300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

31冊目『自由学園の最高の「お食事」』から2回めは味噌スープ

[31-2]『自由学園の最高の「お食事」』より2回めは味噌スープ(p. 14~)

JIYU5074Labo著、)新潮社発行、 撮影 青木登、ブックデザイン 吉村亮 大橋千恵、協力 自由学園 2017年3月30日初版発行 

曇っていた朝から一転晴れ間が広がるものの、少し肌寒い木曜はワンタンの皮入りスープを作る。

調理時間:10分ほど

主な材料:豚挽き肉、ワンタンの皮(三角形に切る)、ニラ(3cm長に切る)、にんじん(半月切り)、長ネギ(小口切り)、白菜(ざく切り)、卵、味噌、鶏ガラスープの素など

調理の流れ:サラダ油を熱した鍋で豚挽き肉をしっかり炒め、にんじん、白菜、長ネギを順に加えてさっと炒めた後、鶏ガラスープと水を加え、にんじんが柔らかくなるまで煮る。味噌を溶き入れた後、とき卵をまわし入れ、ワンタンの皮、ニラを散らせる。

出来上がった料理:「人気ベスト5+1」より、学生寮で提供されている人気の朝食メニューを再現した。炒めた豚挽き肉に鶏ガラスープを注ぎ、野菜をさっと煮て味のベースを作った上にお味噌を入れることでスープという呼び名にふさわしいやさしい口当たりで、身体がほんわり温まる汁物となる。今回はレシピに指定されている白菜ではなく春キャベツを入れたが、野菜室にある葉野菜、例えば小松菜、ほうれん草や、大根、蓮根などの根菜類を加えてもきっと美味しい。最後に加えたワンタンの皮のぷるんとした食感も良く、お腹を心地よく満たしてくれるので、朝食だけではなくお夜食にもおすすめ。

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お弁当作りをし始めてから、毎日一度はお味噌汁を飲むようになった。お出汁をとる時間が無い時はこうした味噌スープ仕立てを作ったらよいんだな。ともかく野菜が沢山食べられて、アレンジもきくので、これからいろいろ試してみよう。

酔っぱらった後や運動後の甘味としてアイスクリームは常備しているけれど、今の仕事に変わってから甘いお菓子は稀にしか買わなくなった。実家から届く荷物にチョコレートやお干菓子が必ず入っており、それを夕食後にチビチビと食べ繋いでいるという理由もある。今、久しぶりにははまっているのが、金平糖。百万遍の専門店ではなく、末富さんの昔ながらの味とはんなりした色の小粒の金平糖をしゃりしゃり食べると、子どものころの気持ちが時折ふぅっと思い出される。

<ごはん日記>

31冊目『自由学園の最高の「お食事」』から初回はロールキャベツ

[31-1]『自由学園の最高の「お食事」』より初回はロールキャベツ(p. 30~)

JIYU5074Labo著、)新潮社発行、 撮影 青木登、ブックデザイン 吉村亮 大橋千恵、協力 自由学園 2017年3月30日初版発行 

風が強くて気温もやや低め。着るものに悩む水曜は春キャベツを使ったメニューを紹介する。

調理時間:小一時間

主な材料:キャベツ、合挽き肉、みじん切り玉ねぎ、パン粉、牛乳、ベーコン、スープの素、塩、コショウ、(ホワイトソース)バター、小麦粉、牛肉、塩など

調理の流れ:キャベツの固い軸は削ぎ切り、熱湯に入れて柔らかくなるまで茹でざるにあげておく。合挽き肉に塩、コショウを入れて混ぜ、玉ねぎ、牛乳に浸したパン粉を加え、粘りがでるまで混ぜ、俵型に整形する。タネをキャベツで包み鍋に入れ、ベーコンとスープを加えてしばらく煮る。煮ている間にホワイトソースを作り、具の入っている鍋に加えて更に煮込む。

出来上がった料理:「主菜・肉」の章より、肉厚な春キャベツが旬(やや過ぎているが)の間に、老若男女に人気の煮込み料理を再現した。一般的なロールキャベツはブイヨンに浮かんでいるが、ホワイトソースを使うことにより、まろやかながらも濃厚で食べ応えのある仕上りとなる。キャベツの甘味と葉の中で旨味をみっしり詰まらせたお肉の透明な肉汁がナイフで切るじんわり染み出てくるロールキャベツ。ハンバーグは思いのほか焼き加減が難しいが、こちらは煮込むことで中までしっかり火が入るので失敗なく作ることが出来る。

