300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

46冊目『staub 「ごはんココット」レシピ』から初回はおいしいごはんのおとも

[46-1]『staub 「ごはんココット」レシピ』より初回はおいしいごはんのおとも(p.10~)

若山曜子著、 株)河出書房新社発行、 デザイン福間優子、撮影 新居明子、スタイリング 佐々木カナコ、 2016年10月30日初版発行 

このところ更新が不定期だが、もう暫くこんな感じでゆるりと。ぐっと冷えた月曜からはおいしい美味しい新米を使ったごはん本を紹介する。

調理時間:30分以内(卵黄の漬け込み時間は除くが、炊飯とひじきの戻し時間は含む)

主な材料:[納豆とふわふわ卵白] 納豆、卵白、塩か薄口醤油、小口切にしたネギ、わさび  [卵黄のしょうゆ漬け] 卵黄、しょうゆなど [ひじきの梅煮]  芽ひじき、みじん切りにしたニンニク、みじん切りにした梅干し、みりん、しょうゆ、酒、ごま油 

調理の流れ:[卵黄のしょうゆ漬け] 小さくて液体を注げる深さのある器に卵黄を入れしょうゆを注ぎ、ぴったりとラップで密閉して一晩以上おく。 [ひじき] 水で戻したひじきは水気をよく切る。フライパンにごま油、ニンニクを入れ香りが立つまで炒めたら、ひじきを加え全体に油を馴染ませる。調味料と梅干しを加え汁が飛ぶまでじっくり煮る。 [納豆]  小さめのボウルに卵白と納豆を入れ箸で最初は大きく、だんだんと細かく動かしながら卵白をふわふわになるまで泡立てる。お好みの調味料で味を整え、ねぎ、わさびを添える。

出来上がった料理:本章が始まる前の「まずは、おいしいごはんを炊いてみましょう」に次いで設けられている「おいしいごはんのおとも」6種類の中から、納豆とふわふわ卵白、卵黄のしょうゆ漬け、ひじきの梅煮を再現した。その他はさっと火を入れた春菊をお出汁としょうゆで味付け海苔を混ぜたものに、辛子明太子。

まずは納豆。掲載されている写真を見るとかなり決め細い泡が立っていたので泡立て器も用意したが、納豆と混ぜ合わせるとお箸だけでも30回程度ぐるぐる動かすだけで程よくふわふわに膨らむ。全卵や黄身だけを混ぜて食べるよりも、あっさりしていてするりと口に入り、お米の味を邪魔しないから新米の季節に特におすすめ。これは納豆蕎麦にも使えそう。

次にしょうゆ漬け。一晩卵黄をおしょうゆに漬けただけで生まれる得もいわれぬねっとりとしたとろみと深い甘みを、ごはんも口も大喜びで味わえる。濃厚な味で白米をすごい勢いで食べられるが、お酒飲みなら肴としても卵黄の味噌漬けより手軽に出来るし、喜ばれること請け合い。

ひじきの梅煮はかつて博多に旅行する度に買っていた梅の実ひじきを想像しながら作ったが、みじん切りにしたニンニクのコクが加わって、自家製ならではのお味を楽しむことが出来る。日持ちもするし、お弁当用にも使えるので手持ちのレシピに加えられるととても便利。 

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これに温かい汁物を添えると、食べ終わった後にふわぁ〜おいしかったと自然にことばが出るほど大満足のお家ごはん。

 

「ごはんのおとも」と聞いて、お友?お供?と悩むかもしれないが「お供」が恐らく正解。主役のお米を引き立てるお供(脇役)という意味合いで、だから生卵、明太子、海苔の佃煮、いくらやちりめんじゃこ山椒等が最適となる。大阪・花錦戸さんのまつのはこんぶ、京都・三島亭さんの肉の時雨煮、新潟・加島屋さんの鮭茶漬けってのも良いなぁ。これは京都人の私の好みで、炊きたての、特に新米にあわせるならこれ!というお供は生まれ育った場所によって随分変わってくるんだろうなぁ。

ちなみに溺愛しているお供は半熟の卵と明太子。よその人からすると京都といえばのお漬物にはこだわりが無くて、お弁当に入れる以外は無くてもなんの不自由も感じないが、九州旅行に出ると数種類の明太子を必ず配送してもらうくらい大好物。ハードな撮影仕事の打ち上げで連れて行ってもらったこのお店には驚かされたが、疲れすぎてしっかり味わえず。次回博多に行った際には再挑戦しよう。

