300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

34冊目『31日分の定食カレンダー』から4回めはたこと高野豆腐のおでん定食

[34-4]『ワタナべマキの31日分の定食カレンダー』より4回めはたこと高野豆腐のおでん定食(p.76~)

ワタナベマキ著、株)日本文芸社発行、 アートディレクション・デザイン 鳥沢智沙、 撮影 広瀬貴子、スタイリング 池水陽子、編集 飯村いずみ、 2016年9月20日初版発行

昨日から一転、青空が広がるものの、風がまだ強い木曜は身体のあたたまるおでん定食を。

調理時間:80分ほど

主な材料:[たこと高野豆腐のおでん] ゆでだこ、高野豆腐、干し椎茸、ちくわ、はんぺん、ゆで卵、昆布、酒、塩、しょう油 [ほうれん草と桜えびの和え物] ほうれん草、桜えび、塩、ごま油など

調理の流れ:[おでん] 干し椎茸はたっぷりの水で一晩戻し、そぎ切りにする。(戻し汁は調理に使うのでとっておく) 高野豆腐はもみ洗いした後、戻してから4等分に切る。タコは食べやすい大きさに、ちくわは2等分、はんぺんは4等分に切る。大きめの鍋にしいたけの戻し汁、具材を入れてあくを取りながら煮る。小一時間後に調味料を加えさらに煮る。 [和え物] ほうれん草は塩ゆでした後食べやすい長さに切る。桜えびはフライパンでから煎りしてからすり鉢などで細かくつぶし、塩を混ぜる。ほうれん草、桜えび、ごま油を加え混ぜる。

出来上がった料理:冬に暖房のきいた部屋で食べるアイスクリームのように、涼しい室内で夏に食べるおでんもよいもの。

このレシピは干し椎茸とたこの旨味をきかせた出汁が特徴で、奥行きはあるもののさっぱりと食べられる。レシピ以外に厚めに切った大根も加えて煮込んだが、いつも作る出汁ベースのおでんに比べると干し椎茸の戻し汁のちからでタコ独特のくせがまるく収まり、とても上品なお味になっている。これは面白いなぁ。京都の実家では具材に入らないはんぺんがふるふると色っぽくて、美味しくて、次回からおでんに必ず入れよう。

箸休めの和え物は、乾物ではなく旬の生の桜えびを使ったため、細かく潰す作業は省いた。ごま油が桜えびの香りと旨味を全体に行き渡らせていて、この一品だけで日本酒がぐんとすすむ美味しさ。ほうれん草の和えものを作る際、海産物ではおじゃこや海苔と和えることが多いが、これからは桜えびも定番として加えよう。 f:id:mutsuki:201706okot

本書の出来上がり写真にはごはんが添えてあるが、お酒を飲むようになってからは、おでんに白米は合わせなくなったので今回も抜き。

 

毎月一度は集まって飲んでいる音楽仲間の海外出張とバッティングしたために、まわってきたチケットで恵比寿liquid roomで開催されたX'mas Eileenという覆面系ロックバンドのライヴに行ってきた。久しぶりの大音響(といっても終演後耳がきーんとなるほどではない)、ロックだけではなくていろいろな要素の詰まった楽曲とツインボーカルにパフォーマーの存在が特徴的。自分でチケットをおさえて行くタイプの音楽(バンド)ではないので、ごくごくゆるやかに楽しむ。

夏フェスが終われば、ライヴ行きはしばらく封印。自分でチケットを手配してなんとしても行くんだと思わせるバンドが無いので、その分の時間とお金は別のことにあてよう。


Xmas Eileen - Keep on A・B・C・ing (OFFICIAL VIDEO)

<ごはん日記>

34冊目『31日分の定食カレンダー』から3回めは豚肉とピーマンの五香粉炒め定食

[34-3]『ワタナべマキの31日分の定食カレンダー』より3回めは豚肉とピーマンの五香粉炒め定食(p.18~)

ワタナベマキ著、株)日本文芸社発行、 アートディレクション・デザイン 鳥沢智沙、 撮影 広瀬貴子、スタイリング 池水陽子、編集 飯村いずみ、 2016年9月20日初版発行

夏至だというのに、雨と横風がすごくて1年以上使っていた透明の傘がおしゃかになった水曜はアジアン定食を。

調理時間:20分強

主な材料:[主菜:豚肉とピーマンの五香粉炒め] 薄切り豚もも肉、ピーマン、ねぎ、千切りしょうが、紹興酒、五香粉、しょう油、塩 [汁物:高野豆腐と根菜のけんちん汁] 高野豆腐、ごぼう、大根、にんじん、小口切り万能ねぎ、ごま油、酒、だし汁、味噌など

