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300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

32冊目『三陸わかめと昆布 浜とまちのレシピ80』から初回は麻婆茎わかめごはん

[32-1]『三陸わかめと昆布 浜とまちのレシピ80』より初回は麻婆茎わかめごはん(p. 46)

『婦人之友』『明日の友』読者のみなさん、本谷恵津子、横山宗一、小関泰著、婦人之友社発行、 料理 仙台友の会、 撮影 佐藤則子、鈴木正美、松田哲郎、本社写真部 デザイン 塚田佳奈、スタイリング 駒井京子、 2017年3月11日初版発行 

少し遅ればせながら新わかめの季節。本日よりその時期にあわせて出版された料理本を取り上げる。

調理時間:20分ほど(茎わかめを戻す時間を除き)

主な材料:塩蔵茎わかめ、木綿豆腐(水切りした後、2~3cmの角切り)、豚挽き肉、みじんぎり長ネギ、みじんぎりセロリ、みじんぎりニラ、みじんぎりにんにく、みじんぎり生姜、豆板醤、豆豉、酒、オイスターソース、しょう油、コショウ、さとう、粒山椒(荒く刻む)、ごま油など

調理の流れ:茎わかめは2cm長に切って塩抜きする。フライパンにサラダ油を熱して香味野菜の香りが立つまで炒めたら、豆板醤、豆豉、豚挽き肉を入れて肉の色が変わるまで炒める。調味料を加え入れ暫く煮てから山椒、ごま油、茎わかめを加えて更に煮る。最後に水切りした豆腐を加えて火が通ったらごはんの上にかける。

出来上がった料理:前回取り上げた自由学園の料理本と時をほぼ同じくして出版された、婦人之友社の東北震災支援活動の一環の料理本より、わかめや昆布の料理を再現していく。

初回は全国の『婦人之友』や『明日の友』読者、プロの料理人やその他様々な人から寄せられた料理の中より選ばれた「みんなの茎わかめレシピ」の中華風丼を作った。茎わかめを入れるだけでも珍しいが、セロリを加えることでごくほんのり香りがたち、肉の脂っぽさがまろやかになるレシピ。お豆腐の分量が少なくとも、肉厚の茎わかめのコリッとした食感で食べ応えがあり、丼ものなのに罪悪感なく幸せに満腹になるまで食べられる。わかめと昆布を使ったレシピの初回にして、うわぁ、これは美味しいと唸らされる。

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わかめや昆布など、海藻を日常的に食べる国民は実は少ない。なのに、現代日本に生きているわたしたちの中で海草類を料理にうまく扱える人は、私を含め(多分)少なくて、かつ三陸沿岸の食品をつくる人と食べる人の繋がりを知り、深めるための本を取り上げることにした。しょっぱなから、少々興奮する位に美味しい料理が出来上がったので、これからレシピを再現していくのがとても楽しみだ。

いろいろな仕事を経てきたがほぼ事務畑で生きてきたのを、東京で料理教室に通い始めたことで繋がりが出来て、初めて料理研究家の先生のアシスタントにつかせてもらったのが3年前。初仕事の博多を皮切りに、東京でも時折お仕事をいただいていた先生がこの度ニューヨークに拠点を移された。日本でも随分活躍されていたのに、アメリカで仕事に取り組むことを選ばれた決断力に驚き、そして勇気をわけてもらう。その土地土地で固有の文化はあるものの、料理に関するきちんとした知識や技術はどこに行っても、いくつになっても活かすことが出来る。一大決心を下された素敵な先生のあかるい明日をこころより願う。

自分が美味しいと感じる料理を作れることは大切だけれど、食べてくれる人が美味しいと言ってくれるように寄り添うことも大事で、でもそこにあまりに重きを置くと、例えば栄養バランスが崩れたりもするので、お互いの許容範囲を探りながら出来るだけ沢山の人がしあわせな食卓を囲めますように。

<ごはん日記>