ホワイトソースは別鍋で牛乳を温めるようレシピに記されているが、2口コンロの一つは具材を煮るために占領されているので、少し大きめの鍋でバターと小麦粉を程よく炒めたら隅っこによせて、鍋を傾け、空いたスペースに少しずつ牛乳を注ぎ入れ、温まったら小麦粉と混ぜ合わせるという作業を数回繰り返してホワイトソースを作った。バターで炒めた小麦粉さえ焦がさないように注意すればホワイトソース作りも案外簡単。

ロールキャベツをホワイトソースで煮込むと優しい味になり、またお腹もちするので食べ盛りのお子さんたちには特にうける味付けだろう。家族の帰宅時間が異なり何度も温め直す必要があるのなら、十分に煮込んだ具材の上から温め直したホワイトソースをかけるて食べるのもおすすめ。その他のアレンジとして、ホワイトソース仕上げのロールキャベツにはトマトの酸味がとってもあうので、画像のようにプチトマトを加えたり、ある程度煮込んだ後にいんげん等の緑の野菜を加えると野菜をより多く取ることも出来る。

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本日より、幼稚園から大学まである学校法人自由学園の昼食レシピ本を取り上げる。この学園のユニークなところは沢山あるが、その一つが毎日の昼食を家庭科の授業の一環として生徒達が作ること。

著者は本書の為に自由学園卒業生で結成したユニットで、テレビでも活躍中の足立洋子さん(料理)を始め、中村香さん(写真)、菅原然子さん(ライティング)、小路桃子さん(企画・スタイリング)というメンバー。今後も食に関する活動を続けていかれるようで、楽しみだ。

 

東京には飲食店がたくさんあるけれど、わぁここは美味しい!値段もサービスも見合っていると感じさせるお店に出会える率は、実はそんなに高くない。ここ最近、余裕があれば出来るだけ食べ歩きをしようとがんばり始めたものの、ネットでの口コミはあまりあてにならず残念な結果になることもちょくちょく。リフレッシュするための外食は要るけれど、どこに暮らしていてもやっぱりおうちで作って食べるごはんが一番だなぁとしみじみ感じる。

<ごはん日記>

30冊目『小林カツ代のおべんとう決まった!』から最終回はピーマンと豚肉のくたくたいためべんとう

[30-8]『小林カツ代のおべんとう決まった!』より最終回はピーマンと豚肉のくたくたいためべんとう(p. 40~)

小林カツ代著、講談社発行、 撮影 青砥茂樹、スタイリング 坂井則夫 川崎万里子、アートディレクション 長友啓典、デザイン 加藤茂樹+K2、 1998年4月1日初版発行 2016年6月10日第25刷発行

お見舞いに行き、ペースメーカーの実物を初めて見て、触らせてもらった火曜は3冊続いたお弁当本より最後のおべんとうレシピを再現。

調理時間:10分ほど

主な材料:(主菜 ピーマンと豚肉のくたくたいため) ピーマン、豚肉細切れ、みじん切りしょうが、しょう油、みりん、コショウ (副菜①のり玉巻き) 卵、みりん、淡口醬油、焼き海苔 (副菜②市販の煮豆にひと手間) 市販の甘煮の豆

調理の流れ:(主菜) ピーマンは種をとり、繊維を断つように細切りにする。フライパンにごま油を熱し、豚肉、ピーマン、しょうがをしっかり炒めたら、調味料を加え汁気が無くなるまで炒める。 (副菜①) ほぐした溶き卵に調味料を加え、ごま油を熱したフライパンに流し入れ焼き海苔をのせる。端から巻き上げ、よく焼いた後取り出してそぎ切りにする。 (副菜②) 煮豆とひたひたに水を張った鍋を火にかけ、一煮立ちさせた後はざるに揚げて水気をきる。

出来上がった料理:「肉がメインのおべんとう」より渦巻き卵焼きがアクセントになっているお弁当を再現した。

くたくたになるまで炒めることでクセが飛び、苦手な人でもなるたけ食べやすくなるよう工夫したピーマンと、しょうがの風味のきいた豚肉を主菜として、肉の脂っぽさはゆかりごはんのさっぱりした風味でうまく調和出来ているお弁当。

フライパンで卵焼きを作ったのは初めてだったが、海苔が芯になるので面白いくらいに簡単に巻きあげられる。焼き上がりが多少崩れても熱いうちにラップでしっかり巻けばきれいに形成出来るので、心配しなくとも大丈夫。

