300と数十日の食卓

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35冊目『ワインがおいしいフレンチごはん』から5回めはマグロのたたきサラダ

[35-5]『ワインがおいしいフレンチごはん』より5回はマグロのたたきサラダ(p.68~)

料理 飯島奈美、ワイン監修 杉山明日香、 株)リトルモア発行、 デザイン 木村裕治、後藤洋介、 撮影 宮崎純一、編集 加藤基、當眞文、 2017年5月26日初版発行

台風って、いつもこんなに早くきてはったっけ?と首をかしげる火曜は、ワインと楽しむサラダを。

調理時間:15分以内

主な材料:刺身用マグロの赤身、じゃがいも、レタス、トマト、きゅうり、玉ねぎ、ピーマン、パプリカ、種無しブラックオリーブ、アンチョビ、にんにく、白ワインビネガー、オリーブなど

調理の流れ:じゃがいも→2cm角に切って茹でる。レタス→3cm角に切る。パプリカ・ピーマン→8mm幅に切る。きゅうり→縦半分に切った後1.5cm幅に切る。玉ねぎ→薄切り。オリーブ→輪切り。トマト→大きめの角切り。ニンニク→半分に切る。アンチョビ→細かく切る。

マグロは塩こしょうをして、オリーブオイルを熱したフライパンで表面をさっと焼き5mm幅に切る。ニンニクの切り口をボウルにこすりつけ、アンチョビ、オリーブオイル、塩を入れて混ぜ、野菜を加えて手で調味料を馴染ませる。マグロ、ワインビネガー、白コショウを加えてさっくり混ぜ和える。

出来上がった料理:飯島さん流にアレンジした人気のSalade nicoise(ニース風サラダ)にマリアージュさせるのは、プロヴァンスのグルナッシュ主体の辛口のロゼワイン、コート・ド・プロヴァンス・ロゼが提案されている。ぶどう品種、産地共に同じ物は難しかったのでやや辛口のロゼをあわせる。

切ったり、すりおろしたりするのでなく、サラダボウルにニンニクの断面を直接こすりつけるとほどよい香りつけが出来る。フランス料理では、ほうれん草のバター炒めを作るときも、ニンニクを突き刺したフォークを用いることで香りをうつしつつ、炒めたりする。

油で汚れるが手を使ってサラダを混ぜるのも、全体に素早く調味料を馴染ませることが出来るので、食の現場ではよく行われる作業。生の野菜だけでなく、ポテトサラダを作るときも手を使うほうが全体のポテトの潰れ具合がわかって作業しやすいというシェフもいらっしゃるくらい。

ニソワーズ・サラダはツナというイメージがあるが、今回はレアな焼き加減のマグロを使った贅沢版。南仏をイメージさせるトマトの赤、パプリカの黄色に、いろいろな深みの緑色が混じって夏の日差しをイメージさせるようなサラダ。あえて厚めに切ったきゅうりの歯ごたえや、青臭みがピーマンのそれと重なって楽しい。しっとりした食感のマグロもワインビネガーの酸味でさっぱりと臭みも感じずに食べられ、時折ひょっこり顔を出すオリーブも欠かせないアクセント。これにフランスパンを合わせるとそれだけでもう幸せにお腹がくちくなる。

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食文化の保存にとても熱心な国らしく、現地ではサラダ・ニソワーズ保存会という団体が存在し、正統な材料はツナ、アンチョビ、ゆで卵、トマト、スプリングオニオン、ニース産黒オリーブ、バジルの7種類のみだと本書に記されている。日本でこういう類いの会や、定義がある料理はあるのかな?パッと思い浮かばなかったので、まわりに訊ねてみよう。

 

本書と連動して、日本や世界の食とお酒が主題の本を紹介しているが、 今日は杉浦日向子さんの『呑々草子』講談社文庫刊。夜行バスで東京から博多に向かい、さらに鹿児島まで足を伸ばしてとんぼ返りするという0泊3日の弾丸ツアー等日、ともかく語り口が軽妙なエッセイ集。お酒の話は浴びるほどに記されており、読みながら呑める位。

このところ毎日違うボトルを開けるというこの上ない贅沢な暮らしをさせてもらっているが、そろそろ美味しい日本酒が恋しくなってきた。わがままだなぁ。

新装版 呑々草子 (講談社文庫)

新装版 呑々草子 (講談社文庫)

 

<ごはん日記>