お米自体の話については明日に。

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<ごはん日記>

網膜光凝固術について

網膜光凝固術について

突然受けることになった右目のレーザー治療について簡単に記した。以下は2017年10月時点の出来事。

前日(診察日):帰省の際、いつもの眼科に数か月分の使い捨てコンタクトレンズの更新分を貰い受けに行った。朝一番で通常通り簡単な診察を終えて1日の予定をどんどんこなすつもりだったのだが、網膜に小さな穴があいているから治療をしなければなりません。出来ればすぐにという先生の助言に従い、アレヨアレヨという間に翌日レーザー治療にかかる診断および結果を受けてほとんど確定に近い形で治療を受けることになった。

医院より渡された注意書きには、目薬により瞳孔を開かせるため術後に車、自転車の運転は出来ない。眼帯は不要。食事、洗顔、入浴はいつも通りにしてよい。許可が出るまで激しい運動は控えることと記されている。処置時間は点眼から40~50分なので、このくらいの約束は守れるだろうと気楽に、でも当日の予定を他に振り替えたり、キャンセルしたり慌ただしく過ごす。

当日(施術日):先ず、目薬をさして散瞳させる。昨日は片目だけだったが、念のための両眼検査に備えて両方の瞳孔を広げる。30分ほどで薬が効いてくるので、いよいよ診察開始。右目の網膜に小さな穴が空いているが、一刻も早く手術が必要!というわけでは無い。ただ何がどう連鎖していつ網膜剥離を起こしてしまうのかはわからないし、そうなれば手術になってしまう。何より治療すべき箇所が見つかったのなら早めに治すことをオススメすると正直に助言していただいたので、納得して同意書に署名。再び目薬(今回は麻酔)をさしてもらい、しばらく待ってからいよいよ処置室に。

椅子に座り顎、額を固定すべき位置に合わせると、ベルトで頭が動かないように固定される。医師が特殊な形状のレーザー用コンタクトレンズを右目にかぶせ、視線をどこに向けるか指示を受けながら処置が始まる。最初はさほど違和感を感じないままにレーザーが打たれるパチパチという乾いた電子音を聞いていたが、時折じんわりとした痛みを感じ、レーザーの緑色しか目に映らなくなり、瞼を閉じられないので涙が流れ続けていくうちに、どんどん気持ちが悪くなり、途中でやめてください!と逃げ出したくなる。痛みには強いことについては掛かり付け医で定評があるのだけれど、痛みというよりも網膜をレーザーで焼いているという状況の特殊さに気持ち悪くなったのだろうと今になって思う。こちらの気持ちが医師にも伝わったようで、途中からは進捗状況も伝えてもらい、ただただ我慢しながら治療を終える。

近視が原因でできた穴は小さいものの2箇所あったので、レーザーを打つことで網膜に火傷を作り塞いでもらった。

レーザーを打っている最中に、ごくごく稀に強い痛みを感じることもあるらしいが、それは実際に激痛を感じるまで医師、患者ともにわからないので運に任せるしかない。幸いにしてそこまでの痛みを感じずに済ませることはできたが、処置室を出た後ふと左手を見たら小刻みに震えていたので、精神的にも目にもそれなりの負担がかかっていたようだ。

担当の医師や医院、症状によって若干異なるだろうが、手術後当日、飲酒は控える。コンタクトレンズの装着は翌日から出来る。ラグビー、サッカーなどの激しい運動や腹筋などの運動、重たいものを上げ下げすることは医師からの許可が出るまで出来ない(1週間後の検査で順調に回復しているので腹筋以外のジムでの運動は許可していただけた)。

私の場合は1週間後と1ヶ月後に経過観察を受ける。その後も完全に治癒する3ヵ月間は定期的に眼科に通うことになるが、頻度はぐんと下がる。どのみちコンタクトレンズの更新で2~3ヵ月に一度は眼科に通っているので、その範囲であれば負担にならない。

 

いつもの日記11月14日(火)は一つ前に。

 

 

 

44~5冊目『みそ汁はおかずです』、『ひだゴハン』から最終回はさつまいも、豚薄切り肉とにんにくのみそ汁など

[44, 45-7]『みそ汁はおかずです』、『ひだゴハン』より最終回はさつまいも、豚薄切り肉とにんにくのみそ汁(みそ汁 p.90)、しいたけ甘煮と青じそゴハン(ゴハン p.77)

みそ汁:瀬尾幸子著、 株)学研プラス発行、 デザイン 関宙明、撮影 木村拓、スタイリング 大畑純子、編集 佐々木香織、 2017年10月3日初版発行 

ゴハン:飛田和緒著、 東京書籍 株)発行、 デザイン 遠矢良一、撮影 竹内章雄、スタイリング 久保原恵里、編集 松原京子、 2017年4月28日初版発行 

「柳の下にもスター・ウォーズ」というフレーズにうけた火曜は細巻き寿司。

調理時間:20分ほど(出汁はできており、干し椎茸は戻っているものとして)

