300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

29冊目『有元葉子の「和」のお弁当』から3回めは豚肉巻ききんぴら弁当

[29-3]『有元葉子の「和」のお弁当』より3回めは豚肉巻ききんぴら弁当(p.22~)

 有元葉子著、東京書籍(株)発行、 撮影 今清水隆宏、スタイリング 千葉美枝子、アートディレクション 昭原修三、デザイン 植田光子、  2013年9月10日初版発行

気温が一気にあがって、日中はシャツ一枚で過ごせるお花見好適日の水曜は、なんとなくうきうきするお弁当を作る。

調理時間:10分ほど(前夜の下準備が整っているとして)

主な材料:(主菜 豚肉巻ききんぴら)しゃぶしゃぶ用豚肉、ごぼう(千切り)、にんじん(千切り)、酒、しょう油 (副菜1 菜の花のごま浸し)菜の花、しょう油、白炒りごま (副菜2 ひじきご飯)長ひじき、酒、みりん、しょう油、白炒りごま (甘味 煮りんご)りんご(皮付きのままくし切り)、レモンの絞り汁、砂糖など

調理の流れ:下準備(主菜)千切りにしたごぼう、にんじんは茹でて水気を切り、豚肉で巻く。(副菜1) 塩を加えた熱湯で菜の花を茹でて水気を切る。 (副菜2) 水につけてもどしたひじきは水気をきり、ごま油を熱したフライパンでさっと炒めた後、調味料を加えて汁気が無くなるまで煮る。 (甘味) 鍋にりんご、レモンの絞り汁、砂糖を入れ置き、リンゴから水気が出てきたらふつふつと汁気が無くなるまで煮る。

当日(主菜) ごま油を入れ熱したフライパンに豚肉巻きを入れ、焼き色がつくまで炒めたら調味料を加え汁気が無くなるまで炒める。 (副菜1) 菜の花にしょうゆをさっと浸した後絞り、ごまをふる。 (副菜2) ひじきを食べやすい長さに切りごはんと混ぜ合わせる。お弁当に盛り付け上からごまをふりかける。 

出来上がった料理:「第1章 毎日のお弁当」より、格別な手間はかかっていないのに、特別感が出る肉巻きが主体のお弁当を再現した。

根菜を細い千切りにして予め茹でることで、朝に炒める際の時間が短縮されるし、食べてみたら半生だったという悲しいアクシデントも避けられる。今は旬なので菜の花を使えるが、例えばブロッコリーや小松菜等の青菜で代用すれば良い。

これまで再現したお弁当のレシピでは、いちごやマスカットといったフルーツを入れるよう記されていたが、そのためだけに果物を買うのも気が引けたので読み飛ばしていた。今回は作り置き出来るリンゴの煮物だったのでお弁当に加えてみたところ、食後に甘いものを口にするとお腹も気持ちもほっと満足出来ることを実感できたから、たまに果物をお弁当に入れることにしよう。

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紫や赤という色味の野菜を加えるとお弁当がスタイリッシュになるが、量さえ間違えなければ黒(今回はひじき)も色目が引き締まってよいものだなぁ。

先日胃腸炎で倒れる前の予兆として、散歩中に豪快に素っ転び気に入っていたジーンズに穴をあけてしまったので、新しいものを買いに出かけた。ジーンズは(ほぼ)ボタンフライしか履かないので今はなきgreenの時代から好きだったhykeを愛用しているのだけれど、お店にサイズが無いこと、最近はジッパーフライしか生産していないことを知り、悲しくなって何も買わずに帰ってきた。greenに出会う前は大阪のジーンズ専門店やdieselのメンズのボタンフライを買っていたがいまの主流はジッパーフライになったようでほんとうに残念。

ところでジーンズのサイズとしてのインチ表記だが、男女それぞれをcmにするとこうなる。

おおよその目安としてウエストまわりは男性26inch=66cm、女性26inch=56cm。男性27inch=68cm、女性27inch=58cmと、ヒップなどの体型の違いによりサイズ各に10cmの違いが生まれる(細かな数字はブランドにもよるが)ジーンズを買うときにはご注意あれ。

<ごはん日記>

29冊目『有元葉子の「和」のお弁当』から2回めはさわらのカレー粉焼き弁当

[29-2]『有元葉子の「和」のお弁当』より2回めはさわらのカレー粉焼き弁当(p.40~)

 有元葉子著、東京書籍(株)発行、 撮影 今清水隆宏、スタイリング 千葉美枝子、アートディレクション 昭原修三、デザイン 植田光子、  2013年9月10日初版発行

朝目が覚めたら外はいきなり春になっていた火曜日。魚偏に春とかくサワラを使ったお弁当を食べる。

調理時間:10分ほど(前夜に下準備が整っていることとして)

