300と数十日の食卓

食べること,本を読むこと,音楽をめぐる時間

56冊目『きちんと小鍋』から初回はザーサイと食べラーのスンドゥブ

[56-1]『遅く帰った日のきちんと小鍋』から初回はザーサイと食べラーのスンドゥブ(p.56~)

YOSHIRO著、 株)枻出版社発行、デザイン ピークス(株)、撮影 加藤史人、落合明人、スタイリング 松井緋音、編集 杉村貴行、 2018年11月30日初版発行 

お正月の浮かれ気分はとうの昔に去ったのに、身についた贅沢な肉は一向に落ちないし、寒い季節には鍋でぽかぽか栄養補給。

調理時間:20分以内

主な材料:大きめにちぎった絹ごし豆腐、斜め切りにして水に晒したゴボウ、食べやすい長さに切った白ネギ、卵、食べるラー油、ザーサイ、すりおろしたニンニクとショウガ、コチュジャン、酒、醤油など (合計410kcal)

調理の流れ:小鍋に水、ニンニク、ショウガ、ザーサイと調味料を入れて一煮立ちさせたら、ゴボウ、豆腐を加えふっくらするまでくつくつ煮る。長ネギを加えたら火力を上げて出汁がグラグラ湧いてきたら卵を入れ、ラー油をまわしかける。

出来上がった料理:仕事で帰宅が遅くなってぐったり。料理をするのも億劫だけれど、なんか食べなきゃね…というテンションでも、台所に立って材料を入れていくごとにちょっとずつ楽しくなってくるようなレシピの多い本書より、初回はほぼ全ての食材がコンビニで揃えられる鍋を紹介する。

<材料について>ゴボウがなければ、野菜室にある葉野菜、例えば白菜で代用してもよし。長ネギも青ネギでよし。でも、ザーサイはこのお鍋のベースとしてとっても重要なので、コンビニで買える瓶詰めのものをぜひご用意ください。使い切れなかったものはラーメンのトッピングにもできるし、きのこと炒めても美味なので(酒飲みはそのまま肴に)。大量に使うニンニクとショウガは常にストックしているが、すりおろすのは私でも面倒な時があり、だからチューブ入りも冷蔵庫に揃えてある。少量のみ使用の場合は、便利なものに頼るに限る。

本書では豆腐は手でちぎると記載されているが、(使うお豆腐によっては)スプーンですくう方が崩れにくいので、レシピの手順にこだわり過ぎず、やりやすいように。

初めて作ったザーサイ入りのズンドゥブは、適度な歯ごたえと中華スパイスの香りがほのかに漂ってくるのが嬉しく、そしてものすごぉくコチュジャン風味にあう。ふぅふぅ言いながら熱々のお豆腐と、これだけの材料で生み出されたとは思えない深みのあるスープを口に入れていると、くたびれ果てた体がぽわぽわ温まり、なんだかこころまで元気になってくる。土鍋で作ったならば、余熱で絶妙な火加減に仕上がった卵の黄身がとろりと緩やかに流れ出てくるのは、目にしただけで美味しそうで、食べるとさらにうっとり出来る。

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簡単、美味しい、カロリー低めの三拍子が揃い、この冬リピート鍋に決定。

 

昨日1月17日は阪神・淡路大震災の発生した日として、京都で生まれ育った私には記憶に残り続ける。日本は地震の多い国なので、みんなそれぞれの記憶があるだろう。のほほんと生きているけれど、一瞬で変わってしまうことがある。取り戻せないものがある。

いろいろと思い出されて泣いているうちに寝ていたので、本当は当日アップロードしたかったが一日遅れた。

土曜からセンター試験が始まる。受験生さんは実力が出せますように。周りの人は出来るだけ支えてあげられますように。食いしん坊の私は大学受験日に叔母が持たせてくれたシャケおにぎりの味をいまだに覚えている。作った本人は大したことじゃないと思っていただろうけれど、手作りのおにぎりでひどくホッとしたのは大切な思い出。受験だけでなくって、何かの当事者にとって、身近な人のさりげない心遣いはありがたいもの。よい週末を!


満月の夕(07)

<ごはん日記>