主な材料:[みそ汁] 輪切りにしたさつまいも、食べやすい大きさに切った豚薄切り肉、薄切りにんにく、出汁、みそ。 [ゴハン] しいたけ甘煮(薄切りにした干ししいたけ、戻し汁、砂糖、醤油)青じそ、焼き海苔、ゴハン。

調理の流れ:[ゴハン] 戻しておいた干ししいたけはスライスして、調味料と戻し汁で煮詰める。巻き簾か大きめに切ったラップの上に、海苔をおきゴハンをのせる。青じそ、汁気をきった甘煮をのせ、くるっときつめに巻く。 [みそ汁] 鍋にさつまいも、豚肉、にんにく、出汁を入れさつまいもが柔らかくなるまで煮る。味噌を溶き入れる。

出来上がった料理:「おなじみ食材のみそ汁」より、にんにくが入ったおみそ汁と、「巻き巻きゴハン」よりしいたけの甘煮に青じそを添えた巻き寿司を再現した。

おみそ汁だが、レシピではさつまいもの皮をむくと記されているところを、剥いた部分と皮付きの部分の2種類を混ぜてみた。根っこに近い部分は細くなって剥きにくかったことと、どれくらい違いが出るのかを確認するためだ。煮込むと皮付きの部分は形を留めるが、皮がないと火が入りやすいこともあり、ほろほろと崩れる。皮をむくのが面倒な人は時間をかけて煮る。早く仕上げたい人は面倒でも皮を剥くことで、この手間が回り道をするように思えるが、火の通りはぐんと早くなるので、きちんと作られたレシピを信じてみよう。

さつまいもと豚肉は定番だが、そこににんにくを入れると、コクが出る。香りはそこまで気にならないが、お仕事や予定次第で避けた方が良いだろう。にんにく入りのおみそ汁、個人的には好み。これから色々試してみよう。

次に巻き寿司。巻き簾がないからと諦めなくともラップで十分代用できるし、片手で手軽につまめるので作っておくととっても便利。もちろんしいたけの甘煮だけでとても美味しいけれど、青じそを加えることで緑の色目が綺麗だし、さっぱりいただけるので、野菜室に余っているようならぜひ。

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まとめに代えて:料理レシピ本大賞を二回受賞され、なるたけ簡略化した上で、失敗せずに美味しくなるコツの伝道者・瀬尾幸子さんの『みそ汁はおかずです』を紹介した。①切る、②混ぜる、③みそを溶くの3ステップでお椀に一杯いただけば大満足のおみそ汁のレシピが満載。おだしは顆粒でもパックでもOK。その代わりにお味噌はきちんとしたものを使うことの大切さは作って食べれてみれば歴然とする。

おみそ汁レシピの他には冷凍できる具材の扱い方、この料理本を卒業して自分でアレンジを加えられるよう「辛み」、「香り」、「辛みプラス旨み」、「コクと香り」素材を紹介して締められている。おみそ汁のみなど単体がテーマのレシピ本は、マンネリ化しやすいが、写真とスタイリングが素晴らしくて、飽きさせない。流行りのみそ汁本だが、非常に明確でわかりやすくておすすめ。

『ひだゴハン』の飛田和緒さんも瀬尾さんの前年に『常備菜』にて料理レシピ本大賞を受賞され、大ベストセラーを生み出された料理研究家だ。ゴハンメインの本書の章立ては「のっけゴハン」、「混ぜ混ぜゴハン」、「焼き飯」、「味つけゴハン」、「巻き巻きゴハン」、「ハイカラゴハン」、「トースターゴハン」、「スープかけゴハン」、「お茶漬けと雑炊」。和風ロコモコやミニトマトと厚揚げの味つきゴハンなど面白そうな取り合わせのものもあるが基本的に材料、作り方を見るとこんな味だろうなと想像がつく、わかりやすいゴハン料理が多い。がっつりスタミナだったり、ヴォリュームがあるというよりは女性受けしそうな野菜やお魚を使ったレシピが多い。シンプルで奇異をてらうことが無いレシピなだけに、好みは分かれるだろう。

 

 