主な材料:(主菜)さわら、カレー粉、じゃがいも (副菜1)青菜、セロリ、ベーコン (副菜2)大豆、みそ、みりんなど

調理の流れ:下準備(主菜)食べやすい大きさにきった鰆に塩、カレー粉をまぶす。じゃがいもは切っておく。(副菜1)青菜は食べやすい大きさに、セロリは薄切り、ベーコンは3~4等分に切る。(副菜2)大豆は水でもどし、水気をきったあとフライパンでよく炒めた後、みそとみりんを加えて炒める。

当日(主菜)オリーヴオイルを馴染ませたフライパンで色づくまで鰆を焼いている間に、空きスペースでジャガイモを両面焼く。(副菜1)油を入れたフライパンでベーコンから脂が出てくるまで炒めたら、青菜、セロリを加えて炒め、味を整える。

出来上がった料理:「第1章 毎日のお弁当」より、カレー風味にすることで冷めてもおいしく食べられる鰆がメインのお弁当を再現した。鰆だけでなくジャガイモを加えることで満腹感も得られるようになっているし、ベーコンの旨味がいきわたった野菜炒めもご飯が進むお味。作り置きの豆みそはぱりぽりと噛むごとに小さく音がするほどの歯ごたえが楽しくて、これだけでもお酒の肴になるほど美味しい。レシピではもう一品の副菜、ごぼうの酢漬けが載っているのだが1週間漬ける時間がなかったため今回はスキップ。

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主菜と副菜にごはんがバランスよく食べられるので、お弁当(置き弁)を作り始めてから以前よりさらに(笑)元気になっている気がする。容量が決まっているので、1度に食べる量を自然と管理できて、減量したい人にもお弁当生活はおすすめ。

昨夕は親戚宅にて久しぶりに出張料理をしてきた。何を作ったら喜んでもらえるのか想像しながら品を選ぶ。お酒が好きだからうけるに違いないしばにさんのこんにゃくの甜麺醤炒め、わたしの定番料理じゃことおかかを下味にしたマカロニサラダは翌日までもつから多めに、その他ちゃちゃっと作れる数品にムラヨシ先生のつぶしアボカドとカリカリ梅、しらすのさんしょあえと海苔のサンドイッチも作るつもりが買い出しに行く余裕がなくて次回に持ち越すことに。(いつもの月曜のように午前中は倒れるように寝ていたのがよくなかった。反省)

作った料理を喜んでもらえるのは何度経験してもとてもうれしく、これからもおいしいが聞こえてくるレシピを探っていこう。

<ごはん日記>

29冊目『有元葉子の「和」のお弁当』から初回は牛肉とピーマンのかき油炒め弁当

[29-1]『有元葉子の「和」のお弁当』より初回は牛肉とピーマンのかき油炒め弁当(p.26~)

 有元葉子著、東京書籍(株)発行、 撮影 今清水隆宏、スタイリング 千葉美枝子、アートディレクション 昭原修三、デザイン 植田光子、  2013年9月10日初版発行

お昼は気持ちのよいお天気だったのに、夕暮れ時から雨、雷など春らしくなった月曜、新年度しょっぱなもお弁当本の紹介をする。

調理時間:10分以内(前夜に下準備を済ませたとして)

主な材料:牛赤身薄切り肉、ピーマン、酢、酒、砂糖、おろししょうが、しょう油、かき油、キャベツ、きゅうり、紫玉ねぎ、オクラ、削り節など

調理の流れ:(下準備)牛肉の炒め物:食べやすい大きさに切った牛肉を下味の調味料に漬け、揉み込む。ピーマンは切っておく。野菜の酢油漬け:切った野菜を塩揉みし、水気を切る。サラダ油、酢、コショウを加え混ぜる。ゆでオクラ:塩刷りしたオクラを熱湯で茹でる。

(当日)牛肉の炒め物:ごま油を熱したフライパンでピーマンをさっと炒めて取り出し、牛肉を炒め、しょう油、かき油で味を整えてからピーマンを戻し入れる。野菜の酢油漬け:水気を切る。ゆでオクラ:削り節にしょうゆを加えたものを添える。

出来上がった料理:「第1章 毎日のお弁当」より、下味の上にかき油としょう油も加えしっかりと味のしみ込んだお肉と、油でコーティングされた野菜にお酢を加えることで程よい歯触りが残り、さっぱりとたくさん食べられる副菜が嬉しいお弁当を再現した。茹でオクラにおかかしょう油も、地味ながらご飯にあうお味で、お弁当箱という限られたスペースの中でいろいろな要素を楽しめるようになっている。牛肉と一緒に炒めるピーマンは赤か緑だったり、野菜の酢油漬けに紫玉ねぎが入ったりと有元先生らしい色使いが、お弁当の蓋をあけたときに目に飛びこんでくるのも嬉しいものだから。(かき油とはオイスターソースのことです。付け加えておくと。そして赤ピーマンを切らしていたのでオレンジピーマンを使ったのが下の画像)

