300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

32冊目『三陸わかめと昆布 浜とまちのレシピ80』から2回めはポルトガル風豚とあさりの昆布蒸し

[32-2]『三陸わかめと昆布 浜とまちのレシピ80』より2回めはポルトガル風豚とあさりの昆布蒸し(p. 78~)

『婦人之友』『明日の友』読者のみなさん、本谷恵津子、横山宗一、小関泰著、婦人之友社発行、 料理 仙台友の会、 撮影 佐藤則子、鈴木正美、松田哲郎、本社写真部、 デザイン 塚田佳奈、スタイリング 駒井京子、 2017年3月11日初版発行 

早朝散歩をしていると樹々のかおりが強くなってきて、夏がやってくるぞと感じさせる金曜は白ワインがすすむ料理を。

調理時間:20分ほど(昆布を戻す時間は除き)

主な材料:塩蔵昆布、豚こま肉、ざく切りキャベツ、あさり、パセリ、しょう油、すりおろしにんにく、白ワインなど

調理の流れ:昆布は食べやすい長さで5~6mm幅に切りに切り塩抜きをする。豚肉に調味料を揉み込みしばらく置く。鍋にキャベツ、昆布、豚肉を順に重ね、オリーブオイル、塩、こしょうをしてからフタをしてしばらく蒸す。あさりとパセリを加え、あさりの口が開くまでさらに蒸す。

出来上がった料理:「みんなの昆布レシピ」より豚肉とあさりの旨味を重ねる定番ポルトガル料理に、昆布まで加えてさらに美味しくなった蒸し物を再現した。

工程も、材料も少ないので、火を入れすぎて豚肉が固くなってしまうことにだけ気をつければ、海で育まれた旨味と、豚肉のもつ特有のあまみが相まった極上の料理を気軽に作ることが出来る。全ての出汁を含んだ昆布は、きゅっという歯ごたえまでもご馳走で、噛むたびに広がる美味しさに口中が喜ぶ。いつでもとっても美味しい料理だけれど、春キャベツが出回り、あさりのシーズンと重なる4月ごろに作れば、さらに白ワインが進みそう。

料理を作るときに、これは必要?と悩む人が多いが、パセリは彩りだけではなくて熱を加えることでほんのり爽やかな香りを添えてくれるので、生がなければドライタイプのものでもぜひ使って欲しい。味に立体感が出てぐんと美味しくなります。

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東京で暮らすようになってから、豚肉のおいしさに開眼した。今のところ、レシピの再現も豚肉を使った料理が多くなっているが、京都に住んでいたなら牛肉か鶏肉の頻度が高くなるだろう。(高級スーパーの総菜を使ったレシピ集等の特殊なものを除き)料理本は全国どこに居る人にでも普く美味しい料理が作れるように意図して作られているので、今現在やこれまで再現しているレシピ以外でも季節と場所を変えると作りたくなる料理はきっと沢山ある。名レシピを取りこぼしている感は拭えないが、紹介したい本は幸いにも次々出てくるので、いまは目をつぶって前へ進もう。

緑がどんどん深くなり、木陰を歩くのが心地よくなり始めた。風薫る季節、目にするものも、緑のかおりも輪郭が濃くなっていることに気がつく時間が作れますように。すてきな休日をお過ごしください。

<ごはん日記>