医師から許可を得てようやく復活させられたジム通い。目に負担をかけないようあまりに激しいプログラムは選ばず、足腰を鍛えるものを選んだのだが、音楽テーマはrock。身体が自然にリズムを取る馴染みの曲ばかりで、終わってみれば髪の毛から汗が滴り落ちるほど体を動かしていた。フルスロットルにならないよう自制してこれだから、完治したら限界近くまで攻めていこう。本当は限界を超えるのを目標にしたいけれど、あとの仕事を考えると手前でセーブするのは大人の嗜み。そういうことにしておいてください(笑)

明日から数日blogを休む。その代わりに、興味を持っておられるかたもいらっしゃるかも?で、目の治療について記した。(身体的な痛みが苦手な人は読まないほうが良いかも)

<ごはん日記>

 

 

 

 

 

 

 

44~5冊目『みそ汁はおかずです』、『ひだゴハン』から6回めは豆腐とみょうがのみそ汁など

[44, 45-6]『みそ汁はおかずです』、『ひだゴハン』より6回めは豆腐とみょうがのみそ汁(みそ汁 p.20)、ねぎチャーシュー(ゴハン p.59)

みそ汁:瀬尾幸子著、 株)学研プラス発行、 デザイン 関宙明、撮影 木村拓、スタイリング 大畑純子、編集 佐々木香織、 2017年10月3日初版発行 

ゴハン:飛田和緒著、 東京書籍 株)発行、 デザイン 遠矢良一、撮影 竹内章雄、スタイリング 久保原恵里、編集 松原京子、 2017年4月28日初版発行 

雨予報が多かったものの、降らずに済んでいたここ数日と打って変わって久しぶりにまとまった雨の月曜は炒めご飯。

調理時間:10分以内(出汁はとってあるものとして)

主な材料:[ゴハン] 細切りにした市販チャーシュー、白髪ねぎ、小口切りにしたネギの中の青い部分、みじん切り生姜、塩、醤油、ごはんなど。 [みそ汁] 角切りにした木綿豆腐、小口切りみょうが、だし汁、みそ。

調理の流れ:[みそ汁] 豆腐、ミョウガを切る。小鍋に豆腐、出汁を入れ豆腐を温める。みそを溶き入れ、みょうがを加える。 [ゴハン]  野菜を切り、チャーシューを切る。ごま油を熱したフライパンに生姜とネギの青い部分を入れ香りが立つまで炒める。ごはんを入れ炒めわせ、チャーシューを加えさっと炒める。調味料で味を整え、器に盛り、白髪ねぎを飾る。

出来上がった料理: 「おなじみ食材のみそ汁」よりお豆腐とみょうがの定番組み合わせのお味噌汁を、「第3章 焼き飯」より細く切ったチャーシューの味が隅々まで行き渡るチャーハンを再現した。

おみそ汁はお豆腐のフルフル、やわやわな食感がよくって、口に入れて楽しんでいると大豆の甘みが広がっていき、みょうが特有の香りと苦味が大人好みのお味噌汁。こういうなじみの組み合わせは、やっぱりほっこりできておいしい。

白髪ねぎをたっぷりのせて食べるチャーハンは、炒めたゴハンの香ばしさと、チャーシューのお肉感よりも、生姜の存在感が勝る。市販のチャーシューを使っても、ほんの一つの素材を加えるだけで、ぐんとお家のお味らしくなるから全て手作り!と力まずに。その代わり生姜は細かくみじん切りにして、ちょっと面倒だけれど白髪ねぎを作ることを頑張れば、ちゃんと美味しく出来るから。

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画像でみると白髪ねぎの切り方が雑(笑)

 

寒くなった週末は、到来物のいず萬さんのひろうすを使って8人分ほどのおでんを作り、お世話になっているお宅にお届けにあがる。ここ数年で一番の出来栄えだったので、タコを加えるかどうか最後まで悩むが、現場で決めてお鍋の中にどどっと投入したところ、大正解。鍋からはみ出るほどにうず高く積まれたお揚げさん、練り物、しらたきなどがあっという間に無くなっていくのを、側で飲みながら眺めているのは作り手にとってとても幸せ。

今回のおでんネタは関西風具材にアレンジを加えて、牛すじの代わりに豚スペアリブ、鶏肉、タコ、ソーセージ、ひろうすなどの練り物、卵、大根、人参、里芋、結び昆布、しらたき、こんにゃく、お揚げ、厚揚げ。本当はここにはんぺんも加えたかったのに、自宅に置き忘れてきてしまった(笑)

<ごはん日記>

 

 

 

 

44~5冊目『みそ汁はおかずです』、『ひだゴハン』から5回めは野沢菜漬けと厚揚げのみそ汁など

[44, 45-5]『みそ汁はおかずです』、『ひだゴハン』より5回めはか野沢菜漬けと厚揚げのみそ汁(みそ汁 p.119)、春雨炒めゴハン(ゴハン p.47)

