300と数十日の食卓

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47冊目『365日のめざましスープ』から初回は豚肉と白髪ねぎの雑煮

[47-1]『365日のめざましスープ』より初回は豚肉と白髪ねぎの雑煮(p.67)

有賀薫著、 株)SBクリエイティブ発行、 デザイン 斎藤雄介、撮影 有賀薫、佳川奈央、編集 田上理香子、 2016年3月30日初版発行

朝の空気が冬らしくキリッと締まっていたが、博多や西日本では雪が積もったところもあった火曜は和の汁物を。

調理時間:10分以内(出汁はとってあるものとして)

主な材料:食べやすい大きさに切った豚薄切り肉、長ねぎ、出汁、薄口醤油、餅など。

調理の流れ:長ねぎは白髪ねぎにし、豚肉を切る。餅を焼く。小鍋に出汁を入れ沸騰させたら豚肉を入れて火を通す。塩、醤油を加えて味を整える。器に餅を入れ、豚肉、汁を注ぎ、白髪ねぎをのせる。

出来上がった料理:「お正月じゃなくてもお雑煮食べよう」から豚肉を入れたお雑煮を再現した。

鶏肉や鴨肉ならお正月感があるが、豚肉だと程よくカジュアルで、お雑煮を食べているというイメージからは離れられる。朝に冷えた身体も温まるし、不足している水分も、お腹もこれいっぱいで満たせるこんなお餅入りの汁物、朝ごはんに出ると嬉しいだろうなぁ。自分で作って食べても、ふふふと笑みがこぼれたくらいだから。

お正月に食べるお雑煮は京都なので、男性は頭芋(かしらいも)という朱塗りのお椀からはみ出るほど大きな海老芋の親芋が入り、それを一日一個食べるという風習があり、女性は黒塗りのお椀に普通の大きさの里芋という違いがあるが、メインの具材を別にすると薄切りにした祝い大根、丸もちにどっさりと鰹節を入れた白味噌は同じ。

好みの白味噌はそれぞれあって、山利さん、関東屋さん、しまむらさん辺りがお料理やさんでも愛用されているし、本田味噌さんはご家庭用として人気。年によってお味が微妙に異なるのに気がつけるのも、白味噌を贅沢に使うお雑煮ならでは。京都にいると白味噌は「白味噌」なので、東京で「西京味噌」と当たり前のように称されるのには違和感を覚える。東京などの和食店のメニューを見て西京焼きと記されているのも、いまだに不思議(笑)

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澄まし汁にお肉が入る関東風のお雑煮は、母方の実家で食べるのが楽しみだったっけ。御節の内容も両家では少し違っていたので、お正月料理は地域ごとの食文化が濃く反映されているし、このまま伝統が受け継がれていけば良いなぁとも思う。

 

このところ京都に居る時間が長くなって来ているが、随分変わってしまって、知らない街みたいになってしまった。タクシーの運転手さんに、「それだけ東京に居てはったら、もう東京の人ですなぁ」と言われ、あぁ京都ならではの意地悪を言われてると気が付ける間は、まだ京都人だと思うが(笑)、ともかく、京都らしさをどこまで残せるか、活かしていけるかを、もっときちんと考えないとダメなんじゃないかなぁ。いくら盆地ならではの灼熱の暑さの夏と骨の髄まで響くほどの寒さの冬によって守られて居るとはいえ、帰るたびに変わっていく様子をみるのは正直残念で、鴨川の土手を出町柳から二条くらいまでぽてぽて歩いて、ここは前のままだと安心して東京に帰るのが習慣となっている。

<ごはん日記>