オリジナルで加えたのは(煮豆の代わりの甘味として)昨日使ったさつまいもの残りを油で炒め砂糖とお酢を絡めたものと、いつもの春キャベツの塩揉み。今日も小さな空間の中ながらもいろんな食感の野菜をたっぷりと食べる。

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まとめに代えて:お弁当本の3冊目は98年に出版されてから今なお皆に愛され続けている小林カツ代先生のお弁当本を紹介することにした。

小林先生のお弁当作りの8ヶ条は以下の通り。①おべんとうに果物を入れるのは反対。果物で場所を塞ぐ代わりに野菜の副菜を一品増やしましょう。②飾りおかずには問題あり。飾り立てることが愛情を込めたおべんとう作りだと思うのはどこか勘違いしている気がしてなりません。③ソーセージに頼りすぎない。子どもはソーセージが好きだけれども、添加物がたくさん入っているので頼りすぎるのは怖い。④アルミカップをやたらに使わない。間仕切りを使わずにおかずを詰めるよう工夫する。⑤アクセサリー野菜は使わない。レタス、サラダ菜や切ったトマトはパンランチ以外ではNG。使うならプチトマトに限る。⑥アツアツご飯やおかずはすぐにふたをしない。衛生面を考慮して、特に夏は通気性のよいおべんとう箱を。⑦常備菜をあまり作らない。安全でおいしいお弁当のおかずはその日の朝に作るのが安心で原則。⑧ふたを開けたときの状態を考えて詰める。食べる人においしそうと思わせるお弁当は蓋を開けた時が勝負。

画像系SNSや投稿型レシピサイトを見ていると、お弁当にそのおかずは大丈夫なの?という画像やレシピがあって、知識を持たない人が衛生面で問題のあるレシピを真似をする可能性は少なからずあるので怖いさを覚えることがある。ネットに出回っている画像や情報は見栄えがするものが多いし、無料というお手軽さがあるけれど、基本を学ぶにはしっかりと丁寧に作られた料理本が一番。

構成は「肉がメインのおべんとう」でチキンナゲットべんとう、ドライカレーべんとうなどの26品、「魚介類がメインのおべんとう」ゆでざけべんとう、ちくわのチーズフライべんとう等の9品、「卵・大豆製品がメインのおべんとう」オムライスべんとう、精進べんとうなどの6品、「パン・パスタがメインのおべんとう」サーモン&キューカンバーサンドランチ、ソース、焼きスパべんとうなどの11品、「カツ代さんがすすめる便利なおべんとうグッズ」と肉類のレシピがダントツに多く掲載されている。

そして全て2人分でレシピが記されているのは、家族のためにお弁当を作るなら手間は一緒なので、自分用に作ってお昼に食べてみることが推奨されているから。出来立てではなく冷めたお弁当を自分が実際に食べてみて美味しかったこと、改良した方がよい点を知ることでレシピ集をやたらに買い込むよりお弁当作りの腕を上げてくれるという小林カツ代先生の生きたことばが届く。

全てのレシピが出汁要らず、出てくる材料はどこでも買えて野菜室にストック出来る野菜も多いので、お弁当のためにわざわざ買い物に行く手間が省ける。ここでは敢えて記さない、いろんなお弁当作りのコツが載っている優良な料理本で、少ない分量の料理をうまく作る方法などもわかりやすく学べるので一人暮らしを始める人のお料理入門書としてもおすすめ。そうそう、何人かお気づきの方もいらっしゃるだろうけれど、スタイリストはあのマロンちゃん(坂井典夫)という贅沢な本です。発刊から時間が経っているので今風のスタイリングではないものの、出来上がったお弁当の写真がどーんと大きく掲載されているので料理の仕上げの目安となる色めや盛り付けがわかりやすくなっている。

毎日2〜3食をおうちで手作りすることは当たり前のように受け取られがちだけれど実はとてもすごいことで、そこにお弁当作りまで加わると日本人ってすごい!と尊敬の域である。イギリスで何軒かステイさせていただいた先で作ってもらったランチボックスはサンドイッチとポテトチップスの小袋という内容がほとんどで、毎日曜の夜はインスタントスープ、クラッカーとチーズのみと質素な家庭も多い。それぞれの国の文化があるので、どちらがどうとは言えないけれど、日本で暮らしていも今日は作りたくないと感じる時に無理して料理することは無いんだよ。ひとの作った料理を食べることは勉強にもなるし、ときに息抜きすることも必要。どうしても作らなければならないのならおにぎりと温かい汁物で十分だとわたしは思う。