調理の流れ: [汁物] 高野豆腐はもみ洗いした後ぬるま湯で戻し、水気を絞った後1cm角に切る。根菜はそれぞれ食べやすい大きさに切る。ごま油を入れた鍋を熱し、まずはごぼうが香りたつまで炒め、大根、にんじんを加え、全体に油が回ったら高野豆腐を加えてさっと炒める。酒、だし汁を加えてしばらく煮る(※この間に炒め物を作る)火を止めて味噌を溶き入れ、一煮立ちさせ、万能ねぎをちらす。 [主菜] 豚肉とピーマンは細切りに、ねぎは斜めに薄く切り、調味料を合わせておく。フライパンにごま油、しょうが、ねぎを入れて香りが出るまで加熱したら豚肉を加え、色が変わるまで炒めた後ピーマンを加え、さっと炒めあわせる。合わせ調味料を入れ、火にかけながらぱぱっと混ぜ合わせる。

出来上がった料理:雨風のあまりの強さに、買い物に出かけたくない日には豚肉の(冷凍)ストックさえあれば、野菜室にあるもので出来上がる定食。その他、五香粉はどこの家にでもある調味料ではないので、無ければ具沢山のラー油、XO醤、山椒やカレー粉などスパイスの香りが立つもので代用すれば良いと思う。わたしは唐揚げを食べる時に塩と五香粉を混ぜたものにつけて食べたり、中華風の煮卵やピクルスを作る時に使うため常備しているが。

チンジャオロースーを作るよりも(懐に)やさしく出来て、スパイスの香りが豊かな炒め物は、豚肉特有のあま味と程よい脂っぽさにピーマンのしゃきっとした歯ごたえも楽しくて、ビールにもぴったり。平日の夕食ならこれくらいの肩肘のはらない美味しさ、つまりあまりに美味しすぎてお酒が止まらない!ではなく、一日を振り返りながらお酒を程よく飲める主菜があればそれで、それが良い。

主菜にあわせるのはとりどりの根菜の旨味がほっこりさせるけんちん汁。大根の代わりは蕪で十分勤まるが、牛蒡の(よい意味で)荒々しい香りと風味は美味しさの秘訣なので欠かさずに入れて欲しい。煮込んだ根菜がだし汁に深みをもたせ、味噌で全体をきりっとまとめあげるのだが、大きめのサイコロ大に切った高野豆腐は味噌の味に染まり切らず、噛むと口のなかにじんわりと流れ出るだし汁がしあわせな気持ちにさせてくれる美味しさ。

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ふつうの定食屋さんで、炒め物にあわせる汁物はここまで具沢山には出来ないので、おうちごはんならではの贅沢。高野豆腐の魅力にも迫れる献立になっている。

 

うっかり布製のソファーカバーに赤ワインをこぼしてしまい、キャーと叫びながら濡れフキンと塩を片手にひとり騒がしい夕餉となった。数秒間、ポリフェノールとタンニンをたっぷり含んだ赤ワインのボトルを睨んだものの、グラスから飛び出るほどの勢いでワインを注いだわたしがもちろん悪いんだと反省。

<ごはん日記>

 

34冊目『31日分の定食カレンダー』から2回めは鯛とオリーブの炊き込みごはん定食

[34-2]『ワタナべマキの31日分の定食カレンダー』より2回めは鯛とオリーブの炊き込みごはん定食(p.16~)

ワタナベマキ著、株)日本文芸社発行、 アートディレクション、デザイン 鳥沢智沙、 撮影 広瀬貴子、スタイリング 池水陽子、編集 飯村いずみ、 2016年9月20日初版発行

このところ少しばかり肌寒い日が続いていたが、夏らしさが増してきた火曜は魚を使った定食を。

調理時間:50分ほど(お米の浸水時間も含め)

主な材料:[主菜:鯛とオリーブの炊き込みごはん] 米、鯛、グリーンオリーブ、だし汁、白ワイン、オリーブ油、塩 [汁物:ミネストローネ] 玉ねぎ、にんじん、トマト、さやいんげん、茹で大豆、薄切りにんにく、白ワインなど