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前夜に準備が整っていれば、時間をかけずに彩り豊かで、バランスの整ったお弁当を作れることが実感できる。この本で有元先生が勧められているのは、準備した材料を一枚のバットに入れて整えておく方法。味付け、調理方法を頭の中で組み立てて予習し、色みも確かめられるので、確かにとっても便利。

実家より牛肉と新鮮な野菜が届き、質素なご飯を食べていた週末から食生活がいっきに華やぐ。東京ではなんでも手に入ると思われがちだちだが、野菜は産地から直接届くものに敵わない。ありがたいことに、このところとれたて野菜のお裾分けが各地から届くようになり、どれもがどうやって料理して食べてあげよう?と見るだけで料理欲をかきたてる位に生命力をはらんでいる。ピカピカときらびやかなものよりも、こうしてしっかりと育てられたものがただただ愛おしい。

<ごはん日記>

28冊目『ごはん同盟のほぼごはん弁当』から最終回は牛肉ときのこの混ぜごはん弁当

[28-8]『ごはん同盟のほぼごはん弁当』より8回めは牛肉ときのこの混ぜごはん弁当(p.72~)

 しらいのりこ著、社)家の光協会発行、 撮影 キッチンミノル、スタイリング 久保原恵理、デザイン 根本真路、  2017年2月1日初版発行

明日、関東甲信越の平地部では雪の恐れがあると予報が出る程冷えた金曜日は、プレミアムではないけれど今年度の締めくくりご褒美弁当を作る。

調理時間:15分ほど

主な材料:(主菜)ごはん、牛ももブロック(一口大に切る)、生椎茸(一口大に切る)、にんにく(みじん切り)、しょう油、練りわさび、小ねぎなど。(副菜)もやし、紅ショウガ。

調理の流れ:(主菜)牛肉に塩こしょうをふりしばらく室温で置く。油を入れたフライパンでにんにくが香るまで炒め、シイタケを加え焼き色がつくまで加熱する。牛肉を入れ、焼き色がついたら合わせ調味料を加えて火を止める。ボウルにごはんと炒めた具材を加え混ぜ、最後に小口切りにした小ねぎを散らす。

(副菜)さっと茹でて水気を切ったもやしに紅ショウガ、ごま油を加え混ぜ、味を整える。

出来上がった料理:「第3章 具材と一緒に混ぜるだけ 混ぜごはん弁当」より、ハレの日の贅沢ステーキ弁当を再現した。しっかりと炒めたシイタケの旨味がご飯にしっとりと馴染み、贅沢な厚めのお肉のしょう油味が堪らなく美味しくて、食べ終わった後の仕事がさくさく進みそう。大切なプレゼンや仕事の翌日などにねぎらいの意をこめて作るのも良いだろう。

このお弁当の副菜、もやしと紅ショウガのナムルも素晴らしい。紅ショウガにごま油ともやしの甘みがほどよくきいて、味に絶妙の変化をもたらしてくれる。写真よりどっさり入れるほうがさっぱりと食べられて、女性におすすめ。

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まとめに代えて:今回はごはん好きの、ごはん好きによる、ごはん好きのための炊飯系フードユニット「ごはん同盟」さんの著作を取り上げた。本書のポイントを数個あげると、

・お弁当の中身はほぼごはん。

・繊細な盛り付けはいりません。

・だしを使わなくても美味しく作れる。

・品数が少ないから準備も簡単。

・好きなおかずを2品だけ等、貴重な朝時間でも時間をかけずに作れるレシピばかり。

「第1章 おかず2品でつくる白ごはん弁当」にはお肉やお魚を使ったおかずのお弁当が16個。「第2章 ごはんと具材を重ねて 重ね弁当」ではたれかつ弁やオムライス弁当など8個。「第3章 具材と一緒に混ぜるだけ 混ぜごはん弁当」は高菜と豚肉の混ぜごはん弁当、ドライ麻婆ごはんなど8個。「第4章 具材を炊飯器に入れるだけ 炊き込みごはん弁当」ではシンガポールチキンライス弁当、(沖縄風)豚バラ肉とかぼちゃの炊き込みごはん弁当など7個。「第5章 好きな具材で作るおむすび弁当」ではお弁当の他におむすびの握り方、具材や豚肉巻きおむすびや焼きおむすびの作り方が掲載されている。他に塩麹付け、オイル漬け、ヨーグルト漬けのススメ、副菜のバリエーション、卵料理、きんぴらやふりかけについてのコラムもある。