「お弁当は、家を出た家族が遠く離れたところで食べることを考えて作ったものでしょう。持ち運べる『家庭』なのよね。自分のためのお弁当だって、未来の自分への思いやりなの」『ちどり亭にようこそ〜京都の小さなお弁当屋さん』十三湊著、メディアワークス文庫

 <ごはん日記>

30冊目『小林カツ代のおべんとう決まった!』から7回めは小林家の肉丼べんとう

[30-7]『小林カツ代のおべんとう決まった!』より7回めは小林家の肉丼べんとう(p. 10~)

小林カツ代著、講談社発行、 撮影 青砥茂樹、スタイリング 坂井則夫 川崎万里子、アートディレクション 長友啓典、デザイン 加藤茂樹+K2、 1998年4月1日初版発行 2016年6月10日第25刷発行

狭い道を一度で右折出来なかった車がバックし始めたのでバックドアを叩いて後ろに人がいることを知らせ、事なきを得たラッキー?な月曜もお弁当を。

調理時間:15分ほど

主な材料:(主菜 小林家の肉丼・しいたけとピーマンのさっと煮 ) 薄切り牛肉、しょうが薄切り、しょうゆ、みりん、酒、水、しいたけ、ピーマン (副菜①粉ふきさつまいも)  さつまいも、塩など

調理の流れ:(主菜) 鍋に調味料としょうがを入れて煮立て、肉を一枚ずつ広げて煮る。肉を煮た汁が残っている鍋に水を注ぎたし、切り分けたしいたけとピーマンを入れて汁気が無くなるまで煮る。 (副菜) 皮をむいて食べやすい大きさに切ったさつまいもと水を鍋に入れて茹でる。柔らかくなったら茹で汁を捨て、塩をふりフタをして鍋を揺すりながら粉をふかせる。

出来上がった料理:「肉がメインのおべんとう」より量は少なくとも、お肉の存在感があるお弁当を再現した。いかに見た目でも満足させるかの工夫が写真付きで掲載されていて、わかりやすい。お肉の出汁がきいた煮汁で野菜も美味しく調理しましょうというのも一石二鳥で朝時間には嬉しい。

口直しは食物繊維やビタミンを含んでいるさつまいもを粉ふきに仕上げたもの。ほろりと優しい甘味で満腹感も得られる。

ピーマンのしゃっきりした食感と、しいたけ自体の水分が噛むごとに出てきて口のなかで煮汁と混じり合うのも楽しい。主役の冷めても美味しい味付けのお肉と汁がしみたごはんをもりっと食べた後は気分を一転して頑張れそう。(オリジナルで加えたのは塩と砂糖少々で煮たにんじん、塩揉みキャベツに茗荷の甘酢漬け)

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豚肉も鶏肉も好きだけれども、ここぞというときの牛肉の特別感といったら。

日曜、仕事終わりはいつもの音楽友だちに誘われてライブへ。初見のkingonsは彼女のイチオシのバンドで、対バン騒音寺は10年以上前から見てきたこともありライブハウスで古参のファンに会い近況をやりとりする。ライブが始まりみんながそれは楽しそうに踊っている姿をみていると一番好きなバンドを持たなくなった今の自分が照らし出される。もみくちゃになって誰のだかわからないほど汗まみれになっても気にならないし、最初の一音を聴いただけで理性がぶっ飛んで観衆をかきわけステージをめがけて飛び込んでいったり、2時間ぎゅうぎゅう詰めの状態でもこの人たちの音を一秒でも長く聴きたいと思わせてくれるバンドがかつてはあった。もうそんなバンドには巡り会えないだろうなぁ。でもね、あの頃の思い出とそんなバンドに出会えただけで、もうほんとうに満足出来ているからいいんだ、わたしは。

音楽の神さまどうもありがとう。


never young beach - 明るい未来(official video)

FMで聴いて良かったのでyoutubeで観たら、とってもかわいらしいmvで今度音源を買おうと決めたnever young beachの「明るい未来」。

<ごはん日記>

30冊目『小林カツ代のおべんとう決まった!』から6回めはたことオクラのピリ辛べんとう

[30-6]『小林カツ代のおべんとう決まった!』より6回めはタコとオクラのピリ辛べんとう(p.76~)

小林カツ代著、講談社発行、 撮影 青砥茂樹、スタイリング 坂井則夫 川崎万里子、アートディレクション 長友啓典、デザイン 加藤茂樹+K2、 1998年4月1日初版発行 2016年6月10日第25刷発行