調理の流れ:[炊き込みごはん] 鯛に塩をふってしばらく置き、水気を拭う。洗った米はざるにあげて10分おく。鍋にお米、調味料を加え混ぜ、鯛、オリーブをのせて炊く。蒸らし終わったら、鯛の骨を取りのぞき、全体をさっくり混ぜ、黒こしょうを挽く。 [ミネストローネ] 大豆以外の野菜は1cm大に切る。鍋にオリーブ油、にんにくをいれて香りがたつまで加熱し、玉ねぎ、にんじん、いんげんを加えてしんなりするまで炒めたら、トマト、大豆、白ワイン、水を入れ、蓋をして煮込む。塩こしょうで味を整える。

出来上がった料理:初回は4品で食卓がにぎやかだったが、今回は鯛を使った贅沢な炊き込みご飯に野菜の彩りがきれいなミネストローネの2品の献立。

鯛の切り身、大豆(水煮)とグリーンオリーブさえ買えば、後は普段ストックしていることの多い野菜を使って作れるごはん。まずは、だし汁、白ワインを加え、鯛、オリーブから出る旨味をまとったごはんは、炊いている間に漂う香りから幸せをもたらしてくれる。オリーブの程よい酸味と鯛にお米の甘さが絶品で、包丁を使うことも無く、手間のかからない料理なので友人との気取らないおうち飲み会でもきっと活躍するだろう。うん。これは美味しい。

旨味たっぷりの炊き込み御飯に添えるのは、野菜がゴロゴロ入ったミネストローネ。トマトのおいしい季節なので大きいトマトを使うと良質の酸味と甘味の両方を楽しめる。トマトは一年中手に入れられるが、旬の季節以外は味にばらつきがあるので、ミニトマトとトマトジュース(食塩不使用)を混ぜて使うと味を安定させることが出来る。

炊き込みご飯の色が地味め(笑)なので、白、緑の野菜が入った赤いスープを添えると一気に華やかになる。彩りはやはり大切。

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野菜室にレタスやベビーリーフがあるなら、手でパリぱりっとちぎってごく簡単なサラダを作れば、冷菜として箸休めにもなるし、栄養もさらに摂れる。野菜がなくとも美味しいオリーブ油があるなら、絹ごし豆腐にオリーブ油をたらり、よい粗塩をぱらりとふりかけるだけの冷や奴を添えてもきっとあう。

 

体調を崩していた時に、寝床で時々寝落ちしながらもページをめくるのがもどかしい程にスピード感があって、面白く読めたのが『プリズン・ガール』(LS・ホーカー著、村井智之訳、ハーパーBooks刊)。あれ?と疑問に思える部分もあるのだが、これから暑くなって寝苦しくなる季節におすすめのパワフルな物語。 

プリズン・ガール (ハーパーBOOKS)

プリズン・ガール (ハーパーBOOKS)

 

<ごはん日記>

34冊目『31日分の定食カレンダー』から初回は鶏肉の香味蒸し定食

[34-1]『ワタナべマキの31日分の定食カレンダー』より初回は鶏肉の香味蒸し定食(p.12~)

ワタナベマキ著、株)日本文芸社発行、 アートディレクション、デザイン 鳥沢智沙、 撮影 広瀬貴子、スタイリング 池水陽子、編集 飯村いずみ、 2016年9月20日初版発行

京都に戻っていたり、macの調子が悪かったりその他が積み重なって更新が滞っていたが、今週よりワタナベマキさんの著書を取り上げる。

調理時間:30分以内

主な材料:[主菜 鶏肉の香味蒸し] 鶏もも肉、三つ葉、みょうが、薄切りしょうが、しょう油,酢、ごま油、白いりごま [副菜① れんこんの白あえ] 絹ごし豆腐、れんこん(またはさやいんげん、アスパラ)酢、白ねりごま、白いりごま、しょう油 [副菜② わかめとトマトの酢の物] 塩蔵わかめ、トマト、千切りしょうが、酢、砂糖、しょう油  [副菜③ かぼちゃと青じそのみそ汁]  かぼちゃ、青じそ、だし汁、味噌など