レシピは一人分、用意する材料も少なく、3ステップのレシピなので、春からの新生活でお弁当デビューする人や、わたしのように久しぶりにお弁当を作る人のリハビリにもぴったり。

さて、これほどに「ごはん」を押すユニットのご出身は、三度の飯より飯が好きな八王子(東京都)ではなく、米所の新潟県。試作係のしらいのりこさん(奥様)が白根市、試食担当のシライジュンイチさん(旦那様)が寺泊町。いろいろなお弁当本が出ているが、ごはんを美味しく、たくさん食べるためのお弁当という切り口が面白く、instagram映えを気にしないところもこのご時世にかえって好ましく思え、取り上げることにした。

早いもので明日には4月がやってくる。このところ2年ごとに来日してくれているSir. Paul McCartneyの来日公演は4月の後半。幸いなことに4年前、2年前ともに生で聴くことが出来て、満ち足りた気持ちでいるので今回は行かなくても良いなぁと思っていたが、fmからこの曲が流れて、こころがざわざわしてきた。今朝は散歩中に急にバックしてきたパイプ満載のトラックにひかれかけ(十字路で鉢合わせた右折車のために直進のトラックが道を譲りバックするという残念な判断ミス)肝が冷えたので、元気に生きている間に(笑)ふらっと行ってみるかなぁ。

4月。2~3月のよく頑張った自分や周りの人にお疲れさまを、なにより週末がよいものでありますように。

~We can do what we want, We can live as we choose,You see there's no gurantee, We've got nothing to lose~  "new" Paul McCartney


ポール・マッカートニー - NEW (歌詞・日本語訳付)

<ごはん日記>

28冊目『ごはん同盟のほぼごはん弁当』から7回めは味噌漬けとんかつ弁当

[28-7]『ごはん同盟のほぼごはん弁当』より7回めは味噌漬けとんかつ弁当(p.16~)

 しらいのりこ著、社)家の光協会発行、 撮影 キッチンミノル、スタイリング 久保原恵理、デザイン 根本真路、  2017年2月1日初版発行

昨日はお花見は来週が丁度良い頃合いとしたが、ぐんと気温が上がり明日あさってが見頃な気がしてきた木曜はトンカツを食らう。

調理時間:10分以内(豚肉を漬込む時間をのぞき)

主な材料:ごはん、(主菜)豚肩ロース(トンカツ用)、味噌、酒、砂糖、小麦粉、パン粉など。(副菜)キャベツ、きゅうり

調理の流れ:(主菜)筋切りをした豚肉の両面に合わせ調味料を塗り、冷蔵庫で一晩休ませる。味噌を拭き取り、水溶き小麦粉、パン粉をつけて揚げる。

出来上がった料理:「第1章 おかず2品で作る白ごはん弁当」より著者の知恵の詰まったトンカツ弁当を再現した。まず、豚肉を味噌で漬込むことでお肉が柔らかくなり、味もしっかりと入るのでソースをつけなくとも美味しく食べられる。おうちではなくて外で食べるお弁当で、トンカツ用の別添えソース不要はポイントが高い。次に、一人分のトンカツを作るときに起こる卵1個を割ほぐしても使い切れない問題も、水溶き小麦粉を使うことで乗り切れる。卵を抜いた味はどうなのだろう?とワクワクしながら食べたが、味は大差無し。若干衣がはがれやすいけれど、お店ではなくおうちの料理かつお弁当なのでごくごく普通のことで、しっとりした衣でご飯を食べるのにも、おまけの美味しさがある。

副菜は材料が整わなかったので、載っているレシピをアレンジして、塩揉みしたキャベツに刻んだ大葉を混ぜ合わせたものと、トンカツと一緒に揚げたサツマイモを添えた。

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プロならではのよく考えられたレシピ。慌ただしい朝に大きなサイズの揚げ物はハードルが高いけれど、味噌に漬けた豚肉は焼いても美味だという脚注もあるので、お手頃で美味しそうな豚肉を食材店で見かけたらぜひ作ってもらいたい。

昨夜は久しぶりに外ごはんで、時間もあったので代々木公園を散歩した。三分咲きくらいの桜の下には予想以上に多くの人が集っていて、公園内に増設された臨時トイレに盗撮、覗きに注意と大きく但し書きがされていたのに今を感じる。これまでの職場には常に桜並木があり静かに愛でることが出来てきたし、京都市内は普通に歩いているだけで次々と桜に出くわすので、お花の様子を見に公園まで行くのは、そういえば自分の中でも珍しいことだった。

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<ごはん日記>