300と数十日の食卓

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34冊目『31日分の定食カレンダー』から3回めは豚肉とピーマンの五香粉炒め定食

[34-3]『ワタナべマキの31日分の定食カレンダー』より3回めは豚肉とピーマンの五香粉炒め定食(p.18~)

ワタナベマキ著、株)日本文芸社発行、 アートディレクション・デザイン 鳥沢智沙、 撮影 広瀬貴子、スタイリング 池水陽子、編集 飯村いずみ、 2016年9月20日初版発行

夏至だというのに、雨と横風がすごくて1年以上使っていた透明の傘がおしゃかになった水曜はアジアン定食を。

調理時間:20分強

主な材料:[主菜:豚肉とピーマンの五香粉炒め] 薄切り豚もも肉、ピーマン、ねぎ、千切りしょうが、紹興酒、五香粉、しょう油、塩 [汁物:高野豆腐と根菜のけんちん汁] 高野豆腐、ごぼう、大根、にんじん、小口切り万能ねぎ、ごま油、酒、だし汁、味噌など

調理の流れ: [汁物] 高野豆腐はもみ洗いした後ぬるま湯で戻し、水気を絞った後1cm角に切る。根菜はそれぞれ食べやすい大きさに切る。ごま油を入れた鍋を熱し、まずはごぼうが香りたつまで炒め、大根、にんじんを加え、全体に油が回ったら高野豆腐を加えてさっと炒める。酒、だし汁を加えてしばらく煮る(※この間に炒め物を作る)火を止めて味噌を溶き入れ、一煮立ちさせ、万能ねぎをちらす。 [主菜] 豚肉とピーマンは細切りに、ねぎは斜めに薄く切り、調味料を合わせておく。フライパンにごま油、しょうが、ねぎを入れて香りが出るまで加熱したら豚肉を加え、色が変わるまで炒めた後ピーマンを加え、さっと炒めあわせる。合わせ調味料を入れ、火にかけながらぱぱっと混ぜ合わせる。

出来上がった料理:雨風のあまりの強さに、買い物に出かけたくない日には豚肉の(冷凍)ストックさえあれば、野菜室にあるもので出来上がる定食。その他、五香粉はどこの家にでもある調味料ではないので、無ければ具沢山のラー油、XO醤、山椒やカレー粉などスパイスの香りが立つもので代用すれば良いと思う。わたしは唐揚げを食べる時に塩と五香粉を混ぜたものにつけて食べたり、中華風の煮卵やピクルスを作る時に使うため常備しているが。

チンジャオロースーを作るよりも(懐に)やさしく出来て、スパイスの香りが豊かな炒め物は、豚肉特有のあま味と程よい脂っぽさにピーマンのしゃきっとした歯ごたえも楽しくて、ビールにもぴったり。平日の夕食ならこれくらいの肩肘のはらない美味しさ、つまりあまりに美味しすぎてお酒が止まらない!ではなく、一日を振り返りながらお酒を程よく飲める主菜があればそれで、それが良い。

主菜にあわせるのはとりどりの根菜の旨味がほっこりさせるけんちん汁。大根の代わりは蕪で十分勤まるが、牛蒡の(よい意味で)荒々しい香りと風味は美味しさの秘訣なので欠かさずに入れて欲しい。煮込んだ根菜がだし汁に深みをもたせ、味噌で全体をきりっとまとめあげるのだが、大きめのサイコロ大に切った高野豆腐は味噌の味に染まり切らず、噛むと口のなかにじんわりと流れ出るだし汁がしあわせな気持ちにさせてくれる美味しさ。

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ふつうの定食屋さんで、炒め物にあわせる汁物はここまで具沢山には出来ないので、おうちごはんならではの贅沢。高野豆腐の魅力にも迫れる献立になっている。

 

うっかり布製のソファーカバーに赤ワインをこぼしてしまい、キャーと叫びながら濡れフキンと塩を片手にひとり騒がしい夕餉となった。数秒間、ポリフェノールとタンニンをたっぷり含んだ赤ワインのボトルを睨んだものの、グラスから飛び出るほどの勢いでワインを注いだわたしがもちろん悪いんだと反省。

<ごはん日記>