調理の流れ: [副菜① れんこんの白あえ] 豆腐は水切り。酢を加えた熱湯にれんこんをいれて1分強茹でたら、水気を切る。(さやいんげん、アスパラの場合は固めに塩ゆで)豆腐と調味料をあわせてなめらかになるまで混ぜ、冷蔵庫に入れておく。食べる直前に取り出し、野菜と和える。 [副菜② わかめとトマトの酢の物] わかめは水で戻し、食べやすい長さに切り、トマトは2cmの角切りにする。合わせ調味料、しょうが、わかめとトマトを和え冷蔵庫に入れておく。 [主菜 鶏肉の香味蒸し] 三つ葉はざく切りに、茗荷は千切りにし、鶏肉は脂と側を取り除き、皮のついていなかった側に隠し包丁を入れる。耐熱皿に鶏肉の皮がついていた面を下にして置き、酒、塩をふりしょうがをのせ、蒸し器で蒸す。(※この間にみそ汁の準備し始める)鶏肉に火が通ったら食べやすい大きさに切り、みつば、茗荷をのせ、合わせ調味料をかける。[副菜③ かぼちゃと青じそのみそ汁] 青じそは千切り。鍋にだし汁、3cm角に切ったかぼちゃを入れて火に書け、柔らかくなるまで煮る。いったん火を止め味噌を溶き入れ、再びさっと火を入れてから青じそを加える。

出来上がった料理:毎日2〜3食のご飯を作る人にとって、悩ましいのは1日のメインの食事の献立作り。今回はマンネリ化しやすい献立の組み立て方を学べる本を取り上げる。

夏になると風味がぐんと豊かになる香味野菜をたっぷりあしらった鶏肉の蒸し物が主菜で、お好みによって茗荷や三つ葉の量を増やしたり、青ネギを加えてみたりアレンジしても美味。蒸すことで、あっさり、ふっくら仕上がった鶏肉は野菜がつんと香り立ち、隠し味のお酢でさっぱり食べられる。

そんな主菜に合わせるのはごまとお豆腐のほんのりしたあま味がうれしい白和え。歯応えが残るように茹でた野菜は白和えの衣をまとうことで、そのもののお味をより強く感じることが出来る。甘酢としょうがであえたわかめの歯応えが絶妙な酢の物は、これからぐったり暑さに疲れた時に口にすると、しゃきっとなれる美味しさ。かぼちゃのほくほくした甘味がダイレクトに伝わってくるおみそ汁は青じその香りがアクセントで、気温が高くても、あたたかな汁物ってやっぱり美味しいなぁと感じさせてくれる。

初回で要領を掴むのに手間取り、時間はかかったものの、それを充分に補える満足度の高い献立となっている。

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一食でこれだけのお野菜が甘かったり、酸っぱかったり色々な味付けで食べられて、身体もこころも満ち足りる定食だなぁ。

香味蒸しに使うお野菜は、野崎さんのように青じそ、かいわれ菜等取り混ぜてストックしておくと、麺類や揚げ物のつけ添えにさっと使えて、これからの季節は本当に便利。

www.lettuceclub.net

 

 ※只今スマートフォンで記しているため、出来ることに限りがあり、読みにくい箇所があるかもしれません。ごめんなさい。Macの機嫌をうかがいつつ(笑)近日中に加筆修正します。

<ごはん日記>

33冊目『食べ方帖』から最終回は豆とパプリカのカレー

[33-7]『食べ方帖』より最終回は豆とパプリカのカレー(p.45~)

長尾智子著、文化出版局発行、 アートディレクション、デザイン 茂木隆行、 撮影 赤尾昌則、鈴木正美、編集 大谷道子、田中薫、 2017年3月26日初版発行

今週もやってきた金曜日。密閉容器で冷蔵保存すると2週間は保つカレーの素を使った料理を。

調理時間:40分ほど(カレーの素が出来ているとして)

主な材料:緑豆、パプリカ、カレーの素、ココナッツパウダー、塩など

調理の流れ:鍋にお湯を沸かし、水洗いした緑豆を茹で、豆はざるにあげ、茹で汁は別容器に取っておく。油をひいたフライパンに小さめの角切りにしたパプリカ、緑豆に塩少々を加えてパプリカが柔らかくなるまで炒められたら緑豆の茹で汁を加えて煮る。カレーの素と水で溶いたココナッツパウダーを加えて、お好みの濃度まで煮る。

出来上がった料理:「4; 毎日の「お助けの素」」より、冷蔵庫にあると安心のカレーの素を使った料理を再現した。

入手しにくい材料その①は緑豆(ムング豆)だが、レンズ豆、ひよこ豆(水煮)やインゲン豆(水煮)でも美味しいだろう。その②がココナッツパウダー(細引き)で、エスニック料理ブームのときはスーパーでもよく見かけたが、最近は製菓材料店や輸入食品店に行かねば購入できない食材になりつつある。同じ味にはならないだろうが、ココナッツミルク(液体)を少し加えることで代用できる。ココナッツはカレーに加えることで特有のコクが出るので、省かずに作るほうが良いだろう。