うっすら曇りで1日もつかと思わせつつ、ぽつぽつ雨が降ったり、日が射したり二転三転した金曜は魚を使ったお弁当を作る。

調理時間:15分ほど

主な材料:(主菜 たことオクラのピリ辛いため) ゆでだこ、オクラ、ナンプラー、豆板醤、しょう油 (副菜① こんにゃくのおかか煮) こんにゃく、塩、しょう油、削り節  (たらこふりかけ) たらこ、酒など

調理の流れ:(主菜) フライパンにごま油を熱し、乱切りにしたタコの足、ヘタを切り落としたオクラを入れて強火で炒める。油が回ったら調味料を加え、さっと火を入れて味を整える。 (副菜①) スプーンか湯のみの縁でこんにゃくを一口大にし、小鍋でから煎りする。表面がぷりっとしてきたらひたひたになるまでお湯を注ぎ、しょう油を加えて水気が飛ぶまで煮る。仕上げに削り節をまぶす。 (副菜②) 茹でて薄皮を外し、ほぐしたたらこを小鍋にいれ酒をふりかけて炒る。

出来上がった料理:「魚介類がメインのおべんとう」よりたらこのふりかけのピンクが春らしいお弁当を再現した(画像では色が飛んでいるものの、実物は自然で上品な色)

たことオクラのピリ辛いためは、豆板醤を抜けば子どもにも食べられるとキャプションがついているように、ナンプラーとしょう油だけでもとっても美味しい。特有の匂いはあるものの、加熱することと、しょう油を加えることで飛んでしまうし、なによりナンプラーを使えば出汁がなくともしっかり深みが出せるので、お弁当作りには重宝する調味料だ。

こんにゃくの切り口の表面積を広げるために包丁ではなくて、スプーンや湯のみの飲み口を使うことまで写真つきで解説されているのはお料理やお弁当初心者にとって優しいし、箸で取りやすくなると書いてあるのを見て、なるほどと納得も出来る。このこんにゃくのおかか煮は前日から用意出来るし日持ちもするので常備菜とするのも良いだろう。

たらこふりかけの色が好きで作った(笑)お弁当だが、余ればご飯に混ぜ込んでおにぎりにしてもきれいで美味しい。これからの季節、家族用にお弁当を作った後のお昼ごはんとして、余ったたらこふりかけとオクラを輪切りにしてのせた素麺をつるつる食べるのも楽しそう。

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レシピに書いてあるもの以外では、ささっと作れるアスパラのお浸し、大根の中華風浅漬けを加える。お弁当以外ではこのところ野菜が不足しているので何とか調整したく、野菜室の整理も兼ねての副菜。

先日参加してきたお弁当イベントについて少し長めに記す。桜の季節にお弁当のケータリングをされている麻生要一郎さんのお話を聞いて、終わりがけには参加者みんなで車座になってお弁当を食べられるというイベントに参加させてもらってきた。から揚げはこの味付けが今はイチオシという梅酢とお酒に漬けるレシピを習い、これまで生きてきた中での別れや出会い、料理についての考えなどをうかがってから口にしたお弁当は一口ひとくち大切に味わいたくなる優しさが詰まったものだった。(梅酢風味のから揚げは本当にとっても美味しかったので、次回の帰省時か出張料理をする際に登場させる予定)

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お話を聞いているうちに、もしかして数年前にほんの一瞬互いの時間が交差することがあったのかもしれないとふと感じるものがあり、調べてみたらその通りで、ひとと巡り会うことの不思議さに触れる。京都に居た頃よくライブに行っていたうつみようこさんが、初台(東京)にあるカフェと新島の民宿についてネットに記されていて、折しもカフェメニューの発案という課題に取り組んでいる最中だったので、勉強を兼ねて訪ねたのが麻生さんが一時期開いてらしたカフェだったのだ。まさかあの時カウンターに立たれていた料理人のお名前、人生や価値観、今作られているお料理を知る事があろうとは。

「人生いつなにがあるかわからないから、毎食、一緒に美味しく、楽しくね」という彼のことばがしみいる。仕事や都合上時間を気にしながらごはんを食べるときは別として、誰かとごはんを食べる時間は大切に共有できるといいなぁ。(子どもとお年寄りは仕方ないとして)おうちで食卓を囲みながら不機嫌になられたりすると、あぁこの人はよっぽど疲れているのかなぁと思えることもあるし、時々なら大丈夫だけれど、やっぱりとても苦手なので。

たのしい気持ちになれる休日でありますように!

<ごはん日記>