育てられたものがただただ愛おしい。

<ごはん日記>