300と数十日の食卓

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37冊目『旨い!家カレー』、『まいにちカレー』から最終回はチキンティッカマサラ

[37-7]『旨い!家カレー』、『まいにちカレー』より最終回はチキンティッカマサラ(毎日〜p.16~)

1:『旨い!家カレー』小宮山雄飛著、 朝日新聞出版発行、ブックデザイン 渋澤弾、撮影 東川哲也、料理協力/フードコーディネート 里見陽子、編集 内山美加子、 2016年6月30日初版発行

2:『まいにちカレー』小宮山雄飛著、株)主婦と生活社発行、撮影 寺澤太郎、スタイリング 中里真理子、編集 吉川亜香子、 2017年6月19日初版発行

 まだどこかにいる筈の夏を探しに出かけねば!と思わせる涼やかな月曜は乳製品を取り混ぜたマイルドなカレーを。

調理時間:30分以内(鶏肉をマリネする時間を除き)

主な材料:鶏胸肉、プレーンヨーグルト、玉ねぎ、にんにく、しょうが、バター、トマト水煮、クミンパウダー、ターメリックパウダー、コリアンダーパウダー、ガラムマサラ、砂糖、生クリーム、パクチーなど。

調理の流れ:鶏肉は皮を外し、一口大に切ってマリネ液に浸し冷蔵庫で1時間以上漬ける。玉ねぎはみじん切り、にんにくと生姜はすりおろす。バターを溶かしたフライパンに鶏肉を入れ両面に焼き色がつくまで焼き、一旦取り出す(マリネ液は取っておく)。同じフライパンに玉ねぎ、塩少々を入れ色づくまでよく炒めた後、にんにくと生姜を加え混ぜ更に炒める。トマトの水煮を手で崩しながら加え、ねっとりとペースト状になるまで炒めたらパウダースパイスを加え香りが立つまで炒める。マリネ液、塩、砂糖と鶏肉に水少々を加えてしばらく煮込む。器に盛り生クリーム、刻んだパクチーを散らす。

出来上がった料理:「第1章:まいにちカレー」よりヨーグルト、バター、生クリームと乳製品をたっぷり使った濃厚なイギリス風カレーを再現した。まったりとマイルドな味の奥にスパイスの香りが漂う本格派だが、難しい作業も無く初心者も作りやすいレシピになっている。

骨つき鶏肉をタンドリー釜で焼いたものがタンドリーチキン。骨無し版がチキンティッカで、トマトベースのソースで煮込むとチキンティッカ・マサラとなる。1960~70年ごろにイギリスで偶発的に生み出された人気英国料理。現在は事情が異なっているだろうが、以前はイギリスに旅に出たなら食すべきは中華かインド料理と言われたほどに、インド料理店は数あるし質も高い。

トマトと玉ねぎの甘みはさらりとしていながらも、乳製品に負けず劣らずしっかり主張をしており、とても美味しい。美味しいのだけれど、これはカレー?インド風イギリス料理?あれ何?と考えさせられる。『旨い!家カレー』末尾にも記されているが、日本でいわゆる"カレー"と認識されているのは、⑴インドカレー、⑵欧風カレー、⑶タイカレー、⑷日本風カレーだが、そもそもインドにはカレーという言葉自体があらず、欧風カレーは日本人が作り出したもので、タイカレーはスープの範疇。では我々がカレーと認めるものは一体何なのか?カレーに定義は無いんだというのが小宮山さんの答え。

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ご飯を鍋で炊く気力がなかったので、簡単に出来るナンを添えた。

 

まとめに代えて:今回はこれまでと毛色が異なりミュージシャンのレシピ本を取り上げた。一冊め『旨い!家カレー』が出版されて一年後に二冊目『まいにちカレー』が異なる出版社より発売。一冊めが第四回料理レシピ本大賞の専門料理部門にノミネートされたとなると、俄然作ってみたくなったという訳。

まず一冊めから紹介すると、「料理のプロではないけれど、料理することの<楽しさ>だったら伝えることは出来るんだ」という小宮山さんのことばから始まるスパイスカレーの入門書。カレー料理を作る基本の6つの道具として、フライパン、鍋からすりおろし器。あると便利なものにはミルグラインダー、ミキサー、フードプロセッサーが挙げられている。第1章 1番目の料理は基本のチキンカレーで全ての材料の写真から出来上がりまでの15工程が大きめの写真付きで簡潔にわかりやすい文章でまとめられている。

「2章 簡単、手軽に!カレー粉でつくる」では市販のカレー粉6種類、オリジナルカレー粉の配合から男性が好みそうなポークジンジャーカレー、ベーコンエッグキャベツカレーや定番ビーフカレーといった17個のレシピが掲載されている。「第3章 香り、旨さに唸る、本格派!スパイスでつくる」では基本の4種のスパイスの紹介とオリジナルガラムマサラの作り方から始まり、バターチキンカレー、男のドライカレー、ポークビンダルーなど定番のレシピ12個とキャベツのアチャール、ミックスライタやハリッサといった副菜4つのレシピが記されている。

出版社を主婦と生活社に変え、写真やスタイリングにより力の入った2冊目の『まいにちカレー』、「第1章 まいにちカレー」ではNHK Eテレ「趣味の園芸 やさいの時間」で取り上げられたものも含めて12のレシピで、小松菜&ほうれん草のサグチキンカレー、トリプルオニオンカレーやタイ風味噌カレーなどが記されている。「第2章 まいにちカレー七変化」ではカレー肉豆腐、天津飯風さと芋のそぼろあんカレー、絶品!シーフードスパなど16のレシピが載っている。「第3章 まいにちカレーにぴったりな副菜」ではマッシュポテト、しょうが味噌、カレーカリフラワーなど10品が紹介されている。

1年間に200食のカレーを作る小宮山さんならではの経験に基づいて作られた本。料理学校などに通うと、ここは出来て当たり前だろう、知ってて当然だと、すっ飛ばしてしまうプロセスが書かれていたり、疑問に答えられているので、2冊ともにスパイス料理の入門としてとてもオススメ。素材の取り合わせ方にもアーティストらしさが現れていて、面白いんだなぁ。

全て作った訳では無いが一押しはカレー味豚キムチ丼(家カレー)、なす豚カレー炒め(まいにちカレー)にカレーsoba(まいにちカレー)。副菜の福神漬けも◎。

 

 

週末久しぶりにあった叔父に、開口一番「太ったんじゃ無い?」と問われ、しばし絶句の後笑い飛ばす。このひと月、複数名の男性より指摘され続けたのでそんなことばにも慣れ、かつ少し体重が落ちている(気がした)ので油断していた。いいんだ。いいんだ。こうなったら10-feetの"DAVE ROAD"(デブへの道)をテーマ曲にして今の自分を楽しむ(笑)

 

 Foot ! Toe ! Tail ! (太っている)

 I just wanna say “we must go now.” 呑んだ後のNoodle


10-FEET - DAVE ROAD

<ごはん日記>