今回、レシピの詳細は省くが、「カレーの素」がストックしてあれば、トマトベースの煮込み料理が余った時に加えてカレーにしてみたり、炒め物や、スパイシーなカレーうどんもすぐに作れてとっても便利。

前置きが長くなったが肝心のカレーについて。ターメリックライスを炊いていたが、シナモンの香り漂うマイルドなカレーの具材として煮込んだ緑豆がごはんがわりになり、十分に満足できる美味しさだったので、下のような盛り付けとなった。今回はぱりぱりにやいた鶏肉を添えたが、野菜だけでも幸せな満腹感を得られるので、女性や健康に気遣う男性にとっても嬉しい限りのカレーだ。

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豆とパプリカのカレーに添えたのは前述の鶏肉のぱりぱり焼き、トマトサラダ(p.54)、紫キャベツの酢漬け。

まとめに代えて:前書きで書かれている長尾先生の養生訓は・一日一穀(一度はお米を食べる)、・一日二汁(二度は汁物を食べる)、・一日三茶(朝昼晩とお茶を入れる)、・一日五厨(度々台所に向かう)、・一日七考(なにかと工夫する)、・一日八憩(まめに休息する)、・一日十菜(多くの野菜を食べる)、・一日百笑(なるべく機嫌よくする)、・一日千想(空見て想いをはせる)、・一日万歩(急がずてくてくと歩く)、・一日養生(体調と相談しながら過ごす)、・一日手入(道具も自分も手入れする)、・一日清々(さっぱり清々と暮らす)、・一日一菓(一つお菓子を食べる)で、ここを基礎として掲載されて料理が考えられている。先生を参考にしながら、自分の養生訓について考え、作ることで、日々の過ごし方が変わってくるかもしれない。最初は小さなことかもしれないが、続けていくことで大きな変化に繋がることは多いもの。

本書の構成は「1; いたわりたい日のスープ食」でポタージュ、おかゆ、スープなど9品。「2; 楽しいご飯炊き」でおむすび、雑炊、炊きおこわなど7品。「3; 漬物あれこれ」でピクルス、だししょうゆ漬け、酢漬けなどの7品。「4; 毎日の「お助けの素」」で、茹で鶏肉や、野菜の瓶詰め、スープの素など。「5; 野菜のひと皿」ではアソートサラダや炒め煮なますなど9品。「6; 自前の調味料で」ではレモンバター、スイートチリソース、アジアソースなど6品。「7; パン粉百珍」で、ふりかけやパン粉焼き、パン粉ガレットなど。「8; 煮込み料理はすべて「肉じゃが」である」にはラムじゃが煮込み、挽き肉と野菜のラグーなど7品。「9; オーブン、トースター、フライパンまかせ」ではとうもろこしの丸焼きインド風、すもものオーブンコンポートなど10品。その他「10; ほっとする飲み物があれば」や「11; 気楽にお食後作り」など飲み物や甘い物の章もある。

なかには入手しにくい材料もあるが、それは何のために使われるのか目的を考えながら、代用品を探るのも料理を上達させるための一歩。料理の組み立てたや、細かなアドバイスも記されているので、まずはさっと全体に目を通してみよう。なぜこの順番にレシピが紹介されているのか、流れを通じて、作って食べてみたいと思える料理にすうっと出会えるだろうから。

調味料は最低限のものしか使われていないので、味見をして足りなければ例えばナンプラーやしょう油を加えて加減することも大切。これまで何度か書いてきたが、住んでいる土地の好みや手に入る野菜などの素材によって料理は変わるもの。レシピ通り作っても味が、常にびしっと決まるなんてことは無い。出来上がりを口にして、あれ?と首を傾げたなら、何が原因だったか点検して、もう一度挑戦することの楽しさを教えてくれる本でもある。料理のレパートリーを増やしたい中級者以上におすすめ。

 

これから紹介したい本が決まっているにも関わらず、来週頭の数日間は諸事情につきblogを記せません。悪しからず。

わたし自身もそうなのだけれど、夏風邪をひいている人が多くなってきた。(昨夜一緒に飲んでいた友人には、すごい声になっていると驚かれた(笑)) ゆっくり休めるひとはのんびりした週末を。働くひとは、なるたけ機嫌良くすごせますように。すてきな休日を。

<ごはん日記>