みそ汁:瀬尾幸子著、 株)学研プラス発行、 デザイン 関宙明、撮影 木村拓、スタイリング 大畑純子、編集 佐々木香織、 2017年10月3日初版発行 

ゴハン:飛田和緒著、 東京書籍 株)発行、 デザイン 遠矢良一、撮影 竹内章雄、スタイリング 久保原恵里、編集 松原京子、 2017年4月28日初版発行 

早朝に散歩すると空気がぐんと冷たくなって、大好きな季節の到来を知る金曜はリピートしているまぜご飯などを。

調理時間:10分ほど(出汁はとってあるものとして)

主な材料:[みそ汁] 短く切った野沢菜漬け、角切りにした厚揚げ、出汁、みそ。 [ゴハン] 豚バラ薄切り肉、春雨、薄切りにしたしいたけ、ごま油、醤油、砂糖など。

調理の流れ:[ゴハン] 春雨はぬるま湯でもどし、ザクザクと切る。しいたけは軸は輪切りに、かさは薄切りにする。豚肉は細切りにする。ごま油を熱したフライパンに豚肉と塩を入れて色が変わるまで炒め、次にしいたけを入れて香るまで炒め、春雨を加え全体に油が回るまで炒める。 醤油、砂糖で味を整える。[みそ汁] 野沢菜漬け、厚揚げを切る。小鍋にお漬物、厚揚げ、出汁を入れ、漬け物が柔らかくなるまで煮て、味噌を溶き入れる。

出来上がった料理:「漬け物のみそ汁」より野沢菜漬けの程よい酸味が効いているみそ汁と、「第2章 混ぜ混ぜゴハン」より、何度ともなく作っている春雨炒めの入った混ぜご飯を再現した。

お漬物が入ったおみそ汁?え?中華だとザーサイや白菜の古漬けなどの入ったスープはあるけど、お味噌にお漬物?えええ?と思われるかもしれないが、お味噌の量をいつもより少なめにして野沢菜の味をじっくり堪能する汁物。厚揚げからもコクが出て、これはとってもおいしい。切るものも少ないし、ひとりごはんのときなど、しみじみおうちごはんの良さを味わえる。

次の混ぜご飯は、豚ばら肉から滲み出る脂と旨味が、薄く切ったしいたけの濃厚な味に絡み合って、醤油と砂糖で味付けた汁を吸い込んだ春雨が白米の間に入ると、それはそれは美味しいのです。つるりというよりはぷりんとした春雨の食感が混じったゴハンは噛めば噛むほど味わい深くて、ふふふと笑顔になれる。余ればおにぎりにしておくと、翌朝の安心になったり、誰かの夜食になる。お弁当を買う余裕もないようなスケジュールで、出張に出かける家人にこのゴハンで作ったおむすびを持って行ってもらうと、多分喜んでもらえるんじゃないかな。お店で買えない味。

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おにぎりって、ご飯が冷たくても美味しくて、片手でぱぱっと食べられて、好きなんだなぁ。焼いた鮭をほぐしたのを混ぜ込んだおにぎりは思い出も相まって一番好き。

 

以前にも書いたかもしれないが、通りが碁盤の目になっている京都で生まれ育つと、道は真っ直ぐなもの。だからくねっと曲がったり二叉路、三叉路なんて出てくると大いに混乱するし、特に世田谷区の住宅路はナビゲーションが無いと迷路のように感じられる。スマートフォンがあればなんとかなるが、それではいつまでたっても道を覚えらないから、えいっと覚悟を決めてうろ覚えの記憶をもとに歩き始めた。最初は迷子になりかけたり、目指した筈の方向から大きく外れているなんてことの繰り返しだったが、数ヶ月経つ頃(笑)には、決まった道を通らなくとも目的地にきちんとたどり着けるようになった。何度か間違ってみたり、失敗してみることで身につけられることは多いから、料理についても、そこに限らず大切だと思えることについては恐れずにいろいろ試してみれば良いんだと思う。7回転んでも8回は立ち上がる心構え、大事。

ぐぅんと冬が近づいてきて、冷え性の方や降雪量の多い地域にお住いの方には辛いかもしれないけれど、こたつでぬくぬくしたり、みんなで囲むお鍋が美味しかったり、しぃんとした空気に身もこころも引き締めてもらったり、季節ならではの風物詩がお待ちかね。本格的な冬支度を始める前に、今年の秋のイチョウの黄色や紅葉を楽しめる休日が過ごせますように。

<ごはん日記>